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10話 大金を入手

見えてきた街は高さ10メートル、厚さ3メートルくらいの石造りの、頑丈そうな外壁に囲まれている。街道の先には2つの門が並び、向かって左側の門には豪華な馬車がちらほら通り、街に入っていく。反対の右側の門の前には、人が列を作って並んでいる。僕たちは、ロープで繋いだ盗賊を連れているので、かなり目立つ。何だか僕たちの周りだけ少し空いている気がする。僕が人の列を眺めていると、隣に座っているセシリアが、


「向かって左側の門は、貴族等の身分が高い方専用となり、その他は右側の門に並ぶことになります。だから私達は、右側に並んでいるのです。」


と説明してくれた。道中、セシリアには、僕が森に住んでいて常識に疎いと言っておいたので、今回のように常識と思えるようなことでも説明してくれている。僕の意を汲んでくれて、丁寧に説明してくれるセシリアに、僕は「すごく助かるなぁ」と思い、


「ありがとう、セシリア。丁寧に教えてくれて助かるよ。」


とお礼を返すと「いえ、大したことではありません。」と言って顔を赤くする。何これ、すごく可愛い。僕は、ますますセシリアを大事にしてあげないといけないと再認識した。とりあえず、街に入ったらセシリアに服を買ってあげないとな。いつまでも貫頭衣じゃ可哀想だ。僕がそんなことを考えていると、門の方から門番らしき二人の男が僕たちに近づいてきた。


「君達の代表はいるか?ロープで繋がれた男たちのことや事情を説明して欲しいのだが。」


二人のうちの一人が、ヤックさんを見て話しかけてきた。やっぱりヤックさんの方が代表っぽいよね?ヤックさんが馬車を降りて、門番と何か話した後、門番に「じゃあ、ここの皆は詰所まできてくれ。」と言って、さっさと街の中に入って行った。僕たちが列を飛ばして街の中に入ると、すぐに詰所に入った。


詰所は、本当に話を聞くだけにしか使わないような机と椅子しかない。さっきの門番がいたので、ヤックさんと僕だけ門番の前に座った。セシリアは、僕の後ろに立っている。セシリアには隣に座って欲しかったんだけど、門番からの事情聴取が始まり、ヤックさんが説明し、僕が説明を付け加えるかたちで話は終わった。何でも盗賊を捕まえて、門番というか衛兵に引き渡すと盗賊を奴隷として売る程度のお金が貰えるらしい。さらに首領のバルトスには、かなりの懸賞金が懸けられていたようで、捕縛した僕がその全てを僕が貰えるのが普通らしい。僕が全てを貰うのは、ヤックさんに大変申し訳ない気持ちになったので、セシリアを譲り受けたことやロープを借りたことを理由に、僕とヤックさんの激しい譲合いの結果、僕が8割でヤックさんが2割をもらうことになった。因みに、盗賊の死体をアイテムボックスから出して門番に引き渡すと、まずアイテムボックスに驚かされながらも若干の謝礼が出ると説明してくれた。


結局、僕は金貨1,000枚を貰った。本当は、もう少し少なかったんだけど、切りの良いところでこうなった。金貨1,000枚って言ったら、大体1000万円だよ!黒耀貨10枚でも受け取ることができたが、使い勝手が悪そうだったので金貨にして貰った。アイテムボックスがあるから金貨が多くてもかさばらないし。因みに、バルトスの懸賞金が金貨1,000枚なので、いかにバルトスに高額な懸賞金が懸けられていたのかが分かる。僕は一気に金持ちになってしまった。


ヤックさんに、冒険者の死体について尋ねると、冒険者ギルドに持って行けば良いと言われたので、お礼を言ってヤックさんと別れた。いやぁ、ヤックさん、良い人だったな。この街にしばらくいるらしいから、また会いに行こう。


僕とセシリアだけとなり、さっそくセシリアの服を買いに行こうと思い、街の人に聞いて服屋に向かった。服屋に着いて、セシリアに「じゃあ、服を選んで。」と言うと、


「分かりました。頑張ります!」


と言って、意気揚々と服屋に入って行った。頑張るって?可愛い服でも選ぶの?と僕が思っていると、セシリアはシャツやズボン等の男物ばかりを持ってきた。ここにきて、さすがに僕もセシリアが勘違いをしていることに気づく。


「セシリア、君の服を選ぶんだよ。」


と説明すると、セシリアが、


「えっ!?ここは、新品のお店ですよ!?」


と信じられないという様な顔をしていた。これは、遠慮してセシリアが服を選べないだろうと思い、服屋の女性店員を見つけると、セシリアを示し、


「彼女に似合う服を、普段着とお洒落な服、下着を3着ずつ選んで貰える?」


と言うと「お任せください」と、やる気をみなぎらせ、セシリアを引っ張って店の奥に消えていった。セシリアの服を選ぶのは、時間がかかるだろうと思い、僕はセシリアが選んでくれた男物の服と普段着を何着かと、下着を数点選び、セシリアが無事に帰ってくるのを店内で待つことにした。


※現時点のステータス

【Name】ヤマト

【スキル】鑑定Lv10、全言語理解、スキルメニュー、風魔法Lv5、索敵Lv10、生活魔法、空間魔法Lv3、二刀流Lv5、隠蔽Lv10、回復魔法Lv5

SP(スキルポイント)】26

【称号】女神の加護

【所有奴隷】セシリア


【Name】セシリア

【スキル】剣術Lv2、身体能力強化Lv2、生活魔法

【称号】ヤマトの奴隷

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