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ロストカラーズ  作者: あすか
第五章 黄国内乱
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第162話 体から追い出そう

 援軍(ホリン)の到着を待って最後の勝負を仕掛ける。


「言っておくけど、封じれるのは魔法だけで、動きまでは封じれないからね。それから持って数分だと思う」


「それだけの出来れば十分だ」


 動きを封じてもらうのは彼女にやってもらう。


「あと封じるのはトールを中心に半径一メートルのフィールドだよ。黄色の属性だけ無効にするから、シオンくん達の魔法は使えるよ」


 フィールドに特定の属性だけ無効にすることが出来るのか。それは俺には出来ないな……ってことは、トールも雷は使えないけど魔力は使えるってことか。それは注意しないとな。


「発動するのに十秒かかるから、合図のタイミングは気をつけてね」


 タイミングがずれてトールがフィールドから逃げると、この作戦は失敗に終わってしまう。


(ホリン! 到着二十秒前に合図をくれ!)


《マスターすでに到着まで二十秒切ってます!!》


 な、なにーー!! もうそんな近くにいるの!?


「ト、トオル今すぐ開始だ!!」


 俺は慌てて合図する。


「ええっ!? 急だね……分かったよ。じゃあ……行くよ!」


 俺の合図でトオルは全力で魔力を練る。

 俺はトールがその場から逃げないように、囮となるべく正面から駆け寄る。


「愚かな……敵わぬとみて特攻か?」


 さっきから遠距離攻撃で何度も失敗している。破れかぶれで接近戦を仕掛けてきたと思われても仕方がない。


「そんなわけないだろ!」


 走りながら【毒射】を撃つ。ただし、トオルの魔法発動に合わせて当てなければならないのでスピードは少し遅めだ。

 トールはさっきまでの小競り合いで、この攻撃が効かないことを知っている。その為、避ける素振りすら見せない。


「そんな攻撃この【雷装】には効かぬと何度試せば気がすむのか」


 無視して俺の方を注意深く観察している。その隙に、突如トールの足元に五芒星が浮き上がり、身に纏っていた【雷装】が消え去る。【雷装】だけじゃない。辺りにあった雷全てが消え去っていた。きっかり十秒。流石だ。


「なにっ!?」


 俺の方を凝視していたトールも予想外の状況に慌てる。

 そして先ほどまで無視していた【毒射】が迫って来たのをみて慌てて反応しようとする。くそっ本当ならここで当てるところなのに少しだけタイミングがずれたか!?


「シーーーオーーーンーーー!! トーーーオーーールーーー!!」


 その時、上空から大声を上げて落下してきたエキドナが見えた。えええっ!? そんな登場方法なのかよ!


 だが、その声に驚いてトールの反応が遅れ【毒射】がトールに直撃……が、流石に僅かに反応できたようで、体ではなく、右手に命中。

 だが、最初の【毒矢】同様、この【毒射】にもマヒ毒が付与されてある。当たったらその対応しなくてはならない。

 それが分かっているトールはすぐさま腕を切り落としにかかる。

 だが、そこでトールは固まる。今の状態では先程のように左手で切り落とそうにも雷が宿っていない。只の手刀では切り落とすことは出来ないだろう。


「くそっ!」


 悪態を吐くトールに俺がナイフ片手に攻撃を仕掛ける。が、それは避けられる。流石にそう簡単には攻撃は当たらないか。


 トールは俺の攻撃を避けながら左手に魔力を込め、無理矢理右腕を力任せに引きちぎる。対処がそれしか出来ないとはいえ……凄い痛そう。


「使えないのは我の魔法だけか。魔力は使える。そしてこの光……それなら!」


 トオルの魔力無効の効果に気がついたトールが急いでここからの脱出を試みる。

 だが、無駄だっ!


「エキドナァ! 今すぐこいつの動きを止めてくれ!!」


「分かったのじゃ!!」


 落下しながらエキドナが答える。……とは言ってもどうやるんだ?

 と思った瞬間、足元が揺れ、地面が割れる。俺は思わず体制を崩しかける。だが、それはトールも同じだった。寧ろ、俺よりも不安定だったトールは体制を立て直せず、そのまま膝をつく。


「くそがぁ!」


 大分余裕がなくなったトールに追い打ちをかけるように割れた地面から植物の蔓が飛び出す。そしてその蔓はトールの足に、そして全身に絡みつく。一瞬にしてトールの動きは完全に封じられた。

 どうやらこの植物の蔓のせいで地面が揺れていたようだ。


「なっ、なんだこれは!? う、動けん!!」


 流石エキドナの魔力だ。トールの魔力でも引き千切ることが出来ないらしい。

 得意の雷が使えない。動くことも出来ない。ならもう今しかない!!

 俺はトールの上に乗り、手をかざす。


「トール。お前に毒魔法使い特製の回復魔法をお見舞いしてやるぞ」


「なっき、貴様……やめろ! ……くそっ雷さえ使えれば……」


 必死でもがいているトール相手に、俺はデューテの体に触って全力で直接魔法を送り込む。


「ぐあっ……や、やめ、やめろーーー!!!」


 俺の魔法が体内に入り苦しみだすトール。


「止める訳がないだろう。大人しくデューテの体から出ていけ」


「な、何故だ!? 何故俺がこんな……毒や透明などという魔法を使う卑怯な奴らに負けなければならんのだ」


 それに関しては返す言葉もない。毒と透明、さらには魔法無効化に、突然現れた援軍に動きを封じられる。これじゃあどっちが悪か分からない。だが……。


「人の体を乗っ取って人質にしているお前には言われたくないな」


 トールの叫びは少しずつ小さくなって……やがてデューテの体内からトールの気配は消え去った。

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