第78話 一年を振り返ろう
今回から五章です。
ですが、日常編までのまとめです。
その為、日常編を全部読んだ方は飛ばして下さい、
本当の本編は次回からになります。
新たな旅の出発の前に、俺は少し物思いに耽った。
思えば去年は色々あった。
エキドナとゼロとの出会い。
ヘンリーと赤の国との決着。
そして、エルフの村での再会。
半年以上も前だが、今でも鮮明に覚えている。
外の変化だけでなく、ここシクトリーナにも沢山の変化があった。
城内を大改装した、前よりもずっと快適に過ごせるようになった。
城下町が出来た。外交するための拠点となるだろう。
ただし、今はまだ住んでいる人の職業が少ない。早く色々な商売や開発を出来るようになりたい。
ツヴァイスに関しては、農業や生産工場をメインに活動を開始した。ツヴァイスの人間は城下町と行き来を自由にして、買い物等は城下町の方で、生産や隠しておきたいものは、ツヴァイスで行うことにした。
フィーアスは相変わらずだ。ただ、人間と交流することも増えた。あと、夜魔族の女性が、料理や針仕事を習いに来るようになった。意外と仲良くやっているようだ。
城には住む人が増えた。
ミサキとレン。二人とも日本人でアンデッドに襲われているところを助けた。
ミサキとレンは商人の元で三年ほど過ごしているため、ミサキは補給隊のリーネと一緒に仕入れや交渉を任せている。
今はエルフとエキドナ、ゼロとほぼ身内との取引だが、しっかりとやってくれている。
今後は身内以外との取引もあるだろうが、魔王達との交渉に比べればどうとでもなるだろう。
レンは少し臆病な性格のため、交渉ごとには向いていない。だが、彼女には彼女しか出来ない植物と会話が出来る特技がある。
植物も彼女には協力的らしく、森にある珍しい物を手に入れたこともある。
シクトリーナの農業にも役に立つ。今やいなくてはならない存在だ。
もう一人増えたのがアイラ。
スミレの娘で、エルフの彼女は、今までエルフの村から出たことがない。その為、この世界の様々な事を勉強中だ。それと最低限、自分の身を守れるように戦闘訓練も行っている。
元々エルフと言うこともあり、魔力には問題がない。肉弾戦を学べばそれだけで強くなるだろう。
他の者は相変わらずだ。
エルフの村とは大体月一で交流している。
ヒカリはスミレに会うのが嬉しいのか、ヒカリがエルフの村との交流に積極的だ。エルフの村へ行ったときは必ずスミレの家に一泊する。
スミレの方も楽しそうなので何も問題ないだろう。
姉さんも変わっていない。相変わらず、ツヴァイスやフィーアスで狩りをしながら、冒険者や兵士を鍛え上げている。その中の一人、セラとどうやらいい感じらしい。
トオルはエキドナ領とシクトリーナを行き来している。
こちらもある程度落ち着いたので、もうすぐしたら正式にエキドナ側へ行くみたいだ。
まぁ部屋は残すし、多分トオルもよく遊びに来るだろうからあまり寂しがる必要もないだろう。
それから変わったのはシクトリーナだけではない。
ヘンリーがいなくなった不夜城はヘンリーの部下だったカミラが引き継いでいる。カミラはアンデッドだけでなく、サキュバスなど夜魔族も従えている。
城や領地も不夜城の名前を外した。
領地は夜魔国、城の名前は夜魔城になった。
カミラ自身は【夜魔王】を名乗った。実力的にはまだまだだが、バックにはゼロがいるから問題ないだろう。
エキドナも元の領地と赤の国の領地をちゃんと治めている。
また、城や領地が二つになったことから、元の領地をアンサンブル、赤の国だった場所をシンフォニアと名付けた。
夜魔国と重奏国、それからシクトリーナで三国同盟を結んだ。
シクトリーナではルーナが【銀魔王】を名乗った。あくまで名乗っただけだ。
三国同盟が対等であることを外部にも分かるようにするため、シエラが死んだことで赤の国のように攻めてくる人を牽制するためだ。
それには俺ではなくて、ヘンリーを倒したルーナが適役だった。渋々だがルーナも了承してくれた。
これらの情報は、それとなくギルドに情報を流して、全世界に発信されている。
それによって、他の国がどう干渉してくるか分からない。
とりあえず今から行く黄の国で情勢を調べることにしよう。




