その21 運動.2
防御魔法設置完了。
白マリモさん部隊および黒マリモさん部隊も設置完了。これで気兼ねなく暴れ──げふんげふん。運動ができるというもの。
「さぁーて、準備万端かしら?オレツ」
「ツマさんは?」
「いつでもどうぞ」
「それでは遠慮なく」
言い終えると同時に大量の魔法陣を展開。
空まで埋め尽くす程の魔法陣が同時に稼働し、一気にツマさんへと発射した。
圧倒的な魔法の量に、観客勢が歓声を上げた。
だが、虹色のカラフルな光の筋がツマさんの目の前で全て消滅した。
出た魔法食い。
あれはツマさんの特殊能力で、ありとあらゆる魔法を無かったことにしてしまうのだ。
あれがツマさんが最強の存在足らしめている能力。
あれの前に殆どの勇者は無力化されてしまうのだ。
「あら?これで終わり?オレツらしく無いんじゃない?」
「勿論あれは目眩ましだよ」
ツマさんの背後から奇襲をかける。
だが、ツマさんの蹴りがオレツの拳の起動を変え、その余波が空間を震わせた。
「威力上がった?」
「最近オーヅ達と殴り合ってた」
「巨人兄弟を泣かせるのもほどほどにしなさい」
くるりとツマさんが回って、光の帯が放たれる。
直に受ければ消し飛ぶ。
バリアを斜めに大量に設置し、威力を分散させる。
旗から見ると突然光の帯が木の枝のように広がっていき、ある程度までいくと方向転換してひとつに繋がり、ツマさんへと返された。
「やるじゃない」
バシュンと音を立てて光の帯が霧のように霧散した。
それを見て、オレツも笑う。
ああ、やっぱりツマさんは最高の存在だ。
「す、スゴかったわねー!」
「な!あれ見たか!?雷みたいに光がバリバリバリーって!!」
「ばっか!二人のダンスのような乱舞のがスゴかったに決まってるだろ!?なんであんな避け方できるんだよ!!」
兄弟達が興奮が冷めやらんと熱弁している。
そして、その反対側。
実は魔族側も観戦していた。
「………がんばろ」
先程の戦闘を見て、魔族達はみんなあまりの凄さに固まってしまい、誰かがぽつりと溢した言葉に「うんうん」とみんな頷いたのであった。




