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その17 オレツの探し物.10

「かんせーい!」



 オレツは目の前にあるそれを眺めながら言った。


 製作時間はおよそ四時間ほど。しかし、見た目に反して超精密作業だったので、さすがのオレツでも欠伸が溢れた。



「……なんじゃこれ」



 と、ガンドロン。


 確かに見た目は黒いファーが付いている姿見の様だ。

 だが、それは違う。このファーはもこもこクロマリモさん達の集合体である。

 そして真ん中にある黒い鏡のようなものはクロマリモさん達が作り上げた魔力の膜なのだ。



「ふぁあ…。まさか扉ひとつにクロマリモさん12匹使うと思わなかったな…。これは余分に作ってくれたツマさんに感謝だ。さて」



 欠伸で出た涙を拭いつつオレツはモグちゃんに頼んでツマさんに繋げてもらった。



『なにこれ』



 本日ニ度目のなにこれ。



「さっきクロマリモさん達で空間繋げたじゃん。でもあれって俺とツマさんの魔力量あっての事じゃん?」

『そうね。空間同士を捻って纏めて貫くんだから、あの頭のおかしい魔術師以外はそうするわよね』

「それをクロマリモさんの自家発魔力でやってみようかと」

『まってさすがの私でも何いってるのかわからない』



 かいつまんで話すとこうだ。

 クロマリモさん達は元々オオマゴケという魔力を溜める性質のある苔だ。

 魔力の回復を促したりする薬の原料の一つでゆうめいである。

 通常でそれなのに、このクロマリモさん達は種からツマさんの魔力を食べて育ってきた。

 とするならば、体内の蓄積魔力はとんでもない事になっている。

 それを、いわば電池代わりに大勢で固まって発動させればいけるんじゃないかって寸法だ。



『いってる意味はわかったわ』

「よかったよかった」

『でも考え付いてもやるとは思わなかったわ』



 画面の向こうでニマニマとツマさんが笑っている。



『で、ここに転送してきたこれを、オレツの言ってた所に設置すればいいのね!』

「うん。お願いツマさん」

『こんな子供のお使いみたいなお願い聞いてやるの、オレツ位なんだからね!!感謝しなさいよ!!』

「うん。本当に感謝してるよ。ありがとうツマンティーヌ」



 画面の向こうでツマさんがトマトになっていた。

 可愛い。



『よし!よし!帰ってきたらめーーーいっぱいお土産話をしなさいよー!!!』



 そう言ってツマさんは走って画面外へとフェードアウトしていった。


 部下使えばいいのに。

 おっちょこちょいでほんと最高だよ、萌え殺される。



 画面が消え、ツマさんの合図をガンドロンの朝酒をチビチビと飲みながら待った。




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