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その16 オレツの探し物.9

「なっはっはっはっは!!!おんしもようけ飲みゆうのぉー!!!さっきの挨拶も良かし!トールマンとは思えん良か奴よ!!」

「いやぁー!あなたも凄いじゃないですか!ささ、どーぞどーぞ!」

「おっと、すまんのぉ!」


 コッコッコッと音を立てて、瓶から酒が流れだし、器の中に注がれる。

 コップではない。器だ。主にどんぶりの類いの。


 それをドワーフは盛大に飲み干し、次はお主の番だと容赦なくオレツの器にも注がれる。それをオレツは同じように飲み干して、みんなして笑い転がるのだ。


 美味い酒は良い。

 飲み方が良ければ友ができる。


 それにしても本当に美味い。なんだこの酒は。すごく美味い。是非ともツマさんにも飲ましてあげたい。





 先程、無事に宝石交換を完了した。


 オレツからはルビーやらイエローダイヤモンド、パパラチアにモルガナイト、オニキス、と魔界原産の宝石たちや魔光石等の貴重なものを。

 ドワーフ達からはエメラルドにサファイヤにタイガーアイにラピスラズリ等の魔界では採れない宝石の数々を。


 今はこれらの石は価値が高騰して、この握り拳の宝石だけで小さな国が買えるほどだが、ドワーフ達は気前良く、オレツの量と同等の宝石を交換してくれた。


 ドワーフは背高族が嫌いだ。

 なんでも最近は更に摩擦が大きくなっているのだという。


 曰く。


「なんでこんなにも宝石の値段が高騰してるんだ!?さてはお前ら出し惜しみしているんだろう!?」


 と。やれやれである。


 そもそも採れるところが減少してるのに、そういうところには頭を使わないんだから、よくそんなことで上に立ってるな。

 と、オレツは思っていたが、めんどくさくなりそうなので余計な事は話さなかった。

 だってツマさんのせいでもあるしね。


 その事で戦争になりそうな気配があるから、出来る限り背高族と貿易をしないことにしようかと思っているらしいが、そうすると今度は金に困る。



「ならばうちと貿易結びませんか?」



 ということなので貿易を持ちかけた。



「そっちは貴重なうちの宝石と、人間界では使えないので野菜とか注文があったら人間界の硬貨での取引しますよ!トレードです!」

「良いのか?そっちでも人間界の硬貨は使えないだろう?」

「実はちょっと考えていることがあって、集めているんです」


 せっかくだからと、こっちに来る勇者連中も含めてやりたいことがあった。


「儂らは助かるが。…どうするけ?」

「良いんじゃないか?どうせ背高族にはもう嫌われとるし」

「よっし!!決まりだ!!よろしくな、オレツ殿」

「はい!ヨロシクです。ガンドロンさん!」


 固い握手を交わし、その夜は飲み続け、翌朝ツマンティーヌに連絡を入れた。


『………うん。あの、あまりにも急展開過ぎて吃驚なんだけど、オレツが仕切るって言うんなら良いわよ。吃驚だけど』


 二回も吃驚と言われた。

 だよね、でもこれで人間界で流通する宝石達をこちらの物に出来る。あとは、ドワーフ達の身の安全とかあるから、それは後で考えるとして。


「ツマさん、そのマリモさん殖やせる?」

『? どうして?』

「実験したい」

『…毎回唐突すぎるけど、いいわ。オレツって何だかんだと面白いの作ってくれるし。二時間後位に20匹そっちに送れば良いの?』


 一時間に10匹ペースで作れるのか。凄いなツマさん。


「うん。お願いします」

『じゃあ、また後でね』


 プツンと映像が途切れた。

 流石魔王様。俺のお嫁さん有能すぎる。


 ルンルン気分でお呼ばれしていた朝食を食べて、二時間後、計25匹のマリモさんが到着した。5匹ふえてる。


 緑のもふもふを物珍しそうに見るガンドロン達。


「それで何をするんけ?」


 訊ねてきたので、オレツはこれから悪戯を仕掛ける子供のような笑顔でこう言った。


「めっちゃ役に立つ物を作るんですよ」

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