その14 オレツの探し物.7
ヒトライエ司祭が頭を抱えて放心していた。
いや、真っ白になっていた。
その理由は机に置かれた報告書と映像投影器に写し出された光景。そして、一通の手紙であった。
「………ヒトライエ司祭どうしたのでしょうか?」
そこへ通り掛かった神父達がこそこそと様子を見ながら話はじめた。
「この前、オレツ元勇者の故郷を焼きにいったえげつない作戦あったでしょう?」
「ああ、ありましたね。正直神に仕える者がこんなことして良いのかちょっと議論になったやつですよね。それがどうしました?」
「なんか、本人来ちゃって壊滅させられたらしいですよ」
「え…!!!?」
指差す方向を見て納得した。
映像投影器に写し出されたのは、本来緑豊かな土地であろうはずの場所に高位結界が張り巡らされ、その外周を囲うように純白の巨大な棘が、いや、蕀か?なんであれそれが天高く聳え立ち、その途中途中に兵士が引っ掛けられていた。
しかもどう頑張っても自力で取れない位置と体勢で。
大半が気絶している、もしくは放心している中、どうにか暴れて抜け出すことに成功した兵士が黙々と回収作業を行っていた。
「…なんというか、地味に嫌ですねアレ」
「指揮官に至っては下着に剥かれて頭を逆モヒカンですから」
「悲惨ですね…」
さぞかし指揮官のプライドをバキバキにしてくれたことだろう。
これはもう数年単位で養生休暇を与えなければストライキが起こりそうである。
「ちなみにあの手紙は?」
「ああ、オレツ元勇者のものです。先ほど遠見で拝見しましたが、『俺を狙うのならともかく、身内に手を出したからにはそれなりに報復いたします。追記、つぎやったら今度はお前ら上層部の番な!服全部剥いで逆さに吊るして干してやる★』と」
「容赦ない。 おや?鳩が…」
窓こら白鳩が飛び込みヒトライエ司祭の頭に止まる。
のそのそとヒトライエ司祭が鳩の足から手紙を外し目を通すや、粉になって消えていくかのように萎びた。
比喩であるが、それほどまでに生気が消えてしまった。
鳩が飛び立ち、その風にのって手紙が飛ばされてきた。
足元に落ちた手紙を拾い上げ読んでみると、国王からのモノで、それにはこう書かれていた。
───儂はもう二度とオレツには関わらん。
「これからどうするんですかね?ヒトライエ司祭」
「さあ?でもきっと諦めるわけありませんよ」




