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第七篇

○爆ぜていきたい

 有り得べからざる誤謬というものが有り得ないのと同じように

 有り得べからざる成功というものもまた有り得ないのだとするのなら

 私は生き返った小魚のように息を吹き返し

 朝は太陽のように大地を照らし

 夜は月のように人々の心を照らし

 最期は堕ちていく天使のように爆ぜていきたい




○海と川

 海に入っていくことに死を感じるよりも

 川に入っていく方がずっと死を感じさせるのは何故だろう

 海が死そのものであるから?

 川が死に至るための道であるから?

 私はもうずっと海を見ていない




○未確定の地平

 あなたたちに出会えて良かった

 この銀河の片隅にある小さくて大きな星の

 同じ列島に生まれて

 同じ時代に生まれて

 私は本当に幸運だった


 人が一回限りの生を生きるとするなら

 こんなに幸せなことはきっとない

 あなたも私もあの人もこの人もその人も

 どの人もみんな大好きだ

 もしも私やあなたの感情がお互いを殺すとしても

 そのときがきてもきっと私は幸せだ

 だからどうか次のときまでお元気で

 次がないとすればまた昔に戻って会いましょう

 過去も現在も未来も

 全てが未確定の地平にて




○詩集

 遠い彼方の書店で見かけたあの詩集

 私はあなたに恋をしたのです

 ためらいがちに伸ばした手は

 しかし私の心から離れていって

 結局は離れ離れ

 どうしてあなたと同じ生活を歩まなかったのだろうと

 今もこうして夜風に接しているのだから

 これはきっと恋なのです




○火曜日の靴

 違う色の靴を履いておでかけする火曜日

 火曜日じゃなくたって良いけれど

 でも火曜日じゃないといけないんだ

 火曜日の土色の靴と

 火曜日の紅い靴

 あなたはどちらを気に入ってくれるかな

○初出

・爆ぜていきたい - 平成30年2月11日

・海と川 - 平成30年2月13日

・未確定の地平 - 平成30年2月19日

・詩集 - 平成30年3月4日

・火曜日の靴 - 平成30年3月8日

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