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機神漫遊記 ~異世界生まれの最終兵器~  作者: 十月隼
七章 機神と留学
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胎動

「お見事でした、皆様」


 ガヤガヤとギャラリーが解散していく中、ニコニコとご機嫌な様子で近づいてくるのはエリシェナ。たぶん模擬戦とはいえ臨険士(フェイサー)同士のパーティ戦を観戦できたのと、やっと心置きなく冒険譚を聞けるようになったのがよっぽど嬉しいんだろうね。


「おいお前、リクスってんだろ? ちょっと腕試しさせろよ」

「あ、えっと――」

「まあ、そのようなお誘いをされるとは、さすがはリクス様です。ここは戦士の方々の研鑽のためにも、わたしはお譲りした方がいいでしょうか」


 なぜか当然のような顔でネイルズがリクスに試合を申し込んできたのに対して、やけに物分かりのいい感じのことを口にしたけど、同時にさっき感じた謎のプレッシャーも放ち始めたエリシェナ。ニッコリ笑顔のはずなのに、ネイルズを見据える目が欠片も笑ってないのはボクの勘違いじゃないよね? ひょっとして『お前も邪魔する気か?』なんて思ってたりする?


「そうですね。戦いに身を置く方にとって、己の技量を高める機会は何事にも代えがたいと聞き及びますし、それに比べればわたくし共のお願いなどささやかなものでしょう」

「おっと、お嬢様方と先約があるのではそこに割り込むと礼儀に反するな。ネイルズ、我々は次の機会を待つのがいいだろう」

「お、おう」

「では、我々はこれで失礼させてもらおう。お嬢様方、ゆっくりと楽しんでくれ。リクス殿、またの機会にぜひ手合わせをお願いしたい」


 リュミアーゼまで言葉と裏腹な謎プレッシャーを放ちだしたもんだから、危機感を感じたらしいドランツが間に割って入ってインターセプト。明らかに怯んじゃってるネイルズをやんわりと引き離すと、軽く挨拶を残して訓練所に散っていった。他の戦技科の子たちも何か察したようで、名残惜しそうにしながらもそれぞれの鍛錬に戻っていく。


「どうやらお譲りいただけたようで何よりです。ではリクス様、早速ですが冒険のお話をお聞かせくださいませ」

「え、ここで?」


 危険察知能力の高い学友たちに手を振るボクの横でニッコリと催促してくるエリシェナに、顔を引きつらせながら周囲を気にするように視線を動かすリクス。さっきの騒動のせいか、ここにいる人間の八割くらいから注目受けてるんじゃないだろうか? リクエストされれば吝かではないとはいえ、この衆人環視の中で武勇伝を語り聞かせる度胸はないっていうのはリクスらしい。

 まあ実のところ、ジュダスに絡まれる前から同じくらいの割合がこっそりこっち見てたんだよね。新人が来ただけにしては妙に注目度高いしなんでだろうって思ってたところで思いがけずジュダスから答えが聞けたわけだけど、当時普通に語り出そうとしてたリクスは気づいてなかったらしい。

 さて、ここで大人数に注目されながら大した内容じゃない冒険譚を語るという羞恥プレイを強要するか、お預け喰らいまくったご令嬢にちょっと『待て』を延長させてもらって場所を変えるか――


「失礼、横から厚かましいお願いで恐縮すが、もしよろしければその輪に私も加えていただくことはできませんでしょうか?」


 そんなところに割り込んできた不思議とよく通る声。半年以上前に少しの間だけ聞いたことがあるだけだけど、それでもこの声だけは他の誰とも間違えないだろうって断言できるね。

 だから反射的に顔を向けた先にいたのは当然のごとく、とんがり耳を隠した最高峰の吟遊詩人の姿。


「ヴィントじゃないですか。すごく久しぶりです」

「おお、ウルお嬢さん、虹を頂く猛き君よ。場末における一会の私を覚えていただけていたとは、なんと身に余る光栄でしょうか。不肖なるこの身にとって歓喜に堪えません」


 思わぬところでの再会に声を上げたけど、一度会っただけなのに覚えてるかなって不安になる。だがしかし、ケレンとは別ベクトルで芝居がかったセリフから察するになんか普通に覚えてらっしゃったようで。


「よく覚えていたっていうことなら、むしろボクの台詞です。どこにでもいる駆け出し臨険士(フェイサー)の一人とかよく覚えてましたね? というかよく同一人物だってわかりましたね?」

「お戯れを。私は星の数ほどの勲氏を語り継ぐ者です。日夜英雄足らんと駆け巡る方々を記憶に留めるなど日々の営み。ましてやそれほど際立つ象徴をお持ちの方であれば、忘れることの方が難しいものです」


 あーなるほど、言われてみれば吟遊詩人なんて記憶力良くないとやってけそうにないもんね。そして目立つことに関してはわりと自覚ある――いや待てあの時確かいつも通りフードすっぽりだったはずだよね? それでも特定余裕とか、観察眼もすごいのかな? さすが最高峰の吟遊詩人。

 そしてまさかの大物登場に周囲がざわめく中、当然のようにめちゃくちゃテンパるのはリクス。


「ヴィ、ヴィントルノーブさん!? い、以前はすごい語りを聞けて感激しました! でも、どうしてここに!?」

「ざわめく妖精たちに導かれまして、未だ知れぬ英雄の気配ありと浮かれるままに辿り着いた次第です。旅の空にも『暁の誓い』と呼ばれるあなた方の噂はかねがね」

「へぇ、噂になんてなってるんですか。どんなのか聞いてもいいですか?」


 知らないうちに流れていた自分たちの、それも業界のトップが気にするような噂がどんなものかと気になったけど、返ってきたのは申し訳なさそうな笑み。


「ご期待に沿えず申し訳ありませんが、目立つものはさほど。しかしながら、近く起きた大きな事件に必ずと言っていいほど居合わせていらっしゃることが、私としてはどうにも気になりましてね」

「んなこと言われても、俺らはそんな大したことした覚えはないけどな。なぁリクス?」

「そ、そうだよな。おれ達はそんなにすごいことは……」


 そんな意味深なことを言われて肩をすくめるケレンと、同意しながら物言いたげな視線を向けてくるリクス。何? 確かにカラクリを出てからこっち、結構な頻度で騒動に首突っ込んでる自覚はあるけど、それボクのせいじゃないからね? 厄介ごとが向こうから来てるだけだからね?


「ご謙遜を。これは永く物語ることを生業とする私の経験則のような物ですが、英雄と呼ばれるような方は期せずして、世界の大きな節目に居合わせる巡り合わせを持っていらっしゃるのですから」


 なんか『暁の誓い』はヴィントから地味に英雄候補扱いされてるみたいだ。まあチートスペックのボクがいるからあながち間違ってない気がするね。個人的にはリクスに頑張って夢を叶えてもらいたいと思います。あと遠回しに『厄介ごと吸引機』って言われた気がするけど気のせいだよねきっと。

 それはそれとして、当代最高の語り部と遭遇なんてレアイベントに英雄譚愛好家(サガフリーク)が黙っているはずもなく。


「このような場でお会いできて光栄です、ヴィントルノーブ様。『悠久の紡ぎ手』のお噂はかねがね」

「これこれは、何れかの貴き血の方とお見受けします、お嬢さん。未だ頂き見えぬ語りですが、お見知りおきいただけるならば幸いです」

「世に謳われる語り部の方と縁を得られるなんて、今日は何と良き日なのでしょうか。聞けば『暁の誓い』の皆様のお話をご所望とのこと、ぜひご一緒くださいませ」

「ありがたき幸せ。感謝の証といたしまして、お嬢さんのお望みの勲氏を一つ吟じることをお許しいただければと」

「願ってもないお話です」


 進み出たエリシェナによってあっという間に話がまとまってしまったようだ。稀代の吟遊詩人までがオーディエンスに加わることを察したリクスが『え、マジで?』みたいな顔になってるけど、まあ頑張れ!


「どうぞよろしくお願いしますね、『暁の誓い』の皆さん。新たな武勇伝の気配に期待が高まるばかりです」

「いや本当におれは大したことは……そ、そういう話ならウルの方がすごいですよ!」


 おっとボクにもお鉢が回ってきた。まあやらかしレベルなら仲間内で圧倒的だから順当っちゃ順当だね。エリシェナ相手に慣れたものだし、お望みとあらば語って聞かせようボクの冒険譚!

 ただ、予定外の大物登場で周囲の視線は完全に釘付け状態。さすがにここまで注目されてて冒険話を自慢できるほど厚かましくはない。


「とりあえず、ゆっくり話ができるところに行きませんか? さすがにここだと落ち着かないですし」

「でしたら、ちょうどよい店があります。皆様がよろしければご案内いたしますが、いかがでしょうか」


 すかさず挟まれたリュミアーゼの提案に首を横に振るような人がいなかったため、ボクとリクスの冒険譚とヴィントの独演は、個室完備のレストランで行われることとなったのだった。




 時刻は夕方、たどたどしくも懸命に自身の経験を語るリクスを捕捉したり茶化したりからかったりしつつ、求められるままにいくつかの冒険を話して、ヴィントが返礼とばかりに一本最高の吟遊を披露してくれて、気付けば時間はあっという間に過ぎていた。

 エリシェナも大満足な休日となったところで、門限のある学院組は後ろ髪をひかれながらも帰り道を行き、危なげなく寮の玄関をくぐることができた。ちなみにリクスたちはもう少しだけヴィントとの懇親会を続行するとのこと。英雄譚を集める仕事とは別に若手の苦労話とかを聞くのがヴィントの趣味らしいよ。


「素晴らしい一日でした。不慣れなわたしにお付き合いいただき感謝に堪えません、リュミアーゼ様」

「わたくしからもお礼を述べさせてくださいませ、エリシェナ様。これほど有意義となった休日は今までにございません。その類稀な巡り合わせを呼び寄せる才に敬意と感謝を」


 ご満悦なお嬢様ズを少し後ろから追いかけながら、ボクもボクで今日の出来事を振り返る。のんびり街探検かと思いきや、仲間との合流からのリュミアーゼによる即席包囲網、追い詰められたうえで身バレしたけど、そこに関してはちょっと気持ちが軽くなったから結果オーライ。そして喧嘩を売られて決闘騒ぎからの思い出話とトップ吟遊詩人の貸し切り独演。うん、並べてみるとなかなか濃ゆい一日だったよね。まあ楽しかったのは間違いないからヨシ!

 そんな風に完全に気を抜きながら女子棟の階段を上って、二階に到着したところでふと違和感。具体的に言うと『探知』でちょうどボクたちにあてがわれてる部屋から、今朝にはなかった微かな魔力反応があった。なんだろこれ? 反応するようなモノは荷物として持ち込んでなかったはずだけど……。

 気になったので範囲をフォーカスして精度を上げたところ、どうも二つあるベッドそれぞれの下から反応が返ってきてるようだ。うん、なんか嫌な予感が……。


「――エリシェナ、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「どうされましたか、ウル様?」


 即座に足を止めて、周りには他に誰もいないからいつもの調子で呼びかければ、同じく立ち止まって振り返ってくれるエリシェナ。


「ボクが知らないだけかもしれないけど、どこかの国には留守の間に寝台の下に魔導器(クラフト)を仕掛けるなんて言うのが流行ってたりするのかな? そういう贈り物の風習とかでもいいけど」

「……もしかすれば広い世界のどこかにはということもあり得ますので断言しかねますが、少なくともわたしが知る範囲ではそのような贈答の作法は聞きおぼえがありません」


 一縷の望みをかけて尋ねてみるけど、それだけで察したらしいエリシェナの答えは当然のように『否』。だよねー知ってた。うん、嫌な予感がますます膨らんでくるんですけど。


「……わたくしの方でも寡聞にして存じませんが、そのようなことをなぜこの場で唐突に?」


 律儀に付き合って足を止めてくれていたリュミアーゼが捕捉ついでに疑問を呈してくれるけど、ぶっちゃけこれどう対応するのが正解なのか。


「ボクの特技の一つで、魔力の関わるモノに敏感なんだ。で、ボクたちの部屋の中から出かける前には絶対になかった魔力を感じるんだよね」

「それは――」


 ボクの言葉に息をのむリュミアーゼ。うん、わかるよ、傍から聞いてるだけでも怪しさ爆発だよね。お姫様にこの手の話は刺激が強かったかな? いやこれは単にそういうことがあるかもって知ってはいても、まさかここでなんて予想もしてなかったって感じがする。


「エリシェナ、リュミアーゼ、念のためここで待っててもらえる?」

「……ここで大丈夫でしょうか?」

魔導器(クラフト)と仮定して、規模から考えると何が起こるにしても建物一つ丸ごと壊すようなのは無理があるからね」


 術式次第で割と何でもできる魔導式(マギス)だけど、逆に言えば術式に縛られるのが常識。大きさから魔導回路(サーキット)の描画可能限界を予測して効果規模を推測するなんて、イルナばーちゃんに鍛え抜かれたボクにとっては朝飯前さ!朝飯前さ!


「まさかとは思いますが、ウル様が確認を? 専門の魔導士か、魔導科の講師をお呼びした方がよいのでは……」

魔導式(マギス)なら下手な魔導士より詳しいんだよね。ついでに言うと種族的な特性で魔力系の仕掛け相手ならほぼ効果はないし、ボクが一番の適任だよ」

「……では、寮監のグリンディア女史にお知らせをしておきましょう。寮内に不審物が仕掛けられたとすれば、由々しき事態です」

「うん、そっちはよろしくお願いするよ、リュミアーゼ。エリシェナも大人しくしててね」

「大事でないことを祈ります、ウル様」


 心配げにしながらもお付きの人に言伝を頼むリュミアーゼに笑ってみせて、エリシェナの応援を背に自室を目指す。特に問題なく扉の前にたどり着いて、念のためお嬢様たちが踊り場で待機したままなのを目視確認。併せて上下左右の部屋に人の反応がないことを確かめてからそっと部屋の扉を開いて中を覗き込んだ。――うん、特に荒らされたような形跡はないね。

 するりと扉の隙間から滑り込んで後ろ手に閉鎖。改めて見まわしても今朝部屋を出た時と比べて変わった所なんて皆無だ。うん、これ『探査』使ってなかったら完全に何の異常も気づかなかったろうね。


「さて、と……」


 まずは自分のベッドの下を確認すべく、四つん這いになると慎重に覗き込んだ。お、あれか。見た感じ手のひらサイズのシンプルな小箱ってところか。だけど表面にびっしりと魔導回路(サーキット)が刻まれてるから間違いなく魔導器(クラフト)。えーっと、見える範囲ではあれがそこに繋がってるから見えない向こう側に来る術式の候補は…………うん、メインの機能は十中八九『隠蔽』かな? それ自体に害はないタイプの魔導式(マギス)だ。

 ただ、『隠蔽』なんて隠したいものとセットで使うのが当たり前。そして小箱の表に張り巡らせているなら、隠したいものがどこにあるかなんて考えるまでもない。


「よっとぉ!」


 さすがに不審物へ初手からダイレクトアタックはやる方がバカなので、ひとまずベッドの方を持ち上げて壁に立てかけておく。うん、やっぱり『隠蔽』だね、それも単純に魔力感知をごまかす系。ただこの術式だとボクの使う『探査』はごまかせないんだよねぇ。なにせ『隠蔽』自体の魔力を検知できる方式だから。


「とりあえず御開帳、かな?」


 左腕に展開範囲をいじった『障壁』の魔導回路(サーキット)を描いて起動。小箱を囲う魔力の壁を展開したことでもし暴発しても八割方抑え込める状態にしたところで、物体は透過する障壁に手を突っ込んで解体にとりかかった。継ぎ目は……お、これか。これで上面を取っ払って、ん~、この半分は蓄魔具(カートリッジ)だね。しかも純度の高い高級品を使ってるっぽい。これだとこのサイズでも魔力量は侮れなくなるね。で、残り半分は魔導回路(サーキット)として、表面に見えてる分だけだと増幅術式しかがないからまず間違いなく積層タイプ。薄い板状に刻んだ魔導回路(サーキット)を何枚も重ねて術式密度を上げるやつだね。

 まあとりあえず蓄魔具(カートリッジ)さえ抜いてしまえばこの手の魔導器(クラフト)は機能停止する――ぬぇ、魔力反応急増!? ヤバっ!

 とっさに手を引っ込めた直後、小箱が爆発を起こして木っ端みじんに。幸い爆発自体は『障壁』を突破できなかったみたいだけど、破片はそれなりの勢いで――あ、しまった床のこと考えてなかったや。うわぁ、穴開いちゃってるよ……。


「殺意たっか……」


 下の部屋が覗けるようになってしまった床に戦慄しつつも考察を開始。この小箱のメインとなる術式はまず間違いなく爆破系だろう。おそらくは積層魔導回路(サーキット)の中に予備の蓄魔具(カートリッジ)を仕込んでおいて、メインからの供給が途絶えたらそっちを使って起動するよう術式が組まれていた。となれば少なくとも二系統の起動制御が必要になるから、仕込み蓄魔具(カートリッジ)も考えると容積の関係で他の術式を並列記述するのは非効率すぎる。少なくともまともな魔導士ならメイン機能は間違いなく一本に絞るだろう。

 つまるところ、この小箱はまごうことなき爆弾ってわけだ。うん、テロかな?


「青少年の学び舎にテロとかやめて欲しいんだけどねぇ……」


 誰にともなく呟きながら、結果的に無事回収できたメイン蓄魔具(カートリッジ)に視線を向けた。

 基本的に蓄魔具(カートリッジ)は、それを使う誰かが自分で魔力を込めている。前の世界にある電気と違って自前で用意できる上、その内自然と回復するんだから当然だろう。今のところガソリンスタンド的な施設は広まってないみたいだし。

 そしてまだあまり知られてないみたいだけど、魔力っていうのは指紋みたいに個人が特定できる揺らぎと言うか波長と言うか、とにかくそういうのがある。資質登録(マキナズトラスト)もそれを利用してるわけだ。

 それでなにが言いたいかっていうと、今ボクが手にしてる蓄魔具(カートリッジ)に込められてる魔力波長、意外なことに知ってる相手だっていうこと。ただし、いい意味じゃなくて要警戒人物ってことでブラックリストに登録してるヤツ。


「つくづく縁があるね、邪教徒さん……」


 忘れもしない、それはブレスファク王国の王都地下水路で邪霊を解き放ち、グラフト帝国の武闘大会で悪魔を生み出した呪具を置き去った危険人物筆頭の女の物。

 突如としてちらつきだした不穏な気配に大きくため息を吐きながら、ボクはひとまずエリシェナのベッド下にもあるだろう危険物の確保に回った。


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