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この服、ぶかぶかですね

 これはとある幼い勇者のお話。

異世界召喚によって五歳になった男の子は勇者と呼ばれる世界を救う役目を担ってしまいました。


   ******************************


「長老様!!!まだ召喚するのが早すぎたみたいです!これは幼すぎますよ」


 幼稚園の帰り、ぼくは光に包まれた。

気付いたら見知らぬおじいさんとお姉さんが立っていた。

ここは、神殿の中みたいだ。


「こりゃ、しくじったのぅ!!!」


 おじいさんは大げさにすっころんだ。


「大丈夫ですか!?長老様!!!きゃーーーーー!!!」


 おじいさんは驚き転んだショックで死んでしまった。

半笑いながら白目をむいている。


「異世界召喚できるのは長老様しかいないのに死んじゃった!!!これじゃこの子を元の世界に返してあげる事が出来ない!それに新しく勇者を召喚する事も出来なくなったわ」


 お姉さんはぼくを真剣にみつめる。


「もう君に世界を救ってもらうしか方法はないわ!勇者として君はこれから世界を旅するわよ」


 え・・・。


「えっ、ぼくが勇者ですか??」


 お姉さんは素早くぼくの服を脱がせて、勇者の服を着させた。

明らかにサイズが合ってない。

ぶかぶか過ぎるよ!!


「まずは君の能力を見極めるわ。勇者にはそれぞれスキルが備わっていると伝えられているわ!あなたにもスキルがあるはずよ」


 そんなこと言われても手から炎や氷が溢れ出ることもない。

ぼくにはスキルなんて持ってないよ。


「ぼくはスキルなんて持ってません!」


「え!?スキル持ってないの!!!それじゃ世界を救えないじゃない」


 ・・・はやくお菓子食べたいな。

ちゃんと帰れていればプリンが食べれたのに。

世界を救うなんてどうでもいいよ。


「まぁ、勇者なんだからなんとかなるでしょう!」


 ずいぶん適当だな!!!

お姉さんはぼくの背中に大きな剣を背負わせた。


「はやく出掛けるわよ!!!」


 お姉さんに無理矢理連れられてぼくは神殿を後にした。

とんでも無いことに巻き込まれたな。




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