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虹石の月、28日

練習もかねて、連載がんばります

ギルド員の宿舎での生活は快適だけど、そろそろマイホームがほしいから日々の生活を記録してより良くしていけるように日記をつけようと思う。


とりあえず、普段の仕事からまとめてみよう。

俺の仕事は冒険者ギルドの端っこで、これから何かの依頼をやろうとしている冒険者達に教会直伝の傷薬の販売とか、ギルド周辺のお家に訪問診断しに行ったりする事だ。


教会直伝の傷薬ってのは、昔の賢者だかが開発したという大体の傷をほぼ一瞬で直してくれるというすごいやつで、レシピさえ分かっていれば意外と簡単に作れるんだけど、素材集めが手間で作るのに時間がかかる。

だから、忙しい冒険者や駆け出しの冒険者などの為に、各冒険者ギルドに一人くらいの割合で俺のような僧侶見習いを教会が派遣しているというわけだ。


そうそう、教会というと何かすごそうに思えるが、俺のような僧侶見習いってのはギルドでの傷薬販売の為だけの仕事なんで、実は誰でもいいのだ。

ちゃんと仕事をして僧侶になってもいいし、冒険者として活躍する足掛かりにしてもいいし、まぁ、そういう感じのとりあえずといった感じの仕事なのだ。


俺は自分の家が欲しくて、これまでの仕事より稼ぎがいいこの仕事を始めた。

でも、結局ちょっとずつしかお金がたまらないから日々の事を日記として書いて見直して、よりお金を貯められるように頑張ろうと思う!


さて、今日の仕事をまとめてみよう。

今日の仕事は、町はずれのお宅に訪問診断をしに行った。

ちょっと調子が悪いという人がいるから見てほしいと先日相談されたので、時間を作って見に行ってきた。

ちなみに、こういう時は教会の方から診断マニュアルを預かっているので、それを参考に対処する。

今回は、今日来るまでの間に安静にしていたのがよかったみたいで薬等を使うことなく、もうちょっとすれば良くなると声をかけて帰ってきた。


帰ってきてからは退勤時間までギルドの端っこで傷薬の素材のチェックを行うつもりだったが、傷薬作成の依頼が入り、個数と出発日時の確認をしたりした。

明日が休みで、明後日は隣町のギルドにいく事になっているから、四日後に渡す約束をする。

急ぎではなかったようなので、それで納得してもらい、依頼の受付を完了させた。


そして、ちょうど帰ろうとした時だった。

依頼の途中で様子がおかしくなった冒険者が戻ってきたという話を聞かされて、様子を見てくれと頼まれる。

ケガはなく、毒にやられているようでもなかったが、変な罠を踏んでしまったようだと分かったので、教会からの支給品の一つ「正気に戻れ棒」で全力で叩く。

ケガや毒は傷薬で大体なんとかなる。毒もなんとかなるあたり傷薬じゃなくて違う名前にすればいいと思うんだけど、ずっと黙っている。

症状が分かるまでにすごく時間がかかって、ちょっと残業になってしまったって疲れて帰ってきて、このままではいけない!と思い、日記を書こうと思ったのだ。


毎日……できるだけ、毎日頑張ってみようと思う……

読んでいただきありがとうございます。

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