表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの、パン落としましたよ  作者: 中州乙乙
1/21

第1話 「出会い」

「遅刻、遅刻~!」


 私立マーガリン高校に通う普通の女子高生・山崎麦子(やまざき むぎこ)は、新学期早々寝坊をしてしまい、パンを口にくわえ、あわてて家を出た。


「あっ!」


 麦子は学校に向かう途中、急ぐあまり口にくわえていたパンを落としてしまった。しかし、パンを拾っていては学校に間に合わない。そう考えた麦子は、落としたパンを無視し、先を急ごうとした。


「あの、パン落としましたよ。」


 後ろから声がしたので、振り返ると、一人の男が立っていた。その男は落ちたパンを拾うと麦子に差し出した。


「食べ物を粗末にしてはダメですよ。特にパンは。」


 麦子はムッとした。なぜ赤の他人にそんな偉そうなことを言われなければいけないのか。そもそも、人のくわえていたパンを拾うなんてどうかしている。


「は?アンタ誰よ!私は急いでるのよ!そんなにパンがもったいないと思うなら、アンタが食べればいいじゃない!」


 そう麦子は吐き捨てると、再び学校へむかおうとした。しかし、走り出したその時、朝のホームルームのチャイムが聞こえた。


「山崎さん!新学期早々遅刻するなんていい度胸ね。」


 顔を真っ赤にして怒っているのは、担任の田中花子(たなか はなこ)先生だ。


(遅刻したのはあの男のせいだわ。ほんとムカツク!)


 麦子はパンを拾ったあの男を思い出し、なんだか腹立たしくなった。


「まあ、いいわ。今日はアナタに関わっている暇はないの。転校生を紹介します。入って!」


 田中先生がそう言うと、扉から一人の男が入ってきた。


「転校してきました西園寺光太郎(さいおんじ こうたろう)です。みなさんよろしくお願いします。」


 麦子は転校生の顔を見て驚いた。それもそのはず、転校生はなんとさっきのパンを拾った男だったのだ。麦子は思わず叫んでしまった。


「あー!さっきのお節介野郎!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ