12.
俺は疲れていた。
それでもってちょっとノイローゼ気味だった。
最近一週間でいろいろな悪いことが起きた。今まではなにか起きてほしいなどと思うほど平凡だった筈なのに急に色々なことが起きた。
慣れていない俺の頭はパンクしそうだった。
その為、少々虚ろな目をしてふらふらと俺は帰宅していた。
帰宅部としてあるまじき行為だがそんなことは気にしていられなかった。
気が付くと家についていた。
ポストを確認すると少し大きいサイズの封筒が一枚入っていた。
裏を確認すると直之様とあの字で書かれていた。
驚いて一回地面にその封筒を落とす。
しばらくして封筒を回収し自分の部屋へ持ち込む。
しばらくの間俺はベットに横になりながら封筒を眺めていた。
時計の短針が5時を回った。
俺は封を切り少しのぞいてみた。
中には何枚かの写真が入っているようだったが、嫌な予感しかしないのでそれを床に放り投げた。
時計の短針が6時を回った。
そういえば携帯の電源を消しっぱなしだったと思い出し、電源をつけてみる。
――welcome
携帯は俺を歓迎しているぞ!ははは!
気分を無理やり上げようと思ったが無理な話だった。
待ち受けが表示される。
――新着メール24件
――着信あり12件
俺は携帯を床に放り投げた。
俺は愛しの十八茶を飲みに下の階へ降りる。
廊下の電気は俺の帰った時のまま暗かった。
「亜衣は帰ってないのか? 亜衣?」
いつもはもう帰ってる時間なのに今日はやけに遅いなぁと思い十八茶を飲み干すと部屋に戻った。
それから時計の長針が丸の半分を移動したころ、一通だけメールを確認してみようと思った。
表示されている受信ボックスのメールのアドレスはすべて同じ
――1v4ojvxll_0v3.1v4ojvxll_0v3@……
どうやら例の人のようだ。適当に最新から3つほど古いメールを開けてみる。
――直之君は妹さんがいますよね。私妹さんもかわいいなぁって思ってたんですよ。鼻なんか直之君そっくりじゃないですか?直之君とずっと一緒にいるなんて羨ましいなぁ
俺の頭に電流が走った。
良い事を閃いたわけじゃない。ものすごい嫌な予感だった。
いや、まさかな…
そうは思いつつ俺の不安は増大する一方だった。
俺はすぐに自分の部屋のドアを開け叫ぶ。
「亜衣!? 帰ってないか!? 亜衣!!」
廊下の電気は暗いままだった。
亜衣の部屋を確認するもやはりまだ帰ってきてはいないようだった
俺は部屋に戻り上着を羽織るとすぐに家を飛び出した。
「くそっ! 嘘だよな? まさか亜衣に手を出したりするわけないよな?」
そう自分に言って聞かせつつも俺は学校までの道を走り出した。
いくら探しただろうか。亜衣の学校に行って、それから自分の学校までの近道であるわき道にそれて角を曲がった時だった。
俺が疲れて息を整えていると、それは現れた。
あたりに人影はなく、蛍光灯の明かりの下にそれは立っていた。
フードを深くかぶり手には光るものを持っていた。
ん? なんだあれ?
そう思いつつも俺の脳はそれが何か認識していた。
背中を冷や汗が流れる。
近づいてくる人の顔が少し見えた。
足がすくんで動けなかった。
それは女性のようだった。
薄く笑っていた。
救急車のサイレンが町に響いた。
更新重視で内容ほっぽってます。