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第四話 フリー・ジプシー

レヴィアブリッチ。直美や桜井がブリッチの正面窓から、下の様子を見ている。

「あーあぁー!あんなにたくさん・・・もう!誰が彼らの食事作ると思ってんのよ!」呆れる直美。

「殺さないのが、あの人の主義なんだよな・・・それにしても多すぎるな・・・どこに収納しようかな・・・?ざっと40人はいるな・・・?」頭を抱える桜井。

「暫く甲板ですかね・・・?」と三島。



ロクと捕虜のレナが、レヴィアの車庫に入ってくる。そこにはメカニックのスミが待ちわびていた。

「あらあら?ロクさん?戦闘中なのに、女子を連れデートかしら?」レナを見たスミが、しらばっくれたようにロクに問う。

「デートじゃねぇし・・・」

「大量にSC部品、ありがとね!ただタイヤだけは穴開けて欲しくないわね!意外とあれって補修に時間が取られるのよ!まあタイヤを狙わないと逃げられるけど・・・」

お礼を言うスミだが、しっかり自分の意見も述べるスミ。そんな言葉にもロクは終始笑顔だった。

「あと、ジャガーは後で取りに行ってくれないか?このまま出掛けるから!ああ、そうそう!ガトリングバルカンが少し標準が甘く感じた。それと回転もやけに重い。もう少しなんとかならん??」

「そりゃ、貴重なご意見ありがとうございます!なんとかします!」


スミは敢えて、ロクの口癖を使ってみせた。そんなスミの態度にもロクは笑顔を崩さず、自分のポンチョとハットを取り、ポリスの制服も脱ぎ始める。

「ヒュー!一応、私女性なんですけど・・・」

上半身が裸になったロクの体つきを見て、スミが口笛を吹く。レナもその鍛え上げた肉体に、驚いて口を開ける。体の何ヵ所には、銃弾が撃ち込まれた傷跡が見える。ロクは身に付けていた六つ拳銃を床に置いた、さっき捕虜のモモが脱がせた、ジプシャンの軍服を着始めた。

『こいつ?いくつ銃を持ってんだ・・・?』レナがロクの様子を観察する。


「行くんだね?あそこに?」とスミ。

「ああ・・・」


ロクは準備をしながら車庫の奥の通路から、雨音と勝也が覗いているのに気づく。

「ロク?どこに行くの?」奥にいた雨音がロクの傍に近寄る。


『こいつ?ロクと呼ばれたな・・・?それに、こんな幼い子供までなぜこんな軍艦に?そしてなにより、なぜ敵兵を目の前にしてなぜこうも余裕の表情なんだ?こっちの女も武器は持っていなさそうだな?こいつら・・・?舐めてんのか?』リナは改めてロクとスミを睨んだ。

「二、三日ここを離れる。食事と水を二日分、それを二人分用意してくれとお姉ちゃんに急ぎ頼んではくれないか?」ロクは雨音の頭をポンと叩いてみせた。

「アイアイサー!」

雨音と勝也はロクに敬礼すると、車庫の奥に消えていった。


「あんた!第六ポリスの四天王だろ!?」レナは自分の立場が我慢出来ないのか、ロクに自分の言葉をぶつけてみせた。


「ああ!俺が四天王さ!」ロクは笑顔で返してみせる。

「くっ・・・」

その飄々とした態度に、レナは高く拳を振り上げ、ロクを殴ろうとした。次の瞬間には、レナの額にはロクの構えた拳銃が突き付けられた。冷たい拳銃の感覚に、思わず唾を飲み込むリナ。


「君?捕虜という立場を忘れたかな?」

「くそっ・・・7つもかよ・・・」

終始笑顔のロクにレナも観念し、両手を渋々と上にする。


「俺が四天王って言ったら、君は俺の首を切るんだったな?」

「そうよ!本部の幹部になれんのよ!弟たちも腹一杯食わせてあげるの!生きる為よ!何が悪い!?」レナは感情的になり、ロクに強く当たった。


「兄弟?その為に他人の首をはねるのか?時代って奴だな・・・?さっきの子供たちの父親にも、前に同じ質問をしたことがあるが・・・なぜ俺が四天王だと?」ロクは拳銃を降ろすと、その拳銃にサイレンサーを付けながら、坦々とリナに質問した。


「な、なんでって・・・お、女の勘よ!!」

「勘か・・・?」ロクはクスりと笑った。

「第六ポリスには拳銃を6つ持つ四天王が居るって聞いてるわ!それで・・・」

「これで7つだったな・・・残念・・・他には?」ロクは7つ目の拳銃を見せびらかす。

「そ、そうだけど・・・それとね!あの車よ!あれは雷獣と呼ばれてるSCでしょ!?あんな派手な塗装して!?」最初の意見を否定され、剥きになったレナ。


「ああ!あれね!あの塗装と同じSCはまだあるんだぜ!俺だけじゃないな・・・他には?」レナと目を合わす事なく、静かに準備を続けるロク。

「ほ、他に!?うーんと・・・そうね!あの拳銃の捌き。あの態度!戦術!たった独りでうちの全部隊を全滅させ・・・」

「全部隊?全滅か・・・?じゃあ、もう既にSCはない・・・捕虜にしては喋り過ぎだな・・・?」

「あっ・・・ち、違うわよ!う、うちの隊はって事よ・・・まだまだ数はあるんだからね・・・」自分の言ったセリフに思わず手で口を塞ぐリナ。言い訳を考え、手振り素振りが大きくなった。


「ドライバーは皆、15歳前後。ドライバーテクニックは未熟だ。チームワークも全然ダメだな・・・それにSCはとても戦力にはならないポンコツばかり・・・予備兵だけを残して本隊は北に行った・・・だが連絡がなくなった。兵が不安になり騒ぎ始め、指揮も乱れ始めた。」

「な、なんの事よ!?」図星なのか、レナの顔に焦りの色。


「本隊もあの空母と戦艦が合わせたサンドシップすら、もうここには戻らないぞ!」

「ど、どういう事よ!?」

「ジプシャンは壊滅した!」

「う、嘘よ!?」

レナの叫びに近い声が狭い車庫に響いた。レナの声は車庫外にも聞こえていた。


「はい!食事!まあ水と魚の干物しかないけどね・・・」

車庫から甲板に上がるラッタルから降りてきたのは、水筒と小さい布袋を持った直美の姿だった。

「ツヨシ様や寛子様!タケシ様までいるわ!ジプシャンは・・・ジプシャンは・・・」

泣き声に近くなったレナの声は、今度は直美にぶつけられていた。


「その三人なら、目の前のその人が倒したって噂よ・・・三人ともね・・・」準備中のロクの側に水筒や布袋を置く直美。

「ツヨシ様が・・・嘘よ!嘘っぱちよ!だって・・・だってジプシャンは・・・」

「軍は降伏したの・・・諦めなさい・・・残るはここだけなの・・・」

涙を流し、直美やロクを睨み付けるレナに対し、直美は静かにレナを説得する。


「さっきからあんたは何なのよ!?突然出てきて!あんたたちの言う事なんかね・・・!それに寛子様までなんでこいつが・・・」ロクを指差し、直美に怒りを爆発させるレナ。

「元ジプシャン軍参謀、大場将吉の娘。大場直美。」

「お、大場参謀の・・・?なぜ大場参謀の娘がポリスの船に?」


「俺たちはポリスじゃない!」ロクがジプシャン軍の軍服に着替え、直美の用意した布袋と水筒を持つ。ロクは改めてレナに近寄って行く。

「ポリスじゃないって・・・?こ、これポリスの軍艦でしょ!?」慌てるリナ。

「俺たちはフリーのジプシーだ・・・」

「ジ、ジプシー・・・」ロクの言葉に驚くレナ。

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