ガラスヘン
川辺に転がる小石よりも――――――
私には取り柄が無かった
勉強は嫌いじゃないし
運動もなかなか出来る
言われたことはそつなくこなせる
だから私には取り柄が無かった
何かに突飛することもない
特技も無ければ趣味も無ければ
何をして行けばいいのかも分からない
まるで川辺に転がる小石のように
朱に交わる朱になるのか
百に交わる一となるのか
人に交わる人へなるのか
時を経て身を思うたび
それでも良いと気が向いてきた
だからある時言われた言葉は
私の心に音を満たさせた
キミは川辺の小石では無い
キミは川辺のガラスの欠片
ガラスに宝石のような輝きはないけれど
磨いて整え光を当てれば
宝石のような輝きを得られる
ガラスは宝石のように個で輝けないけど
ガラスは集まり輝くことが出来る
孤独な宝石より集合のガラス片
そんなガラス片に私は憧れる
例え取り柄が無かろうと
技を鍛えて場所を選べば
輝くことができるガラス片に
例え一人ではうまく動けないような場所だろうと
集い集まり形をなせば
纏まりに輝くガラス片に
私はなりたい
左五音の歌詞、2つめとなります。
集に交われない悲しい少女の歌と見るか、
個では輝けなくなったわがままな少女の歌と見るか、
それとも、ほかの見方をするか、
それはあなたの読み取り方次第。
感想を待っています。