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俺を犯した君の話  作者: 七賀ごふん
32+1

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8/13

#8



翌日、三年の教室が並ぶ廊下はいやにざわついていた。


「辻浦、今日学校来てないんだって。やっぱ生贄になったのが怖いからしばらく休む気かな?」


周りからそんな声が聞こえた。確かに他人事なのだが決して良い気分とは言えなくて、三尋は買ってきたジュースを一気飲みする。

このモヤモヤはずっと消えなかった。ところが放課後、事態はまた急変する。

「おいおい、三組の生贄決まったって!」

「マジでっ?」

突然その報告を持ってきた生徒に、教室や廊下が騒然とする。

「っていうか、辻浦は? あいつ今日休んでじゃん。二組を抜かして次に進むの?」

「いや、それがもう執行したんだって。昨日の放課後に……」

周りで聞いていた生徒達は顔を青ざめる。あまりにも進行が早いからだ。選抜も、ゲームの執行も。

身体より、先に壊れるのは心の方かもしれない。立ち尽くしてその様子を見ている三尋の隣に、なづながやってきた。

「こんなこと、何の意味があんだろ」

「皆が大騒ぎするのを楽しんでるのかもしれない」

なづなは壁に寄りかかって呟く。

「因果応報だよ。絶対、自分の身に返ってくる。辻浦君を襲った人達は、クラスどころか全校生徒に襲われてもいいぐらい」

「そうかもしれないけど……お前怖いこと言うな。やめろよ、お前だけはホンワカしててほしいんだから」

「あ、ごめんごめん。やっぱりちょっと、許せなくて」

申し訳なさそうに笑う彼に、三尋も苦笑する。

本当は自分も彼と同じ気持ちだ。襲われた側の気持ちを考えれば、警察に突き出すだけじゃ足りない。強姦は許されない犯罪だ。打ち明けにくいのもよく分かるし、それをかさに好き勝手してる奴らがいるのももどかしい。


「辻浦だっけ? あいつ大丈夫かな……」

「うん……」


二人で話してる間に、議論は白熱していた。

「それで、三組の新しい生贄は誰なんだ?」

「何かそれが秘密なんだって」

「秘密? 今までそんなことあった?」

皆同様に困惑している。今回は人物を特定しないということか。それはまた、どういう意図だろう。

「……逃がさない為かな」

「えっ」

ちょっと考えてから、三尋はジュースを振った。

「今まで実際に襲われたひとがいる。選定されたら学校を休もうと思う人が絶対いるから、そうさせない為だよ。次は誰だって宣言したら逃げ道を作ることになるし」





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