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俺を犯した君の話  作者: 七賀ごふん
除け者

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18/44

#9



日が傾く。夕焼け色に染まる教室は、焼けたように赤い。

「……なづな」

夜がくる。……前に、帰らなきゃ。


「それはちょっと、違うんじゃないか」


三尋は立ち上がって鞄をとった。

「どうして? 酷いし、許せないだろ! 三尋だって、襲われかけて怖かっただろ」

なづなも不安げに立ち上がって声を張り上げる。それでも、答えは決まっていた。

「確かに、許せないよ。苦しめてやりたくなる。でもそれをしたら、襲った奴らと同じになる」

三尋は振り返って、なづなの頭に手を置いた。

「そういう方法じゃなくて、他のやり方を探そうぜ。俺達なら多分、もっと良い方法を見つけられるよ」

「……」

なづなはまだ不安そうに瞳が揺らいでいたが、やがてため息をつく。そして首を横に振った。


「うん。……そうだね。何の根拠も無いけど、三尋なら見つけられそうな気がする」

「あはは。お前も協力してくれたらの話だけど」

「協力するよ、もちろん。友達だもん」

上履きを履き直して、なづなも鞄を手に取った。そして乱暴に髪を掻き毟る。

「ごめん。ちょっと言うこと過激すぎたね、俺」

「良いんだよ。そんだけ正義感が強いってことだろ」

三尋が笑うと、彼はどうかな……と困ったように笑った。

「俺はさ、三尋や炭野みたいに強くない。力もないし、頭が良いわけでもない。だから本当に憧れるよ。俺も、強くなりたいな……」

廊下を出て、二人で歩く。五組から四組、四組から三組へと通り過ぎていく。

「強いよ。お前は優しい。強くないと、誰かに優しくできないんだから」

思ったままに返すと、彼は黙って笑った。

が、三組を通り抜けようとした時。飛び交った声に二人は足を止める。


「やばいよ、今ゲーム実行中だって! 生贄の向山、体育館のトイレで犯されてるらしい!」

「マジで!? やば、すぐに行くか!」

誰かの呼びかけをキッカケに、たくさんの生徒が廊下を走って体育館へ向かって行った。

「い、今? それって、何で分かるんだ」

三尋が言うと、近くにいた男子生徒が答える。

「さぁ……さっき二組の奴が教室に走って来て、そう言ったんだよ。何かいつも、誰かが言いに来るんだよなぁ……」

マジ不思議、と言い残して彼も行ってしまった。でも。


「変じゃね? もし偶然その場に遭遇したんだとしたら、クラスの奴らより職員室に行って教師に知らせる。……普通は」




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