#1
さっきから、何故かなづなの上半身に目がいってしまう。男らしくない華奢な身体で、白い肌。でも、触ったら柔らかそうだ。全然筋肉もついてない。
そして、胸。二つの桃色の突起は、寒さのせいか先が尖っていた。
やば、俺変態かよ……。
同じ男の友人相手に、どこに注目してんだか。自分が気持ち悪くて、思わず頭を抱えた。
「三尋、どうかした?」
「あ、あぁ。ごめん、何でも……」
妙に意識してしまって、彼と目を合わせづらい。顔を逸らしたままでいると、なづなは困ったように身を乗り出した。
「ちょ、本当に大丈夫? 何かあるなら言ってよ。ほら、ここ保健室だし。もし具合悪くなったら」
「いやいや大丈夫。そうじゃなくて、何か」
「何か……?」
彼は真剣そうに反復したけど、やはり口が裂けても言えない。そっぽを向いたまま、彼に一旦離れてもらおうと考えた。
「ごめん、ほんとに何でもないから!」
距離が近すぎた為、片手で彼の肩を押す。……つもりだったが、姿を見てなかった為思いきり胸を触ってしまった。
しかも、それがちょうど……胸の突起。爪で弾いたら、なづなは顔を赤らめた。
「ご、ごめん! 痛かった?」
「あ、いや。大丈夫」
振り返るとなづなも少し気まずそうに、触られた方の胸を手で隠していた。
ていうか胸を隠す素振りなんてしたら、マジで女にしか見えないんだけど。やめてくれないか……?
心なしか、彼のそこはさっきより硬く尖ってる気がする。
「ごめん、変な反応して。こういうとこが気持ち悪いってよく言われるんだ」
なづなは上履きを脱ぎ、片足をベッドの上に乗せた。
「名前が女っぽいだけじゃない。身体とか態度とか、そういうのが全体的に女っぽくて、よく笑われた。高校になって、ちょっとマシになったと思ったんだけど」
確かに、と心の中で納得する。なづなは普通にしてれば綺麗な少年という印象しかない。
けど一緒にいればいるほど、穏やかで上品な性格が色濃く見えてくる。この容姿が、それを助長させてるんだろう。
彼は、女のように見られることが一番嫌いなようだ。
「……そのままで良いと思うよ。無理に変わろうとしても疲れるって。少なくとも俺は、今の感じが好き。変な意味じゃなくて」




