第8話ひと時の休息
聞き耳スキルを発動させると俺の耳にダンジョン内では聞きなれない音が入り込んできた。
「これは水の音か?ダンジョンに水が流れてるなんて思ってもなかったな。」
もし本当に水の音ならそこで休息を取ることができるかもしれない。俺は聞き耳スキルを頼りに水の音をたどって進んでいった。
5分ほど歩いたところで奥の方に何か建造物らしきものが見えてきた。
進んでいくと確かに水源はあったのだが何かドーム型の半透明なものがその水源を覆っていた。
「これはなんだ?水源のまわり一帯が覆われているぞ。」
『鑑定』
・セーフゾーン
ダンジョンでまれにあるセーフエリア。この中にいるとモンスターに襲われずに済む。中には水源などがありダンジョン内休憩ポイント。
「セーフゾーンか、ここにいればモンスターに襲われないのは助かるな。ちょうど水も少なくなってきたしここで少し休憩していくか。」
セーフゾーンの中に入ってみると不思議な感覚があった。
半透明状のドームをくぐるとき何か冷水でもかけられたかのような感覚が体を襲った。
中には外から見えていたのと同じく中心に噴水がありそこから水があふれていた。ドームの半径は20メートルほどで30人くらいであれば休憩できるほどの広さがあった。
「広いな。この広さがあればここを拠点に探索することができるかもな。」
噴水に向かい水を飲もうとおもったが、もしかしたら飲める水では無い可能性もあるので一応鑑定を使って見ると面白い効果が書かれていた。
・ダンジョンの水:ダンジョンで湧いてくる水。飲み水としても使えるが低級の回復ポーションとおんなじ効果を持っている。ただしセーフゾーンから持ち出してしまうと回復効果はなくなる。
「この水すごいな。ただの水じゃなくて回復効果もあるのか。でもこのセーフゾーンのみの効果なのは残念だけどここで使えるだけでも十分くらいな効果だな。」
もしケガをしてもここにくればケガを治すことができるのはありがたい。しかしケガをしないに越したことはない。
一度床に腰を下ろし休憩した。休憩している最中に聞き耳のスキルを発動させていたが地上の音や人の話し声などは聞こえなかった。
「やっぱり地上の音はさすがに聞こえないか。かすかにモンスターの音と思われるものはいくつか聞こえてくるけどほかには何も聞こえないな。」
そんなことを考えながら30分ほど休憩した。
休憩が終わった後一度ステータスの確認をすることにした。
「とりあえずスキルポイントが2ポイントとステータスポイントが5ポイント余ってるんだよな。」
スキルポイントはためておくとして問題はステータスポイントだ。
もう俊敏のステータスは18まで伸びておりほかのステータスの倍以上ある。これ以上俊敏だけ上げてもほかのステータスがついてこなければただ足が速いだけになってしまう。
だからと言って今のところほかのステータスが必要かと言われると難しい。
「とりあえずまんべんなく振ってみるか」
攻撃力8→10
防御力8→10
知力8→9
この3つのステータスは今のところどれくらい影響力があるのかわかりずらいのでなかなか上げる気にならなかったが、上げけていかないといざというときに火力が足りなかったりワンパンされたりしたら元も子もないのでしっかり上げていこう。
「それにしても今まで遭遇したモンスターはほとんど1撃で倒せたよな。まぁダンジョンの中でも上の方らしいしこのくらいの強さが普通なのかな?」
ずっと緊張感を持ちながら進んでいたが、いままで倒してきたモンスターはどれも最初に出会ったあのバケモノと比べるととてつもなく弱かった。
あのバケモノが規格外で強かったのかもしれないが、さすがにモンスターの強さに差がありすぎる気がしなくもない。
「もしかしたらあのバケモノはダンジョンの中でもイレギュラーな存在なのかもしれないな。」
そんなことを考えていると飢餓感に襲われて時計を確認してみると夜の7時を回っていた。
「もう7時か何か食べ物はないか?まぁダンジョン内で食べれるものなんてないだろうけどな。せめて空腹で動けなくなる前に地上に出ないとな。」
あたりを見回しても食べられそうなものは見当たらなかった。鑑定も使って見たが壁と床以外引っかからなかった。
モンスターから何か食べ物はドロップしなかったし、もしドロップしたとしても食べるのには少し抵抗がある。
「結構休憩できたしそろそろ出発するか。」
ステータスの更新も終了し、気力も十分回復したので俺は重い腰をあげセーフソーンからでてまた風をたどって進んでいった。




