第5話戦闘
このままでは化け物に勝つのは到底無理だと分かったが、ここにずっととどまって訓練するわけにはいかない。何せここには食料がないからだ。
俺の持ち物は斜め掛けバックに財布と家の鍵と500mlのペットボトルに入ってるお茶だけだ。
今は昼の3時、このダンジョンの中では食事は愚か睡眠もとることはできないだろう。そう考えると活動限界はあと10時間程度だ。それまでにこのダンジョンから出られなければ死ぬだろう。
この部屋が行き止まりになっているのを見た限りダンジョン内は迷路になっている可能性が高い。ここがダンジョンのどこら辺に位置するのかわからない限りなるべく早くここから出る方がいいだろう。
「よし、あと剣術のレベルを1つ上げたらここを出発しよう。剣術のレベルが2時間たっても上がらなかった場合も出発だ。」
俺はスマホのタイマーを2時間に設定をし、再び剣を振り始めた。
剣を振り始めて1時間がたった頃、剣を振るスピードが1段階上がった気がした。
『ステータス』
・鈴木 悠真
Lv 1
職業 なし
HP 100/100
MP 20/20
攻撃力 5
防御力 5
知力 5
俊敏 5
称号 なし
魔法属性 無
スキル 鑑定Lv2 意思疎通Lv1 跳躍Lv1 スラッシュLv1
武器熟練度 剣術Lv3
「予定よりも早くレベルが上がって助かったな、これなら少し休憩してからでもいいだろう。ざっとレベルが上がるスピードは3倍か?次にあげるには3時間は見といた方がいいかもな。」
俺は部屋の隅に移動し壁にもたれかかりながら少し休憩した。
数分目をつむり休むことができたので体力もほとんど回復し、MPも全回復したのを確認してから通路に向けて歩き始めた。
部屋の外の通路は奥が見えずどれほど続いているのか見当持つかない。ただ少し傾斜があり奥に行くにつれて高くなっている。
俺は鑑定のスキルを発動しながら進むこと10分、通路の奥の方から物音と話している声らしき音が聞こえてきた。声らしき音といったのは今まで聞いたことのない言語で会話しているからだ。
先程よりも注意深く前に進んでいくと鑑定の範囲内に入ったのか相手のステータスが目に入ってきた。
・ゴブリン Lv5
緑色の肌をした亜人。サイズは子供と同じくらいで3〜5匹程度の集団で行動している。
ダンジョンのモンスターの中でも弱い。
「ゴブリンか、アニメとかでも雑魚として出てくる一般的なモブだよな。でもできるなら人型以外が良かったんだけどな。」
しかし贅沢を言ってはいられない。人間に近い形の生物を殺すの抵抗があるが、今は一刻も早く強くならなくては行けないのだ。
俺は気合を入れて剣を抜き構えた。
ゴブリンの数は今見えている範囲では3匹。あと倍はいると思って行動しよう。
『身体強化』
魔法を唱えるのと同時に駆け出した。ゴブリン達はまだこちらに気づいていないチャンスだ。
俺とゴブリン達の差が5メートルを切ってようやくゴブリン達は気づいたのか声を上げた。
「もう遅い!『スラッシュ』」
スキルを発動しながら剣を勢いよく振り下ろすと1体のゴブリンがバターかのようにスッと真っ二つになった。
「あと2体!」
俺は一度後ろへ跳びゴブリンとの距離を取った。
切ったゴブリンだが煙のように死体が消え何かよくわからないが赤く小さな石が落ちた。
死体が残らないのはありがたい。さすがにモンスターのものとはいえ死体が転がったままなのは来るものがある。
残りのゴブリン達は仲間の死に気を取られず棍棒を振り回しながら突っ込んで来た。
改めて見ると凄い見た目だ。子供のような体型だが全身緑色で目が黄色く瞳孔が縦長、耳が少しとんがっている。
最初は緊張してスキルを使ったがこの程度の相手なら使わなくても行けそうだ。
俺は剣を構えゴブリンが飛び掛かってくるタイミングに合わせて横薙ぎした。
今度は2体まとめてだったが剣はゴブリンの体で一切止まることなく振り抜かれ煙になり消えた。
「ふぅ、確認した限り奥から追加で来ることはなさそうだな。とりあえず初戦闘は勝利だ!」
俺の緊張とは裏腹に初戦闘はあっけなく終わってしまった。だがケガも何もなく済んだことは何よりもうれしい。
地上に上がるまでにあと何回戦闘が起きるかわからない今の状況ではなるべく体力を温存しつつ素早く敵を倒していかなければならない。
【レベルが上がりました】
危険を冒して敵と戦ったかいあってか今の戦闘でレベルが上がったらしい。




