第4話訓練
宝箱の中身は長剣と瓶詰めされた液体が3本入っていて鑑定スキルを使って調べたところ回復ポーションと書かれていた。
・長剣:ただの何の変哲もない剣。初心者が扱うのにちょうどいい重さと長さをしている。
・低級の回復ポーション:ちょっとした擦り傷、切り傷、捻挫などがすぐに治る。また疲労回復にも効き目がある。
「宝箱ってもっといいものが入っていると思ったけどそうでもないのかな。でも今の俺にはどれも必要なものだしありがたくもらっておこう。」
ゲームの中でも定番の武器である長剣だがいままで武術などを一切学んでこなかった俺に使えるものなのだろうか。
剣を実際に手に持ってみると想像以上に重かった。こんなものを本当に振り回すことができるのだろうか。
試しに剣を何振りかしてみた。
すると突然剣の振りが早くなったのでステータスを見ると新たな項目が増えていた。
『鑑定』
武器熟練度:武器を使っていくとレベルが上がって行き扱いやすくなる。またレベルがある程度上がると新たにスキルを覚えることができる。
剣術Lv1
「しかし不思議だな剣を数度振っただけでこんな項目が出てくるなんて、このステータスとかいうシステムは一体誰が作り出したんだ?」
だが今はこのシステムについて考えている場合ではない。
もしあの化け物がもう一度来た時にせめて倒すことができなかったとしても生き延びれるだけの力を早くつけなければ。
俺は一度考えるのをやめ身体強化を発動させてひたすらに剣を振った。
剣を振り続けているとちょうど身体強化が切れたとき頭の中に声が響いた。
【スキルスラッシュを獲得しました】
「ふぅ、無心で剣を振り続けていたら本当にスキルが手に入るなんてな。でも最後、声が響く直前の一振りは何か今までと違った気がしたんだよな。」
『ステータス』
・鈴木 悠真
Lv 1
職業 なし
HP 100/100
MP 10/20
攻撃力 5
防御力 5
知力 5
俊敏 5
称号 なし
魔法属性 無
スキル 鑑定Lv2 意思疎通Lv1 跳躍Lv1 スラッシュLv1
武器熟練度 剣術Lv2
新たにスラッシュのスキルを獲得したのと剣術のレベルが上がっている。
どうやら剣術レベルが2に上がったことによりスラッシュのスキルをかくとくできたらしい。
最後の一振りの手ごたえは俺の勘違いではなく剣術レベルが上昇したことによる恩恵だったのだろう。今もただ持っているだけの右手が最初に剣を手に取った時よりもはるかに軽くなっているのがわかる。
一度剣を思いっきり振り下ろしてみた。
すると先ほどとは比べ物にならない速度でブンという音を立てながら剣が振り下ろされた。
「正直信じられない自分の体じゃないみたいだ。」
はたから見てもついさっき初めて剣を握った人にはとうてい見えないだろう。ものすごい成長スピードだ。
普通このレベルで剣を扱えるようになるまでには何年も修業が必要だろう。それがものの数十分でその域まで上達してしまったのだ。
「次は獲得したスキルだ。多分だけど攻撃用のスキルだよな。名前的にも剣をつかって出す技だろう、とりあえず使ってみるか。」
『スラッシュ』
すると素振りの時とは違い、いままで何度もこの動きをしてきたかのように自然と体が動き強烈な一撃が放たれた。
「すごい威力の技だな。でもなんだか変な感覚だ、スキル名を発したと同時に体が何かに誘導されたかのように動いたような。」
先ほどまではただ剣を頭の上から振り下ろしていただけだったのだが、今のスキルを使って繰り出した攻撃は型のようだった。
このスキルを使えば人間など真っ二つにできるだろう。それほどまでに強力なスキルだった。
それでもあの化け物には勝てないだろう。剣を握って自分の体を動かしてみてようやくあの化け物と自分の本当の差を知ることができた。
今ならわかるあの化け物が適当に巨大なこん棒を振り回していたのではなく熟練された技だったのだということが。
普通ただ勢いよくこん棒を振り回しただけでは人の上半身が引きちぎれることはないだろう。せいぜいものすごいスピードで吹っ飛ぶだけだ。
だがあの化け物は軽く振り回すだけで何人もの人間を瞬殺していた。つまりあの化け物のこん棒の武器熟練度は相当なレベルだろう。
「このままだと地上に帰るのは相当難しいかもな。」




