第10話ゴブリンキング
俺はこちらを見ている二匹に向かって鑑定を発動させた。
『鑑定』
・ゴブリンクイーンLv10
ゴブリンが稀に進化する上位個体。クイーンが生まれるとものすごい速度で群れが増えていく。戦闘力は皆無。
・ゴブリンキングLv10
ゴブリンが稀に進化する上位個体。キングがいると群れができ大きいとその数は1000匹にもなるといわれている。ダンジョン上層で出てくるモンスターの中でも上位。
「まじか、めちゃくちゃ強そうだな。しかもレベル10っていままで遭遇したモンスターの中でも一番高いぞ。多分だけど今までみたいに一撃で倒せる感じじゃなさそうだな。」
そんなことを考えているとゴブリンキングがものすごいスピードで突進してきてその手に持っている巨大なこん棒を振り回した。
俺はかろうじて剣でその攻撃を受け止めたが、俺はその体ごとこん棒によって吹っ飛ばされ勢いよく壁に激突した。
「カハッ」
口から勢いよく血が噴き出した。ステータスを見るとHPが一気に30も削れていた。
俺はバックの中から回復ポーションを取り出し一瓶飲み干した。すると痛みが急に引きHPも全回復していた。
「今の攻撃早すぎだろ。何とか剣で受け止めたからよかったもののもし受け止められなかったら今頃俺はあの世だっただろうな。とりあえず俊敏を上げないと話にならないから。さっきレベルアップでもらったポイント分全部上げよう。」
俊敏18→23
俊敏を上げて全力でゴブリンキングから距離を取り剣を構えた。ゴブリンキングも先ほどよりスピードが上がったことに気づいており、こちらを警戒していてなかなか攻撃をしに来ない。
少しの間膠着状態になったがすぐにゴブリンキングが動いた。
今度はこちらに突っ込んでくるのではなく大広間に転がっていた巨大な大岩を持ちこちらに投げてきた。
「まじかよ。あんなに大きな岩を軽々しく投げてきたぞ。」
1個目の大岩をよけていると奥ではキングが2投目を準備していた。
「このままじゃじり貧だし先にクイーンを倒すか。もし後ろから攻撃された致命的だしな。」
俺はキングが岩を構えている隙にクイーンに向かって突っ込んだ。
『身体強化』 『跳躍』
クイーンも手に武器を持ってこちらを攻撃しようとしてきたがそれを躱して首を落とした。
「これで残るはキング一体か。正々堂々一騎打ちと行こうじゃないか!」
ゴブリンに言葉が通じているかはわからないが、なんとなくキングもにやりと笑っているように見えた。
残るはキング一体といっても格上の相手だ。正面から戦っても力負けするのでどうにか俊敏を生かして戦いたいが、相手の速さも俺とほぼ変わらない。
「仕方ない。脱出するためにスキルポイントを残しておきたかったが今使わずに死んだら元も子もないしな。」
【スキル隠密を取得しました】
「このスキルがどこまで通用するかわからないがやるしかない。」
『隠密』
スキルを発動させても俺の体にはなんの変化は見られなかった。しかしキングは明らかにあたりを見回しておりこちらを見失っているように見える。
「これなら大丈夫そうか?」
俺はキングがこちらを見失っている隙に岩陰に隠れスキルの確認を行った。
『鑑定』
隠密Lv1
スキルを発動させると一定時間姿を隠ことができる。隠密を破るためには同レベル以上の看破スキル(気配察知など)が必要。攻撃をするか食らうとスキルが切れる。1度使うと1分間使用不可。
キングがこちらを見失っているのを見るに看破スキルは持っていないのだろう。
「一定時間ってことは何秒かしたら自動で切れるってことか。それにスキルが切れた後1分間は使えないのか。クールタイムの間キングの攻撃を耐え切らないといけないのは大変だな。」
ステータスを確認しているとスキル欄の隠密の文字が灰色に変わった。
「これってもしかしてクールタイムに入ったってことか?継続時間は大体10秒ってとこか。」
岩陰からキングの方を見るとこちらをはっきりとみていた。どうやらスキルが切れたことによりばれたらしい。
スキルが解けたら強制的に位置がわかるのか、それともキングの感知力が高いだけなのかわからないがキングがこちらに向かってきていた。
「まずいなここから1分間耐えなきゃいけないのか。」
キングはもう目の前まで迫ってきている。
俺は岩陰から飛び出しキングとの距離をとった。




