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「おぉ…!勇者様だ!」

「召喚は成功した!」

「なんと言う奇跡!」



「へ…?なにここ…」


「いや、知らん」



気が付くと、私たちは西洋っぽい場所にいた。


周りにはアニメや漫画なんかで見るファンタジーものに出てくるローブを着た召喚士的な人たちがいて、一人お姫様らしき人もいた。



「勇者様!よくぞ御出くださいました!」



するとお姫様らしき女の人が私たちの前に歩み寄ってきたかと思うと、神田くんの手を握ってきた。



「どうか魔王を退治し

この国をお救いください!」


「「…は?」」



えっ?魔王?勇者?

なにこれ、夢?


試しに頬を抓って確かめると、普通に痛かったので夢ではないと認識した。



「おい、あの少女の勇者様…黒髪だ…!」

「なんと不吉な…」

「まるで魔女のようだ…」

「本当に勇者様なのか?」



なんか私の事でヒソヒソ言ってる…

黒髪だの魔女だの…


まぁ、確かに…ドールメイクとゴスロリは魔女に見えなくもないかもね。


というか、魔女っぽく見えるそこがいいんじゃない!


そこがゴスロリのいいところなのに。



「いやいや…勇者とか魔王とか意味分かんないんだけど。というか気安く手握んのやめてくんない?」


「あっ!これは大変失礼いたしました!」



迷惑そうに眉間に皺を寄せてお姫様に対して神田くんがそう冷たく言うと、お姫様は握っていた手を離した。


すると神田くんは、お姫様に握られた手をなんと私のゴスロリワンピで拭きやがったのだ!


「ちょっ!うわっ最悪!私のワンピで拭かないでよ!」


「洗えばよくね?」



「勇者様とは言え姫様に対してなんたる無礼な…!」


「いえ、良いのです。それでは勇者様。(わたくし)のお父様、この国の国王のところへご案内いたしますわ」



これは言うまでもなく、漫画とかでよく見る異世界転生と言うやつなんだろう。


いや、正確には異世界召喚か。



そして、私たちは玉座の間へと連れてこられ、如何にも王様といったずんぐりむっくりの白髭を携えたおじさんがどっしりと玉座に座っていた。


そして、王様の隣に座っているのはお妃様なのかな?


二人とも宝石や指輪をジャラジャラつけてるのを見て、かなり贅沢三昧しているのが分かる。



「よく来たな勇者たちよ。ワシはこのパール王国の国王〝ディブ・ラグジュアリー〟である」


「そして、その妃〝ラウラ・ラグジュアリー〟です」


「それと(わたくし)は、〝マリー・ラグジュアリー〟です」



「して、そなたたちの名はなんと言うのだ?」



「神田っす…」


「霧島芽里です…」



ぎこちない自己紹介をすると、王様は「ふぉっふぉっ!」と変な笑い声を上げた



「そう固くなるでない!では、本題に入る前にお主たちのステータスを鑑定させてもらうぞ」



王様がそう言うと、ステータス鑑定すると思わしき魔法の鏡を持った人がやってきた。



「ではまず、神田様のステータスを鑑定させていただきます」



そして、魔法の鏡に神田くんが映されると、ゲームなんかでよく見るステータスが浮かび上がった。



「レベルは……ひゃ、100!?」


「あ?」



「なんじゃと!?」

「まぁ!」



神田くんのレベルを聞いた途端、周りがざわつき始めた。


「レベル100…!?」

「いくら勇者様とは言え…高すぎでは?」



これは異世界転生あるあるね。

異世界転生か召喚されたらチートでしたーってパターンは王道よね?



「レベル100って、あんた凄いじゃない。早速チート設定ついてよかったね」


「はぁ…」



あら?何だか全然嬉しそうじゃないわね。



「で、では次に芽里様のステータスを…」



そして次は、私のステータスを鑑定した。



「えぇー、芽里様のレベルは……88!?」


「ありゃま……」



神田くんには及ばないけど、

私も結構レベル高い…



「おぉ…これはなんという…!」



あまりのレベルの高さに、王様やお妃様とお姫様の口はあんぐりと開けて膠着していた。


そりゃそうなるわよねー



「なぁ、固有スキルとかってあるの?」


「えっ?あぁ!はい!もちろん!えー…神田様の固有スキルは……〝怠惰〟?」


「?」



怠惰?

どういうスキルなんだろう?



すると今度は、私の固有スキルを鑑定しだした。



「芽里様の固有スキルは……〝暴食〟」


「えっ…?」



暴食?

いやだからどう言うスキルなワケ?



すると、私たちの固有スキルを聞いた途端周りがシン…と静まり返った。


ん?何?何だか空気が変わったような……



すると、次の瞬間…



グンッ


「ッ!」

「うっ!!」



突然、私たちに重力がかかりドッ!と床に俯せで押さえつけられた。


よく見ると、顔に笑みを張り付けた黒いチャイナ服を着た糸目の薄紫色の一本三つ編みの青年が手を前に掲げていた。



「うぅ…!なに…これ…!」


「くっ…!」



「王様ぁ、こいつら押さえてよかたかぁ?」


「うむ、よくやったぞシャンティ」



チャイナ服の青年がカタコト混じりのおっとりとした話し方で王様にそう聞くと、王様がそう頷いた。



「おい、どういうつもりだ…!」

「黙れ!!邪悪な悪魔共め!!」



しかし、王様は神田くんの問いに答えず、玉座から立ち上がると、顔を真っ赤にして怒鳴りだした。



えっ?悪魔?

は?どういう事?



「おのれッ…!魔王の配下が勇者を名乗り我が城に入り込むなど…卑劣極まりない!!」


「あぁなんて恐ろしい…!まさか魔王の配下が城に入ってくるなんて…!」


「そんな…せっかく勇者様が来てくださったと思っていたのに…!」



固有スキルを見た途端、先程の歓迎ムードから一変し、皆私たちの事を〝悪魔〟〝魔王の配下〟と言い敵意を向けてきた。



は?なんなの急に…!

そっちが勝手に召喚してきたくせに!



文句の一つでも言ってやりたかったけど、〝シャンティ〟というチャイナ服の青年の魔法で床に押し付けられているせいで肺が圧迫されて、声を出そうにも出せない。



「シャンティ!この自らを勇者だと名乗り城に入った不届きな悪魔共を処刑せよ!!」


「了解よー」



すると、重力が更に重くのしかかってきた。



「うぐっ……!かはっ……!」



苦しい……!

どうして……どうしてこんな……!



「……ざけんなよ……」


「?」


「勝手に呼び出しておいて勇者扱いの次は処刑だと…?もうキレたわ……


テメェら全員……地獄に叩き落とす……!」



怒気をはらんだ声で神田くんが額に青筋を浮かび上がらせてそう言うと、地獄で使っていた刺股を握りしめ、なんと重力がかかった状態で立ち上がったのだ!



「えっ…立った?」



立ち上がった神田くんを見て驚くシャンティに、神田くんは床を蹴って一瞬にしてシャンティの距離を詰めた。


そして…



ドッッ!!



「ッッッ!!」




刺股でシャンティを薙ぎ払い、シャンティは城の壁を突き破り吹っ飛んだ。



「シャ…シャンティィィ!!」



王様の絶叫が城内に響く。



「ゴホッゴホッ…!はぁ……」



シャンティが気を失った事により、魔法が解けて体が軽くなり、肺に空気が一気に入ってきて私は咽ながらゆっくりと体を起こした。



「おい、大丈夫か?」


「あぁ、うん…何とかね…。ありがとう」



神田くんに差し伸べられた手を取って立ち上がり、ゴスロリワンピについた埃を払った。



「あ〜、お気にのゴスロリワンピに埃がついちゃった〜も〜最悪〜!」


「洗えばよくね?」



「何をしている兵士共!!その悪魔共を取り押さえよ!!」



王様の声で、周りにいた兵士たちが一斉に剣を抜き「うおおお!!」と、私たちに向かってきた。



「わっ!いっぱい来た!」


「下がってろ」



「うおおお!!」

「魔王の配下め!覚悟しろ!!」



神田くんに向かって剣を振るう兵士たち


しかし、そんな兵士たちの攻撃を人間離れした動きで避けて刺股を振るい、兵士たちを次々と倒していった。



うわぁ…強ッ

流石はレベル100



「お前たち何をしている!!さっさとその悪魔取り押さえんか!!」



とは言われても、兵士たちは神田くんに傷一つつけることもできず、何もできずに全員倒されてしまった。




「ふぅ…、あ〜疲れた〜」



刺股を肩に乗せ、倒れた一人の兵士の上に座り返り血を手で拭った神田くんの姿は


すごくカッコよくて目を奪われた。



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