大崎真の詩集

愛している

妹《おまえ》を愛している

絶対に言わないけれど

妹《おまえ》を愛している

絶対に言えないけれど

妹《おまえ》を愛している

絶対に気付かれてはいけないけれど

この愛は終わらせる

俺の中で殺す

この愛は育ててはいけない

若い芽を引きちぎるように

俺はこの愛を殺す

だが

無理みたいだ

いくら殺しても

地上の芽はなくなっても

何度も何度もそいつは芽吹く

鬱陶《うっとう》しいほどにそいつは芽吹く

そいつは恐ろしいほどのスピードで 根を張り巡らし

そいつは驚くほどのスピードで 地中深くに根を下ろしていく

根ごと引きちぎることは もはや不可能なほどに

俺が芽を引きちぎっても

次の芽を育てている

いくら引きちぎっても

何度 引きちぎっても

そいつは地中から芽吹いてくる

何度も殺しても

何度も何度も殺しても