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第03話 兄と俺がギルドに登録するまで

 俺と一は、隆司の後をついて行く。そして、五分程歩いた後、隆司が、ある建物の前で立ち止まる。そして、


「ここがギルド本部だ。」


 と隆司が言った。が、その建物は、とてもギルドとは思えない外見をしていた。周りの住宅と、特に大きさや見た目が変わらなかったのだ。俺は、思わず、


「本当にここで合ってるのか?」


 と隆司に問いかける。


「ああ。外見はちょっとあれだが、中は、『空間拡張』がかけられてるから、見た目の数倍はでかくなってると思うぜ。」


 隆司は、そう答えると、ギルドの中に入って行く。俺と一も、その後を追って、冒険者ギルドに入って行った。


      *********


「……広い」


 冒険者ギルドの中に入った俺の第一声は、その言葉だった。冒険者ギルドは、隆司の言っていた通り、外見はあれだったが、中は、都会の方の大きな駅程の大きさがあり、冒険者達で賑わっている。


「登録窓口はこっちだ。ついてこい。」


 そう言い、再び歩き出す隆司の背中を、俺と一が追いかける。

 隆司の歩いて行く先には、異世界人専用のギルド窓口があった。


「窓口の人も日本人の異世界人だから、自分達で登録できるはずだ。試しにやってみろ。」


 そう隆司に言われたので、俺は、窓口に立っている女性に話しかける。


「すいません、ギルド登録をしたいのですが……」

「はい。お名前をお伺いしても宜しいですか?」

「勿論。俺は、中野周二と言います。」

「中野一だ。」

「なるほど。どちらも、日本人のようですね。それでは、お二人の適性をはかるので、この魔力球に、順番に手を翳してください。」


 俺が、窓口の女性にそう言われ、俺が、魔力球に手を翳す。と、魔力球の上に、アクリル板に文字を入れたような、不思議なウィンドウのようなものが出てくる。そこには、俺の適性が書いてあった。


 中野 周二 年齢 24 男

 打攻撃 S 打防御 E 打回避 E

 斬攻撃 A 斬防御 E 斬回避 E

 突攻撃 A 突防御 E 突回避 E

 炎攻撃 A 炎防御 E 炎回避 E

 氷攻撃 A 氷防御 E 氷回避 E

 雷攻撃 A 雷防御 E 雷回避 E

 風攻撃 A 風防御 E 風回避 E

 魔攻撃 S 魔防御 E 魔回避 E

 聖攻撃 A 聖防御 E 聖回避 E

 耐久 E

 総合 D+


 次に、一が魔力球に手を翳す。


 中野 一 年齢 27 男

 打攻撃 E 打防御 E 打回避 S

 斬攻撃 E 斬防御 E 斬回避 A

 突攻撃 E 突防御 E 突回避 A

 炎攻撃 E 炎防御 E 炎回避 S

 雷攻撃 E 雷防御 E 雷回避 A

 氷攻撃 E 氷防御 E 氷回避 S

 風攻撃 E 風防御 E 風回避 A

 魔攻撃 E 魔防御 E 魔回避 A

 聖攻撃 E 聖防御 E 聖回避 S

 耐久 E

 総合 D+


 何だ、このステータス? と俺は思い、目をこすってみるが、やはり、俺の目に映るステータスは変わらない。俺のは攻撃に、一のは回避に、ずらっと並んだAとS。そして、それ以外のところにずらーっと並ぶE。何なんだ、このステータス……と俺が考えていると、受付の人が、


「それでは、次に、職業クラスを決めるので、今から私の提示する職業クラスの中から、一つだけ選んでください。まずは、周二さんからです。」


 と言って、俺に、いくつかの職業クラスを提示してきた。


 ・ブレイカー……ハンマーを使い、圧倒的な物量で相手を押し潰す。攻撃属性は主に打。〘クラス特性〙打攻撃・防御・回避適性+1

 ・ランサー……槍を使い、遠くからの攻撃が強み。攻撃属性は主に突。〘クラス特性〙突攻撃・防御・回避適性+1

 ・ソードメン……剣を使い、多彩な攻撃技が魅力の一つ。攻撃属性は主に斬だが、その他属性を操る事もある。〘クラス特性〙斬攻撃・防御・回避適性+1

 ・ソーサラー……主に魔・風属性魔術を使い、一撃一撃の威力が大きいのが魅力。〘クラス特性〙魔・風攻撃適性+1

 ・ウィザード……主に炎・氷属性魔術を使い、速射性の高い術が多いのが魅力。〘クラス特性〙炎・氷攻撃適性+1

 ・シャイナル……主に雷・聖属性魔術を使い、放つ光は幻想的。〘クラス特性〙雷・聖攻撃適性+1


「この中から、一つだけ、選んでください。」


 俺は、どの職業クラスが良いかと思案する。出来るだけ、得意属性を生かせる職業クラスを選びたいが……問題は、SSランクが存在するかどうか、だな。俺は、この世界に関しては無知なので、受付の女性に訊いてみる事にした。


「すみません、訊きたい事があるのですが、良いですか?」

「はい、何でしょう。」

「適性ランクって、何ランクまであるんですか?」

「適性ランクは、EランクからSSSランクまであり、高ければ高いほど、ステータスの初期値や、存在レベル上昇時に上昇するステータス量が高いなります。他に質問したい事はありますか?」

「存在レベルと言うのは何ですか?」

「存在レベルとは、自分の存在の大きさを表すもので、弱い敵を倒した場合や、簡単な依頼をこなした場合には、1~3ほど上がり、強い敵を倒した場合や、難しい依頼をこなした場合には、6~8ほど上がります。存在レベルが上がると、先ほど申し上げました通り、ステータスが上昇し、また、存在レベルが一定以上に到達すると、ギルドランクのランクアップテストに参加する事ができます。」

「なるほど。ありがとうございます。」


 さて、適性ランクがSSSまである事が分かった今、俺は、ソーサラーかブレイカーを選ぼうと思っている。どちらかと言えば、多属性を操れるソーサラーの方が良いと思っている。一も随分待っているだろうし、ここは思いきって……


「ソーサラーで登録します。」

「了解しました。一さんの職業クラスが決まるまで、少々お待ちください。」


 受付の人は、そう言うと、一に向き合う。その間に、俺は、現実世界への帰還方法について考える。

 普通に考えると、魔王とか、神とか、そう言う最終目標の討伐なんだろうけど、相当な時間がかかるに違いない。もしくは、冒険者ギルドの最高ランクに到達することだろうか。だが、それも、莫大な時間と労力を要するに違いないだろう。最悪なパターンとしては、そもそも帰れないパターンだな。まあ、帰れなくなっても、それならそれで楽しそうだから、構わないが。

 そう俺が考えていると、一の職業クラスが決まったらしく、受付の人が俺に声をかけてきた。


「今から、お二人のステータスを示した情報球をそれぞれにお渡しします。なくさないようにお気をつけください。試しに見てみてはいかがでしょう。情報球に向かって、『ステータス』と唱えてみてください。」

「分かりました。ステータス!」


 俺がそう唱えると同時に、一もステータスと唱えていた。

 そこには、俺と一のステータスが載っていた。


中野周二 職業クラスソーサラー

属 攻 ,防 ,回

打 60,10,10

斬 50,10,10

突 50,10,10

炎 50,10,10

雷 50,10,10

氷 50,10,10

風 60,10,10

魔 80,10,10

聖 50,10,10

HP50

存在レベル 1


中野一 職業クラス アサシン

属 攻 ,防 ,回

打 20,10,80

斬 20,10,60

突 20,10,60

炎 10,10,80

雷 10,10,60

氷 10,10,80

風 10,10,60

魔 10,10,60

聖 10,10,80

HP50

存在レベル 1


「それでは、お二人を冒険者ギルドに登録しますね。まずは、Eランクからのスタートになります。存在レベルを200まで上げれば、Dランクへのランクアップテストの挑戦資格を得る事ができます。まずは、依頼を一つ受けてみてはどうでしょう。あそこの掲示板から依頼を受けられますよ。」

「よし、周二、行くか!」


 俺と一は、最初の依頼を受けるため、掲示板へと向かうのだった。

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