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Requiem to the AVALON  作者: 大猩猩和
獣王国ガルニシア編 第一章 壁越え
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第26話 封印されし力

 圧倒的な地の利を得たアレスはゾンビたちに向けて大量の魔力の矢を放つ。


 その光景はまるで、矢の雨のようであった。


 魔力の矢による弾幕は次々とゾンビたちを撃ち抜いていていった。


 立ち往生していたゾンビたちは何の抵抗も出来ずに魔力の矢による弾幕によって挽肉へと変えられていく。


 アレスを必死に追いかけていたゾンビたちであったが、今度はアレスから必死に逃げ始めた。


 魔力の矢による弾幕から逃げようとゾンビたちは螺旋階段を降りて行ったのだが、前方にいたゾンビたちは逃げ切れるはずもなく、挽肉へと変貌した。


 魔力の矢から必死に逃げるゾンビたち。


 魔力の矢による弾幕でゾンビたちは群れの最前線からどんどん削られていく。


 その速度は凄まじく、全力で逃げるゾンビたちに追いついているほどだ。


 最下層近くにいたゾンビたちは上の様子から直ぐに時計塔から逃げ出していたため、なんとか難を逃れることに成功している。


 そして、上層にいたゾンビたちは全員魔力の矢による弾幕によって挽肉にされてしまった。


 中腹にいたゾンビたちは追いかけてくる魔力の矢から逃げようと必死に螺旋階段を駆け降りていく。


 中には足を踏み外し、中央の穴に落ちるものもいれば、前にいるゾンビを我先にと押し除け、穴の中へ叩き落とすものも存在していた。


 そうして、中腹にいたゾンビたちは必死に逃げた甲斐もあり、全体のうち四割程度のゾンビが何とかアレスから逃げ切ることができた。


 時計塔からゾンビたちを撃退することに成功したアレスはすぐに魂の回収を始める。


 アレスの無限魔力による攻撃で倒されたゾンビの数は想像よりも多く、魂の回収には時間がかかった。


 そして、魂を回収している最中、アレスはとあることに気づいた。


 それは魂を回収すればするほど、自身の身体能力の上がり幅が大幅に減っていっていることだ。


 このゾンビの群れをレイドする前は数をあまり倒していなかったこともあり、アレスはこのことに気づいていなかった。


 そのため、アレスはこのゾンビたちの魂を全部回収すれば、大幅に強化されると確信していた。


 しかし、実際は魂を回収すればするほど強化される割合は減っていった。


 それも比例的に減っていくのではなく、反比例的に減っていったため、途中から全くと言っていいほど強化されなかった。


 その割合もひどく、強化されているアレス本人でも気づくことができないほど些細なものとなっていた。


 結果的にアレスはあれだけの量のゾンビの魂を回収したのにそこまで強くなることはなかった。


 それでも最初の頃と比べて見違えるほど強くなっているのは間違いなく、一連の行動は無駄ではなかった。


 だが、頑張りに見合う結果と言われれば、全くそんなことはなかった。


 いわゆるハイリスクローリターンであったわけだ。


 アレスは命をかけてまで頑張ったというのにその見返りがあまりにも低かったことに残念に思うのだった。


 そうして、魂の回収を終えたアレスは一度、生命の樹まで戻ってくると、そのまま回収した分の魂を捧げることにした。


 生命の樹に触れ、魂魄解放(ヴィア)で回収した魂を生命の樹に捧げると、かつてないほどの光を放ち始めた。


 そして、目が開けられないほど眩い光はアレスのことを包み込んだ。


 眩い光に包まれたアレスはいきなり脳内に何かの情報が流れ込んできた。


 それはまるで星空のようであった。


 だが、これは星空ではないとアレスは理解している。


 この暗黒に浮かぶ星たちは全てアレスの封印されている力の一端であるということを。


 どうやら、記憶を失っているアレスは本来の力を出すことができなかったのは力が封印されているためであったようだ。


 なぜ、力が封印されているのか、誰が封印を施したのかは不明である。


 あの神父ならその辺りのことを知っているだろうが、きっと教えてくれることはないだろう。


 この生命の樹から流れてきた情報でアレスは初めて自分の力が封印されていたことに気づいた。


 そして、この情報はただアレスに自分の力が封印されていることを伝えるためのものではなかった。


 それは星空に浮かぶアレスの本来の能力のうちどれかを解放できるのだ。


 だが、全ての能力の中から好きなものを選べるというわけではない。


 封印解除にはそれぞれの能力に決められた魂の数を捧げる必要があるのに加え、能力の解除にも順番がある。


 いわゆるスキルツリーと言われるものと酷似している。


 現在、アレスが解除できる能力は三つである。


 それぞれ、魔力強化、感覚強化、自然治癒強化である。


 これら能力の詳しい説明などは一切ないため、その名前から能力を推察するしかない。


 そのため、アレスは真剣にこれらの中からどの能力を選ぶのか考え始めた。


 魔力強化は何を強化するのか分からないため、選択肢から外す。


 自然治癒強化は一見、強そうに見えるが、基本的に敵の攻撃を一撃でも喰らえば、致命傷になるため、あまり有益ではない。


 感覚強化はその名の通りならば、五感を強化する可能性が高いため、この能力が一番有益だろう。


 そうして、アレスは感覚強化の能力を選んだのだった。







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