表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Requiem to the AVALON  作者: 大猩猩和
獣王国ガルニシア編 第一章 壁越え
21/27

第21話 二つ目の鐘

 巨体のゾンビを仕留めたアレスは少し驚いたような表情を浮かべていた。


 何故なら、巨大のゾンビを回収した後、目に見えて自分の能力が大きく上がっていることに気がついたためである。


 魂を回収したことで自分の能力が飛躍的に上がったことから、この巨体のゾンビは相当強い相手だったことが窺える。


 アレスはもしも、あのゾンビと正面切って戦うことになったら間違いなく自分が負けると確信した。


 巨体のゾンビはそれほどまでの強敵であったのだ。


 しかし、このゾンビは両足におもりがつけられているのに加え、体の腐敗がとても進んでいるというハンデを背負っていた。


 このハンデは思った以上に大きかったようで、本来負けるはずもない相手であるアレスに最も容易く仕留められてしまった。


 それに、このゾンビはアレスのことを格下だと侮っていた。


 この油断も彼の敗因である。


 そうして、負けるべくして負けてしまった巨体のゾンビを倒したアレスは時計塔の中へ入った。


 時計塔の中へ入ってみると、中は一つ目の時計塔とあまり変わらなかった。


 中の構造は一緒なんだなと思いながらアレスは鐘を鳴らすためにも時計塔の階段を上がっていく。


 階段を上がり切ったアレスは目の前にあったものを見て、少し驚いてしまった。


 それは生命の樹である。


 なんと、二つ目に訪れた時計塔の中に生命の樹が生えていたのだ。


 そのことに驚いたアレスであるが、直ぐにリスポーン地点の更新と魂を捧げることが出来るなと思い、喜んだのだった。


 生命の樹を見つけたアレスは早速、この樹に触れると、いつものように淡い光が生命の樹から放たれた。


 そして、淡い光はアレスの中へと入っていき、全身を暖かい光で満たされた。


 生命の樹からの祝福を受け、リスポーン地点を更新したアレスは早速魂を捧げることにする。


 そうして、アレスは魂魄解放(ヴィア)で回収した魂たちを解き放ち、生命の樹に捧げたのだった。


 生命の樹に魂を捧げたアレスは、これからは溜め込みすぎた魂を失うかもしれないという心配がないと安堵のため息をついた。


 安堵のため息をついたアレスは二つ目の封印を解くためにも生命の樹の近くにあるエレベーターへ乗り込んだ。


 エレベーターに乗り込んだアレスは上矢印のボタンを押すと、エレベーターの入り口が柵で閉まり、上へ向けて動き始めたのだった。


 エレベーターから動き始めてから少し時間が経つと、エレベーターは目的地にたどり着き、止まったのだった。


 目的地へ辿り着いた後、エレベーターの閉まっていた入り口が再び開いた。


 入り口が開いたので、アレスはエレベーターから降りると、周りへ視線を向けた。


 視線を上へ向けてみると、そこには一つ目の時計塔にあった時と同じ大きな鐘がついていた。


 そして、アレスは窓の方へ視線を向けてみたのだが、一つ目の時計塔のように下からは見えない隠し通路などはなかった。


 隠し通路がないことを確認したアレスは次に鐘を鳴らすために必要なレバーを探し始めた。


 レバーを探し始めたアレスであるが、直ぐに見つかった。


 理由としては分かりやすい位置に設置されていたのに加え、一つ目の時計塔と同じ位置にあったためである。


 鐘を鳴らすためのレバーを見つけたアレスは早速、このレバーを下へ下ろした。


 そうすると、


『ゴォォオオンンン!!!ゴォォオオンンン!!!ゴォォオオンンン!!!』


 再び時計塔に吊るされている鐘が鼓膜が破れんばかりの轟音を放ちながら揺れ始めた。


 一度経験していたことから予測できていたのだが、それでもやはり鐘の音は恐ろしいほど大きい。


 一応、アレスも轟音に備えて耳を手で覆い、身構えていたのだが、あまり効果はなかった。


 そうして、隔離区画へ響き渡る鐘の音はしばらく鳴り響いていたのだが、ある程度時間が経つと鳴り止んだ。


 だが、鐘の音が鳴り止んだ後もアレスは激しい耳鳴りに襲われており、完全に耳が元に戻るまでには時間がかかった。


 途中でハプニングに巻き込まれ、時間はかかったものの何とか二つ目の時計塔の鐘も鳴らすことが出来たアレスは次の目的地を決めることにした。


 次の目的地を決めることにしたアレスはガレスからもらった地図を取り出すと、開いて眺め始めた。


 まずは今自分がいる時計塔を見つけると、この場所から一番近い時計塔を確認してみる。


 時計塔の位置を確認してみると、この場所から北西に進んだ位置にある時計塔が一番近いことが分かった。


 北西にある時計塔が一番近いことが分かったアレスは時計塔の窓から北西の方角へ視線を向けてみると、その先には形状が似ている時計塔を見つけ出すことが出来た。


 そして、時計塔の見えている位置から一つ目から二つ目に向かった距離よりも二つ目から三つ目の時計塔の距離の方が短いことが窺えた。


 最後の一つの時計塔も直線上にあったため、一応見えたのだが、二つ目の時計塔から相当距離があるらしく、だいぶ霞んで見えにくくなっている。


 これは現在が夜であるせいで視界が悪くなっているのも原因であるだろう。


 そうして、アレスは三つ目に目指す時計塔を決めたアレスは地図を再び収納魔術でしまったのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ