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087.危ないことはダメみたいです。

 カオリ視点の本編に戻ります。


 アヤハとイロハが狩りに出かけて1週間が経ちます。コトハの話では1週間ほどで帰る予定だったはずです。まだ帰ってきませんね。

 「ねえ、コトハ。アヤハ達は1週間で帰るって言ってたの?」

 『うん、1週間ぐらいで帰るって言ってたよ。』

 そうですか・・・そろそろ帰ってくるはずですね。



 今日で8日目です。まだ帰ってきません・・・少し心配になってきます。探しに行こうにもどこに行ったかわかりません。コトハもどこに行ったかまでは聞いていないようです。


 9日目です。何かあったのでしょうか・・・何もできない自分が恨めしいです。もう1日・・・もう1日だけ待ちましょう。それで帰ってこなければ、冒険者ギルドで情報を得るために依頼を出しましょう。



 今日で10日目です・・・

 『母様・・・ただいま・・・』

 イロハですか・・・やっと帰ってきましたね・・・本当に心配しましたよ・・・

 「アヤハ、イロハ、遅かったのですね・・・コトハは1週間と言ってましたが・・・」

 なるべく冷静に話しましょう・・・感情的になってしまいそうです・・・頭ごなしに怒ってはいけませんし・・・

 『えっと・・・えっとね、母様。』

 何か言いたそうにしてますが、うまく言葉にできないって感じでしょうか・・・チラチラとアヤハの方を見てます。

 『姉様・・・』

 あ、助けを求めたみたいです・・・

 『お母様、遅くなってごめんなさい。帰りがけに王女殿下に護衛を依頼され遅くなりました。』

 ・・・王女殿下?王女様ですか・・・王様の娘てことですか?

 「えっ、王女殿下?王女殿下って王様の娘?」

 『はい、その王女殿下です。それで予定より遅くなってしまったんです。お母様に、心配かけないようにとも思ったのですが、お母様ならきっと依頼を受けたのではと思って・・・』

 いえ、そんな面倒ごと絶対に首を突っ込みませんよ・・・でも、何事もなくてよかったです・・・

 「そうだったのね。ちゃんと護衛はできた?」

 『はい、しっかりとこの町まで護衛をしてきました。後日この店に来るといっていました。』

 「えっ・・・この店に?」

 なんですか、この店に来るって・・・本当に厄介ごとを運んできましたね・・・



 『母様・・・あのね・・・魔物と戦っていて・・・その・・・』

 なんですか・・・言いにくいことですか?またアヤハに助けを求めてますね・・・

 『お母様、イロハが怪我をしてしまったんです。』

 イロハが怪我?もう、頭が真っ白です・・・何も考えられないままイロハの所に駆け寄ります。

 「イロハ、何処を怪我したの・・・早くお母さんに見せて・・・」

 すぐに直してあげないといけません・・・見たところ怪我はないように見えたのですが・・・

 『左手がうまく動かないんです。』

 汚れているだけかと思っていたら、少し焦げているようにも見えます。

 「イロハ、すぐ直してあげるからね。」

 ここでは誰かに見られてしまうかもしれません。奥の部屋で直してあげましょう。

 一応、クリーンをかけてキレイにしてからリペアをかけます。古龍の素材が必要ですね。ええ、いくらでも使ってあげますとも。大切なイロハのためです。

 リペアをかけるとまるでギプスでもはめたみたいに固定されましたね。骨折みたいなものだったのでしょうか・・・

 「イロハ、2時間くらい動かせないからね。そこでゆっくり座ってなさい。」

 しっかり抱きしめてあげましょう。

 『母様、もう一つあるの・・・母様に貰ったリボンが焼けてしまったの・・・ごめんなさい。』

 ドキッとしました・・・もう一つだなんて言い出すから・・・リボンなんていくらも買ってあげますよ。

 「リボンなんていいから。そんなのいくらでも買ってあげる。それよりイロハが無事でよかったわ。」

 いえ、無事ではないんですが・・・帰ってきてくれたことが何より嬉しいんです。ついつい涙がこぼれてしまいます。

 『母様・・・心配かけてごめんなさい・・・』

 「ホントに・・・グスッ・・・もう心配かけちゃダメだからね・・・」

 『ごめんなさい・・・母様・・・』

 反省しているならいいのです。本当にもう心配かけないでくださいね。



 ドラゴンを狩ってきた・・・それを聞いて頭が痛くなりました・・・ドラゴンですよ、ドラゴン・・・危ないことはしちゃダメだとあれほど言ったのに・・・それでも私のためにしてくれたことです。ちゃんと褒めて、お礼を言っておきましょう。


 『母様、また素材になる魔物狩ってくるね』

 イロハは反省していないようですね。少しお説教しておきましょう。気持ちは嬉しいのですが、心配をかけないでください。


 アヤハは横でため息をついていますね。アヤハは私の気持ちがわかっているようですね。

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