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082.イロハが狩りに行くみたいです。

 なんとなくお店も軌道に乗ってきた感じです。経営の方は黒字とは言えませんが、私の方の稼ぎと会わせれば十分採算がとれてます。素人がやっているにしては十分ですね。私が経営なんてやれるわけないんですから。


 冒険者用の装備を作っていて思うのは、私が冒険とかに出ないため素材のストックがないこと。私が狩りに行くか買ってくればいいのですけど・・・狩りに行くのは実力的に無理です。イロハがいてくれれば大丈夫なのでしょうけど。買いに行くのは意外と高く付くことが解ったので今回は無しです。

 「やっぱり魔物を狩りに行くのがいいのかしら・・・」

 ポツリと独り言を言ってしまったようです。



 『母様、私がちょっと狩りに出かけてこようか?姉様と一緒に行けば大丈夫だし。』

 え、私の独り言を聞いていたのですか。

 「イロハはそんなこと気にしなくてもいいのよ。」

 『お母様、イロハはきっとお母様の役に立ちたいんだと思います。』

 アヤハまで・・・それはとても嬉しい申し出なのだけど・・・娘達が危ないことをするのはちょっと・・・

 「アヤハまで、そんなことを言って。あんまり危ないことをして欲しくないの。」

 『母様、姉様と一緒なら絶対大丈夫。魔物くらいすぐ狩ってきてあげる。』

 う~ん・・・どうしましょうか・・・確かにこの子達なら十分強いし、私がついていくよりはいいのかもしれませんが・・・

 「アヤハ、あなたも一緒に行ってイロハが無茶しないように見ていてくれる?」

 『もちろんです。ちゃんとイロハの面倒は私が見ます。』

 『母様、私そんな無茶しないよ。』

 前にワイルドボアを素手で殴り倒しましたよね?私があげた剣が汚れるといけないからと言って・・・私がイロハの方を見るとすっと目をそらしますね。ちょっとくらいの無茶は許されると思ってますね。

 「アヤハ、お願いしますね。私の代わりにイロハのことちゃんと見ててくださいね。」

 『はい、お母様。』

 これだけ言っておけばいいでしょう。可愛い子には旅をさせろっていいますが、でも心配です。

 「コトハも一緒に行きますか?」

 『ん、私はキクと一緒にお留守番だよ。かぁさんを1人にしちゃダメだもん。』

 私を1人にするとダメってなんでしょうか?1人になると何かまずいのでしょうか?

 「どうしてお母さんが1人になるといけないの?」

 『だって、私たちの誰かがかぁさんを守らなきゃダメでしょ?』

 そう言うことですか。私が1人になるのがダメではなく、私のことを守らないといけないから1人に出来ないと言うことですか。なんていい娘達でしょうか。

 「イロハもアヤハも気をつけて行ってくるんですよ。くれぐれも危ないことはしないようにね。」

 普通に狩りに出るならちょっと遅いくらいですが、この子達なら十分夕方には帰ってくるでしょう。

 「馬を出しましょうか。そのほうが便利でしょ。」

 『ううん、大丈夫。私と姉様の2人なら走った方が早いから。』

 えっ、走った方が早い?馬よりもですか?あなたたちどれだけ足が速いんですか・・・

 「2人とも魔力は十分足りてる?補充しなくても大丈夫?」

 『母様、大丈夫だよ。だって私たち空気中の魔力だけで十分に満タンになるもの。』

 『イロハ・・・』

 え、どういうことですか。魔力が足りなくなるから毎日私に抱きついてくるんじゃないのですか。毎日補充しないとダメって言ってませんでしたか?アヤハ、どうしてイロハの口を押さえているのです?

 「アヤハ、どういうこと?」

 『お母様・・・ごめんなさい・・・』

 そうですか、私に魔力を補充されると気持ちよいのでずっとそう言ってきたのですか。ちゃんと言ってくれればいつでもしてあげますのに。可愛いので許してあげましょう。

 「これからはちゃんと本当のことを言うのですよ。いつでも抱っこしてあげますからね。」

 アヤハがテレテレしてますね。可愛いです。



 アヤハ達にはしっかりした装備を着させて送り出します。もちろん、危ないと思ったらすぐに逃げてくるようにと言っておきます。この子達ならワイルドベアくらいでも十分倒せるとは思いますが念の為です。



 コトハはお留守番だと言いましたが、キクはちょっと狩りに行きたそうにしてましたね。イロハに持たせてあげればよかったでしょうか。キクは日本刀なのですから、戦うことが本来の使われ方なのでしょうし・・・今度狩りに行く時は一緒に連れて行ってもらいましょう。


 1日のんびりとしていました。工房の方が順調に動き始めてからは、こちらの店にTシャツを買いに来る人は激減しましたから。


 夕方になってもイロハ達が帰ってきません・・・おかしいです。何処まで行ったのでしょうか・・・ちょっと遠くまで行ったのでしょうね。アヤハもイロハのことをちゃんと見ておいてと言ったのに・・・




 おかしいです・・・もう夜ですよ。私もいつ帰ってくるか聞きませんでしたが、普通夕方には帰ってくると思うじゃないですか。

 『かぁさん、姉様達なら1週間くらい戻ってこないよ?』

 どういうことですか?コトハはイロハ達の予定を聞いているのですか?

 「ねぇ、コトハ。アヤハ達は何処まで狩りに行ったか聞いているの?」

 『う~ん・・・ちょっと遠くの森まで狩りに行くって言ってた。1週間くらいで帰ってくるって。』

 はぁ~・・・あの娘達・・・帰ったらお仕置きですね・・・




 次回からしばらく、アヤハとイロハのお話になります。

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