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066.銀貨5枚みたいです。

 オープンを明日に控えて今日は最終チェックです。とは言っても店を開く事は誰にも言ってないので、ひっそりオープンなのですけどね。いくらひっそりオープンと言ってもよういする物は用意しておかないといけません。おつりなんかも必要ですからね。誰もがカード払いが出来るわけではないのでしょうし・・・

 アヤハ達やメアリにも簡単な接客は教えましたし、大丈夫でしょう。

 冒険者用装備としてアリシアさんとリリさんに作った、<セーラージャケット装備一式>を作っておきましょう。もちろん付与とか無しの物です。一応魔物素材は使いますがボアかディアですね。<萌葱>と<紫紺>にしましょう。このシリーズはなんとなく和の色をイメージしますよ。

 いい感じの緑と紫ですね。和の色は和みますね。後はうちで作った服や装備だとわかるようにタグを付けておきましょう。なんとなく自己満足的な物です。付いていてもいなくても同じなのですが・・・


 萌葱と紫紺は、店内のマネキンに着せておきましょう。まだなにも着ていないマネキンにも服を着せておきます。

 なんとなく服屋さんっぽくなってきましたね。冒険者用装備を売っている店には見えませんが・・・



 扉をノックする音が聞こえますね・・・なんでしょうか?

 「はい、どちら様ですか?」

 警戒はしますが、扉を開けながら声をかけます。

 「カオリさん・・・ひどい・・・お店始めるだなんて・・・聞いてない・・・」

 あれ?リリさんじゃないですか。アリシアさんやギルさん。ガンツさんもいますね。

 「あら、皆さんお揃いで・・・まぁ、どうぞ中に入ってください。」

 こんな所で立ち話も何ですから中に入って貰いましょう。

 アリシアさんとリリさんが興味津々で店内を見てますし、店内のテーブルでお茶でもしながらお話をしますか。

 「メアリ。お茶を入れて貰えるかしら。」

 『はい、お嬢様。すぐにお持ちします。』

 ギルさんがメアリの事をじっと見てますが、好みなのでしょうか?あげませんよ。

 「皆さん、良かったらこちらにおかけになってください。」

 テーブルに案内します。さて、なんでここがわかったのでしょう・・・きっとガンテツさんなのでしょうが、早すぎますよ。

 「ねぇ、カオリさん。私たちに口止めをしておいて、こんな店を始めたの?」

 「お店始める前に出所がわかったら私が大変じゃないですか。」

 お店を開いてしまえばこっちの物です。後ろ盾は商業ギルドです。面倒ごとはみんなそっち任せですよ。

 「確かにそうだと思うけど。先に教えてくれてもいいじゃ無いの。」

 いつ始めるとか、全く決めてませんでしたからね。それにお風呂が欲しかったからお店を持ったのですから・・・

 「そう・・・ガンテツさんの所で聞いた。・・・かなり驚いた・・・」

 私の方が驚きですよ。なんで開店前にきますか。リリさんの嗅覚がこわいですよ。

 「でも、ガンテツさんとお知り合いだったんですね。」

 「まぁね。ガンツとギルの武器はガンテツさんの所で調整して貰っているから。」

 ああ、なるほど。ガンテツさんがこの2人の装備を見れば私が作った物だとわかりますよね。それと深緋と紺瑠璃がやらかした装備だとバレた事でしょう・・・

 「あのときの約束からまだ3ヶ月は経ってませんけど、もう喋って貰ってかまいませんよ。むしろ喋ってくださいね。」

 「それって、私たちを宣伝に使おうって事?」

 あ、正解ですよ。でも、これからは追求されても情報を漏らさないようにする必要がないのですからいいでしょう。

 「そうですね。そうしてくれるとありがたいとは思いますが。アリシアさんやリリさんはそれを着て動いてくれるだけで十分かなと。」

 「確かにな。この2人のせいで俺たちの知名度がぐっと上がったからな。別の意味で・・・」

 別の意味?なんでしょうか・・・よくわかりませんが、私には関係ないでしょう。ガンツさん達はけっこう有名なパーティーらしいですからね。色んな意味で有名なんでしょう。

 「先日、口止めに貰ったこのコートですけど・・・」

 「何か問題でもありましたか?サイズとかは合わせたつもりだったんですけど。」

 「・・・ちがう。可愛すぎて、追求される事が多くなった・・・」

 なるほど、目立たないようにと思って作ったのですが可愛すぎるですか・・・それは私のあずかり知らぬ事です。

 「まぁ、私の試作品だった。それのテストをしていたとでも言ってくださればいいですよ。」

 2人とも、話よりもまわりの服の方に意識が向いてますよ。

 「それで、今日は何か用でもありましたか?」

 本題に入りましょう。きっと何か用事でもあるのでしょうから。

 「・・・ん・・・特にない。」

 え、特にないって。じゃあなんで来たんですか?もしかしてただ気になったから来ただけというやつでしょうか?

 「カオリさんがお店始めると言うから、気になるじゃないですか。」

 アリシアさんがデレてますね。この人は”ツン”がありませんからツンデレではないです。デレだけですね。

 「そんなに気になるのであれば店内を見ますか?深緋と紺瑠璃の色違いも置いてみましたし。」

 「・・・さっきからずっと気になってた。・・・あの緑色すごく綺麗・・・」

 「ああ、モエギですね。紫のがシコンです。」

 「モエギ・・・綺麗・・・」

 リリさんは深緋より萌葱の方が好みなのでしょうか?そんなに好みなのであれば交換してあげてもいいですかね・・・

 「リリさん、その萌葱ですけど。欲しいですか?」

 「・・・んっ・・・欲しい・・・」

 即答ですか。相当気に入ったようですね。

 「リリさん。このあいだみたいな価格にはなりませんよ?それでも欲しいですか?」

 「・・・・・・・・・・」

 黙ってしまいましたね。このあいだと同じでは出せませんよ。

 「深緋と同じくらいの性能なら・・・金貨40000枚くらい?」

 「ひっ・・・無理・・・絶対無理・・・」

 でしょうね。いくら有名な冒険者でもこの価格は無理でしょう。

 「でも・・・深緋と交換で、お店の宣伝もしてくれるなら・・・銀貨5枚でいいわ。」

 「「えっ・・・」」

 アリシアさんそこハモるところですか。2人して驚かないでください。

 「深緋は本来その位の価値がある物なのだそうですよ。」

 ガンテツさんの言うとおりならその位なのでしょう。でも鑑定ではプライスレスってでてましたから・・・きっともっと高いのでしょう。

 「「・・・・・・・・・・」」

 2人とも黙り込んでしまいましたね。

 「ガンツさん達はかなり有名な冒険者だと伺ってます。だから本当の所をお話ししますね。」


 少し時間をかけて深緋と紺瑠璃の本来の性能を話しておきました。ネタばらししてもいいでしょう。このまま巻き込んで2人は広告塔になって貰うつもりですし。ガンツさんとギルさんも一緒に巻き込みましょう。パーティーなのですから一蓮托生って事で我慢して貰います。

 ちょっとショックが強すぎましたでしょうか?アリシアさんが遠い目をしていますよ・・・ガンツさんも4万、4万とブツブツ言ってますし。リリさんは・・・財布から銀貨を5枚出してますね。マイペースな人ですね。ギルさんは・・・女物を着るのを本気で悩んでますね。ギルさんならまだ似合うのでしょうか?いえ、無しですね・・・

 3人が、普通の状態に戻るまでリリさんとゆっくりお茶をしましたよ。たっぷり1時間程かかりましたけど。

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