055.お店を開くみたいです。
今後の方針を固めるため、宿屋で地図とにらめっこです。国内で行った事のない都市はと言えば、ガンドレアとリクリア、スレドニアですか。お店を立ち上げるのならばスニドラでしょうね。う~ん、悩ましいですね。
今後の生活費とかも必要です。何をして稼ぐかですね。冒険者か商売ですよね。今は冒険者ギルドに近寄りたくはありませんから商売一択ですか。そうなると今は旅して遊び回る時期では無いという事になりますね。
生きていくためにはお金が必要なのですよ・・・そうなると、スニドラで店舗を借りて営業ですか・・・そこそこお金が貯まった所で行商かねて素材探しの旅が正解でしょう。
方針も決まりましたし、明日はガンテツさんに挨拶だけしてスニドラへ向かいましょう。
今日も、コトハにマッサージをお願いしてそのまま抱き枕にします。それにしてもこの子達喜んで抱き枕になりますね。そんなに私の抱き枕になるのが良いのでしょうか?
ゆっくり寝た翌日は気持ちよいですね。え、いつもゆっくり寝ている?それはそれ、これはこれです。気持ちの良い朝なので良しとします。朝食を食べてから少し早いかとは思いますがガンテツさんのところに挨拶に行きましょう。
「おはようございます。」
店の中を覗くと先日の女の人がいますね。ガンテツさんを呼んで貰いましょう。奥からガンガン鉄を叩く音が聞こえるのでいる事はわかります。
「おう、嬢ちゃん。まだ何か用でもあったのか?」
「今日、この町を発つのでご挨拶をと思って。」
「そうか、また何か面白いものがあれば持って来てくれ。場合によっちゃ買い取りたい。」
「そうですね。でも、しばらくは旅は中断ですね。スニドラでお店を出そうかと思ってますので。」
「嬢ちゃんが店を出す?何売るんだ?」
「私が着てるような服でも売ろうかと思ってますよ。ガンテツさんから見てどう思いますか?」
畑違いかと思いますがこの世界の人の意見は大事かと思います。
「その装備、嬢ちゃんが作ったのか?」
「え、ええ。私が作りましたが・・・」
何かありましたか?意外とガンテツさんってデザインに含蓄のある人だとか・・・まさかそんな事は無いでしょうが・・・
「魔物素材を服にできるのか・・・正直それは売れるぞ・・・それもかなり売れるだろうな。」
ああ、そっちですか。デザイン云々では無く魔物素材が含まれるかどうかだけなんですね。わかっていたとはいえ、ちょっと悲しいです。
「ちなみにですが、私の服だといくらくらいになりますか?」
「正直言って、金額が付けられんと思うぞ。かなり高位の魔物素材を使っているだろう?」
「え、ええ・・・まぁ、そこそこ・・・」
古龍の素材がふんだんに使ってありますなんて言えませんね。
「うちの防具でもそうなんだが、魔物素材が入っているだけで値段がバカ高くなる。」
「ええ、聞いた事があります。魔物素材を使っていると金貨1000枚くらいだって。」
「そりゃ最低での話だな。そこそこの魔物素材が入っていれば金貨5000枚。うちみたいなオーダーなら、その倍くらいからだな。」
そんなに高いんですか・・・
「結構するもんなんですね。もっと安いかと思ってました。」
「バカ言っちゃいけねぇよ。魔物素材を扱える職人なんて数える程しかいないんだ。それでも安いほうだ。」
「なら、金貨3000枚くらいでそこそこの服作ったら売れますかね?」
「金貨3000枚だぁ~お前さんバカか?いや、そうか。転生者だったか・・・こっちの価値ってのをよく分かってないんだろうな・・・」
いや、バカは無いでしょ・・・そりゃこっちの物価とか価値とか全く知りませんけど・・・
「なぁ、スニドラなんか行かねぇでここで商売したらどうだ?タイランスなら冒険者が集まるからスニドラよりいいぞ。」
それはわかるんですけどね・・・スニドラにはアレがあるんですよ・・・
「スニドラにするのは訳があるんですよ・・・あそこ、ラーメンがあるんです・・・」
「・・・・・・・・・・」
「だから、ラーメンが・・・」
「タイランスにもあるぞ。」
え、何ですって・・・タイランスにもラーメンがあるんですか?
「タイランスにラーメンがあるんですか?」
ここにラーメンがあるならここで店を開くのも悪くないですね。
「けっこう美味いぞ。ラーメンが食いたくてスニドラに店開くってんなら、ここのラーメン食ってからでも遅くないだろう。」
「そうですね・・・1度食べに行ってみます。」
「おう、こっちに店開く事になったら教えてくれ。何か祝いでも持って行ってやるよ。」
もうこっちに店を出す前提で言ってますね。まぁ、美味しいラーメンがあるのならここに店を出すのに異存は無いのですが・・・ガンテツさんの言うとおりここの方が冒険者は多いですからね。
タイランスの商業ギルドに来ています。なぜかって?もちろんタイランスにお店を開くためですよ。ガンテツさんに会ってからラーメン屋を探したんですけどね。美味しかったんですよ。醤油味です。豚骨もいいですが醤油味って好きなんです。結果、タイランスに店を持とうと言う事になりました。
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