361.建国祭も終わったみたいです。
「私と、レイナは決まったけど、カオリはどっちにするの?」
そうですね、ぜんざいはお餅が入っていませんでしたから、残念さが残ります。白玉でも入っていたら違ったのでしょうけど。
そうすると、カレーに決まりですね。色が真っ黒でしたが、結構美味しかったですから。
「私はカレーかな。あのスープも良かったんですが、あと一息といったところでしょうか。」
「だったら今回の賞とは別にカオリが何か特別賞でもあげたら?甲乙付け難かったんでしょ?」
それもそうですね、でも何をあげましょうか?
「何をあげたらいいと思う?」
「物をあげる必要なんてないと思うわよ?」
「そうですね、カオリがよく頑張ったと一言声をかけてあげればそれで十分だと思いますよ。」
そんなんでいいのですか?ここで賞を取ることが重要で何がもらえるとかは関係ないのですか。でもそれじゃああまりにも可哀想だと思うのですが・・・
優秀賞にしても盾を一年間預けるだけなので声をかけるだけで十分なのですか、では壇上に上がってもらいましょう。そこで声をかければいいのですね。
大体段取りは決まりました。さっさと表彰式をやってしまいましょう。このあとは建国祭の終了宣言もあります。意外と忙しいのですよ。
「それでは、女王陛下よりお言葉をいただきます。」
ここでは一応女王陛下というのですね、さっきはカオリ様と呼んでいたじゃないですか、そのままカオリ様で通して欲しかったです。
「今回のフードフェスティバル聖女杯。みな、ご苦労でした。全ての料理人が最高の料理を持ち寄ってくれたこと、嬉しく思います。」
偉そうにしゃべってますが、こういう言い方をしなさいと、アリスとレイナに言われたんですよ。
「今回の表彰の前に、私が甲乙付け難かった料理を特別賞として、ここに栄誉を讃えたいと思います。」
「女王陛下より、特別の賞をいただける料理人は、聖王国の甘味屋、店主のマッシュ。」
凄い歓声ですね。本来なかった賞ですから仕方ありません。マッシュさんが壇上に上がってきますね。たまに顔を出しているお店なので知った顔ですよ。
「甘味屋のマッシュ、今回は賞を逃しましたが、赤豆のスープ大変美味しかったですよ。これからも精進してください。」
「はい、女王陛下にご満足いただけるよう、精進いたします。」
泣いてますね、悔しかったのでしょうか、嬉しかったのでしょうか?どちらもですか。それはそうでしょうね、賞を逃したのですからね。
「また、食べに行きますから、美味しいものを作ってくださいね。」
「はい、最高のおもてなしをさせていただきます。」
とりあえずは表彰式が終わるまで、壇上に残ってもらいましょう。
「それでは、表彰に移ります。受賞者は、王国のパティシエ、アイザック。レイナ様、お願いいたします。」
壇上にきますね、レイナが声をかけるのですね。
「此度の料理、大変美味しくいただきました。貴方には栄誉と共にこの盾を贈ります。一年間店に飾り、その盾に恥じない料理を作って下さい。来年もここに来ることを願います。」
「ありがとうございます、来年もここに参りたいと思います。」
これで盾を受け取っておしまいですか。
「次の表彰に移らせて頂きます。帝国の料理人、ボラン。では、アリス様よろしくお願いいたします。」
髭面の大男ですね、彼があの辛いスープを作ったのですね。アリスは美味しいといってましたが、私は勘弁して欲しいです。
「ボラン、あのスープはクセになるわね。次回も期待していますよ。貴方に栄誉とこの盾を送りましょう。店に飾り、その盾をみてさらに励んで下さい。来年もここに来ることを願っているわ。」
「来年も、必ずここに参ります。もっと辛いスープを持って。」
待ってください、もっと辛いスープって、ダメですよ。不可です、そんなに辛いのはダメです。
「最後に女王陛下より名誉ある賞を賜るのは、帝国のカレー職人、アントニオ。」
周りの声援も最高潮ですね。一応私が贈る賞が最高の栄誉と言うことになっていますからね。一応女王ですからね。
「辛さだけではなく旨みもある、大変美味しいカレーでした。貴方に栄誉と共にこの盾を送ります。一年間店に飾り来年に向け励んでください。また美味しいカレーを待っていますよ。」
「来年も女王陛下に美味しいと言っていただけるカレーを持ってまいります。」
これで表彰式も終わりですね。
「これにて第一回フードフェスティバル聖女杯の終了とします。」
ラッセルさんがうまく閉めてくれました。これで私たちは城に戻って建国祭の終了宣言をしないといけません。そのまま後夜祭のようなものに突入するらしいのですけど。
「ここに、建国祭の終了を宣言します。」
もっと色々な話もしましたよ。もう頭の中からは抜け落ちましたが。皆の生活がよくなるようにとか国の繁栄がとか言った気はします。これで建国祭は終わりましたが、明日の朝までは騒ぐようです。
早めにいつもの日常に戻って貰わないといけないのですけれど。メリハリはつけないといけません。
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