359.前半戦が終わったみたいです。
フードフェスの始まりですね。開会の挨拶をしないといけないのですね。何かにつけて挨拶がいるのは大変です。別にアリスかレイナが変わってくれてもいいと思うのですけど、こういった挨拶は私がやらないといけないのだそうです。
挨拶の前に近衛騎士団のお披露目をしておきます。今後、出歩くこともあるでしょうから、姿を見せておくことは必要だと思うのです。
簡単なお披露目も済みましたし、私の挨拶も終わりました。いつも通りの簡単な挨拶です。アリスにはもっと威厳のある挨拶をした方がいいとよく言われるのですが、私は長々とした話は嫌いなのです。聞いている方もつまらないですからね。
フードフェスの司会は、やっぱりラッセルさんですね。午前中に15食。午後から15食ですか。量は少なめにしてあると言ってもやはりきついものはきついと思うのです。
「アリス、来年は何か考えておかないとまた30食も食べることになりますよ。」
「そうね、さすがに30食はきついものね。レイナもいい方法があったら考えておいてね。」
「はい、私達の胃袋のためにも頑張って考えておきます。」
2人ともいいアイデアを出してくださいね。単に予選で勝ち上がる人数を絞ればいいのですが、もっともらしい言い訳が欲しいのですよ。
「さて、エントリナンバー1番は、王国一と言われるパティシエ、アイザックが作るチープルパイです。」
チープルパイ?どんなものでしょう。それより開会1番からデザートですか?
見た目はパイと言うよりパイシチューですね。小さなカップに入ってます。中はリンゴジャムとチーズ煮込んだものが入ってます、なんか間違っている気がするのですが・・・チーズとアップルでチープルですか・・・いい加減にしてほしいものです。
「カオリ、なかなか美味しいわよ。」
「ええ、さすが王国一と言われるだけはありますね。」
「私は・・・いまいちかな・・・」
「これでいまいちですか・・・カオリに評価される料理はよほど美味しいものなのでしょうね。」
「そうね、カオリは私達なんかよりずっと美味しい料理を食べてるからね。」
確かに食べていたかもしれませんが、宮廷料理とかは無縁ですからね?
結構色々な料理がでましたね。キワモノは選んでないんじゃなかったのですか?ラッセルさん、結構キワモノが入ってますよ?
次で午前の部最後の料理ですか。結構食べましたからね、ちょっと厳しいですよ。
「エントリーナンバー15番、帝国からカレー職人アントニオのスーパーカレーです。」
スーパーカレーって何でしょうか?カレーと言うことはわかりますが、何がスーパーなのでしょう?
色が真っ黒ですね、それにこれってかなり刺激的な香りですよ。絶対に辛いやつです。
「アリス、先に食べてみたら?」
あっ、レイナはこれを知ってるみたいですね。アリスに先に食べさせようという魂胆ですか。私も覚悟を決めて食べましょう。
「んっ!み、水をちょうだい。」
アリスが食べたみたいですね、やっぱり辛いんですね、水を要求してます。
「結構辛いですね・・・それでも食べられないほどじゃないですよ?」
「そう?帝国では辛さに定評のあるレストランよ?」
「レイナ、あなた知ってて私に食べさせたのね?」
「ごめんなさい、先に食べたらアリスにわかっちゃうじゃない。」
「でも、これってただ辛いだけじゃなく後味がいいですね。私は好きですよ?」
「おっと、カオリ様から「好きですよ」とお言葉をいただきました。」
観客席が大盛り上がりですね。ラッセルさん、以外と盛り上げるのが上手いですね。
アントニオさんがえらく喜んでます。まぁ、今までの料理で私が褒めた物が1つも無かったのですから喜んで当たり前ですか。
「これで、午前の部は終了です。会場の外には今回エントリーしている料理が屋台で売られていますので、どうぞ食べてみてください。」
なるほど、エレウシスドームの周りに屋台がでてたのはそれですか。ラッセルさん、さすが商売上手ですね。
「カオリ、お腹が楽になる薬だったっけ?貰えるかしら?」
「別に楽になるわけではないですよ。調子を整えはしますが、効き目は個人差がありますからね?」
「私も貰えるかしら?気休めでもいいから楽になりたいですから。」
アリスもレイナも苦しそうですね。私も結構きついですが、軽くストレッチでもしておきましょう。身体を動かしておけば多少いいかもしれません。
一応、2時間ほど休憩ですか。長いのか短いのかよく分かりませんね。とにかくその間しっかりと胃を休めましょう。
「カオリ様、前半戦お疲れ様でした。どの料理も素晴らしかったでしょう?」
ラッセルさんは本気で選んだようですね。私にしてみれば結構キワモノが混じってましたよ。
「そうですね、そこそこ美味しい料理でしたね。」
「あれでそこそこですか。カオリ様の評価は厳しいですね。そうするとさっきのカレーは優勝候補ですか?」
「まだ、前半が終わったばかりでしょ?」
「そうですね。後半はもっと凄いものがありますからね。ご期待下さい。」
あまり期待できないのですが・・・ラッセルさんは準備があると言って会場に戻っていきましたね。
「カオリ、メインディッシュとデザートとで日にちを分けるというのはどうかしら?」
なるほど、そうすれば半分くらいには出来ますね。
「いい考えですね。それなら予選通過者を半分に出来ますからね。」
「食べるのが半分で済むのですね。それにしましょう。私はもうお腹がきつくてどうにかなりそうです。」
レイナ、みんな同じ気持ちですからね。最後まで頑張りましょう。
少しでも面白いと思った方は評価をお願いいたします。
ブックマークもして頂けると嬉しいです。
次回への励みとなりますので、よろしくお願いします。
https://ncode.syosetu.com/n4242hu/
にて「シスターズ ~妹は転生賢者のようですが、異世界転生した私は現代知識でチートする~」を新規連載はじめました。
こちらもよろしくお願いします。




