299.離れるのは寂しいみたいです。
「カオリ、とりあえず両ギルドの方には話を通してきたから、近日中には建設が始まると思うわ。」
アリスが戻ってきたみたいですね、レイナは・・・まだ人材の調整をしてるのでしょうか・・・結構大変な仕事を頼んでしまいましたね・・・
「ありがとう、ギルドのほうは何か言ってた?」
「そうね・・・特には何も言ってなかったわね。あなたに感謝してた位かしら。」
私に感謝ですか・・・町のことを考えたら大したことはしていないのですが・・・感謝されて嫌な気はしませんね。
「ギルドの方が落ち着いたら挨拶位行った方がいいかしら?」
「向こうから挨拶位来るだろうから特に必要ないんじゃない?」
「そういえば私ってこの国の女王になったんでしたね・・・」
「その辺りの自覚ってないでしょ?」
「はい・・・全くないです・・・」
「だと思ったわ・・・少しずつで良いから自覚してくれると助かるわ。」
「努力します・・・」
「そういえば、帝国の方のお義父様がクラン達の誰かを次期皇帝にするんだとか言ってるの・・・」
「ふ~ん」
「ふ~んって、気にならないの?」
「別に、だってお父様だってユウゴを次期国王にする気満々だもの。」
「初めて聞きましたよ。」
「そう?言ってなかったかしら?」
聞いてませんね、お義父様も何も言ってなかったと思いますよ。
「自分の所の息子より将来性があるのだもの、当然のことだと思うわよ。」
自分の所の息子よりって・・・それもどうかと思うのですが・・・王国は大丈夫なのでしょうか・・・
「そんなんでいいの?」
「ユウゴはこの国の王様にした方がいい?」
「えっ・・・それは・・・でも、そうしたらユキはどうするんです?」
「あら、あなたが治めていた領地をあげればいいじゃない。」
そうですか・・・そういえば王国に領地がありましたね・・・あれはユキの物になるのですね・・・
「そ、それじゃあ、この国は誰が継ぐの?」
「私達の寿命って相当長いのよね?そんなに急ぐ必要ってある?」
ないですね・・・早くに王位を譲って楽になりたいとは思いますけど、その大変なことを息子や娘に押しつけるのはどうかと思うので欲しがればって所でしょうか・・・
「アリスの言う通りかもしれないですね・・・そんなに急ぐ必要もないのですね・・・」
「まぁ、カオリが楽になりたいってのは解るけどね。」
それは理解してくれてるのですね・・・
「とりあえず、クラン達の将来についてはもう少し後ですね。ユキとユウゴはそろそろ考えてもいい頃かもしれませんけど・・・」
「そうね、お父様もお母様もまだかまだかと催促してくるの・・・」
「それ、聞いてませんよ・・・」
「ええ、言ってないもの。そんな話カオリにはまだする必要ないと思ったから・・・」
「ユキとユウゴの将来の話ですよ・・・もっと早くに話してくれてもいいと思うのですけど・・・」
「ごめん・・・でも、そう言う話は好きじゃないと思ってたから・・・」
うん、それは間違いありません・・・そう言う話は嫌いです・・・でもユキとユウゴのこととなれば我慢もしますよ・・・話してくれたっていいと思うのです・・・
「お義父様とお義母様が催促してくるって、何をですか?」
「そろそろ、貴族として王族としての教育をさせないかって・・・」
「そうですね・・・私みたいになってもらっても困りますからね・・・」
「そうね、カオリみたいになると困るものね・・・」
自分で言うのはわかりますが、アリスに言われるのはちょっと気分が悪いですね・・・間違っていないので反論はしませんが・・・
「2人をお義父様に預けた方がいいかな・・・帝国のことも教えた方がいいのかなとも思ってはいたのだけど・・・」
「そうね、それには私も賛成だけど、まずは王国のことをある程度学んでからの方がいいと思うわ。」
そうですね・・・ちょっと寂しくなりますが、お義父様に預けるのが正解かもしれませんね。会いに行こうと思えばいつでも会いに行けますし・・・
「ユキ、ユウゴちょっとこっちに来て。」
「「はい。」」
「2人とも、そろそろ色んな事を学びに王国に行ってもらおうかと思うの。おじいさまのところよ。」
「ママ達も一緒?」
「う~ん、お母さんは聖王国の女王でもあるから2人だけでかな・・・」
「え~・・・かぁさんと一緒じゃないの・・・」
そんな寂しそうな顔しないで下さい・・・私だって我慢して送り出そうと思ってるんですからね・・・
「そうね、いつでも会いに行けるから・・・」
「毎日来てくれる?」
毎日ですか・・・それって少しばかり過保護になりすぎやしませんか・・・アリスからも何か言ってやって下さい・・・目線だけで分かってくれると良いのですけど・・・
「2人とも、カオリお母さんが困ってるでしょ?何も明日からすぐって言ってるわけじゃないのよ。そうね・・・来年くらいかしら。」
「ママと別れるのはいや・・・」
「うん、僕も・・・」
可愛いこと言ってくれますけど、ここは私も頑張らないといけないですね・・・
「2人には色々なお勉強をして貰いたいの。だからね・・・」
「ユキもユウゴも一生懸命勉強してカオリお母さんによくやったねって褒めてもらいたくない?」
「「えっ・・・」」
「私、カオリママに褒めてもらいたい。」
「ずるい、僕も・・・」
アリスが私を出しにして説得に成功したようです・・・1年後ですか・・・それまでに私が納得できるようにしないといけないですね・・・解っていても寂しいものは寂しいのですよ・・・一番離れたくないって思っているのは私かもしれませんね・・・
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