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295.決定事項みたいです。

 「ラッセルさんに先に戻ると伝えてもらえますか?」

 「えっ、しかし・・・」

 「緊急の用事です。すぐに出発してしまうので報告だけでいいですよ。」

 ラッセルさんのつけてくれた、世話係には悪いですが、さすがに皇帝陛下を連れての馬車移動はできません・・・手っ取り早く扉を使ってしまいましょう・・・

 世話役の子が大きくため息をついていましたが、この際仕方ありません。



 翌日、宰相にいろいろ小言を言われながらも出かける用意をしている皇帝陛下を見掛けました・・・ああして見ると孫に早く会いたい単なるおじいさんですね・・・

 「あの、お義父様・・・もう出かける準備をされてるんですか・・・」

 「おお、カオリか。2週間ほどかかる長旅だからな、準備は必要だろう。」

 「いえ、別に必要ないですよ。連れて行けるのはお義父様含めて5人だけですけど・・・」

 「どういう事だ?」

 「私だって、少しは常識がありますからね。皇帝陛下をそんな長い期間、旅をさせられるはずないじゃないですか。」

 宰相様も頷いてますよ・・・簡単に出かけるという皇帝陛下が悪いという事ですね。

 「まさか、カオリの口から常識なんて言葉が出てくるとは思わなかったぞ・・・」

 ちょっと、待ってください・・・私が常識知らずのようなことを言わないでください・・・そこで宰相様も頷かないように・・・

 「それで、カオリはどうするというのだ?」

 「身内なので、使ってしまいますが他言無用でお願いしますね・・・」

 「まぁ、他言はしないが、してもしなくとも変わらんだろうな・・・話題に事欠かないと聞いておるからな・・・」

 私がとんでもなくいろいろやらかしているように聞こえるじゃないですか・・・そりゃそこそこやらかしている自覚もありますが・・・そこまで言われるほどではないと思うのです。


 「転移魔法のようなものを使って帰りますので、すぐに聖王国に着きますよ。」

 「ちょっと待て、転移魔法というのは膨大な魔力と、魔法陣が必要になるものだぞ。いつ魔法陣などを用意したんだ?」

 「魔法陣なんて使いませんよ?」

 扉を空間収納から取り出しましょう。いつも思うのですが、この瞬間青い猫がなんか喋っているのが聞こえる気がするのです・・・ええ、幻聴ですよ・・・

 「なんだ、その扉は・・・」

 「そうですね、聖王国の私の城に繋がっている扉でしょうか?私しか使えませんし、私の他に5人ほどしか同行できないという制限がありますけどね・・・」

 皇帝陛下と宰相様が頭を抱えていますね・・・

 「なぁ、カオリ・・・それを使って、帝国に攻め込んだりはしないだろうな・・・」

 王国でも同じようなことを言われた記憶がありますが、そんな面倒くさいことやりませんよ・・・ただでさえ、国を作って面倒臭いことになっているのですから・・・

 「やりませんよ・・・面倒臭い・・・」

 「面倒でなかったらやるのか?」

 「やりませんよ・・・」

 そんなに私が戦争好きに見えますか?いやですよ。他国を攻め落とすとか、世界征服とか・・・そんなのはゲームの中だけで十分です・・・

 「まぁ、王位はレイナか、孫に譲ろうとと思っておるからな。お前の物になるのと大差ないだろう・・・」

 「ちょっと待ってください、その陰で支配している黒幕になるような言い方はやめてください・・・」

 「違うのか?」

 「違います・・・もう、クラン達に会わせるのやめますよ・・・」

 「いや、それは困る・・・」




 その後、1人で孫に会いに行こうとしていたお義父様を王妃様・・・お義母様が見つけたこともあって、説教を受けながら同行を許すという幕間もありました。結果、お義父様とお義母様を連れて行くことになりました。近衛騎士が3人同行するのは仕方ないでしょう。


 「こんなに簡単に孫に会いに行けるのね。」

 「ええ、まぁ・・・私がいないとダメなのですけどね・・・」

 「いい娘を持ったわ。レイナと一緒にさせてやっぱり正解だったわね。」

 まぁ、レイナは可愛いですから一緒になって正解ではあるのですが・・・

 「それで、月に何回くらい会わせてくれるのかしら?」

 それって、毎月何度も迎えにこいということでしょうか・・・王国のお義父様でもそこまでしてませんよ・・・

 「流石に毎月はなかなか私も忙しいと思いますし・・・」

 「あなたがする仕事をレイナにさせれば大丈夫でしょ?」

 お義母様、自分が孫に会うためなら、娘を人身御供にするのですね・・・いえ、自分が可愛いのはわかりますよ・・・それには同意するのですが、レイナを人身御供にするのはどうかと思いますよ・・・

 「その辺りはレイナと相談で・・・」

 「そうね、レイナにはしっかり仕事を手伝うように言いつけるわ。」

 レイナが私の代わりに仕事をして、私がお義母様を迎えに行くのはもう決定事項のようです・・・レイナ・・・頑張ってくださいね・・・


 ラッセルさんをおいて行くのは少々気が引けますが、お義父様とお義母様が優先ですから仕方ないですよね・・・

少しでも面白いと思った方は評価をお願いいたします。

ブックマークもして頂けると嬉しいです。

次回への励みとなりますので、よろしくお願いします。


https://ncode.syosetu.com/n4242hu/

にて「シスターズ ~妹は転生賢者のようですが、異世界転生した私は現代知識でチートする~」を新規連載はじめました。

こちらもよろしくお願いします。

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