029.馬車が出来たみたいです。
外見は普通の馬車のようですね。そこら辺にある一般的な箱馬車です。これで風雨に耐えて旅が出来るという物です。やはり雨風はできるだけ避けたい物ですからね。
馬車の後ろがトランクのようになっていて荷物が出し入れ出来るようになっていますね。私は多分使いませんが便利ですね。
室内は、前後で向かい合わせの4人乗りといった感じですか。御者側には扉があって御者席に移動出来るようですね。後部座席はなんとか3人座れそうなので5人と、御者席に2人までは乗れるようですね。意外と乗れますね。まぁ、私たち4人しか乗る予定はありませんけどね。
「なんとか出来たようですね。なかなかいい出来栄えだと思いますよ。どうですか?」
「ええ、とても良い馬車だと思うけど、本当に出来ちゃうのね・・・」
嘘だと思っていたのでしょうか。
「まぁ、結構魔力は使いましたけどね。ちゃんとしたのが出来て安心しましたよ。」
「そういえばギルド所有の馬車がずいぶんと古くなってきたのだけど・・・」
「作りませんよ・・・」
「ちっ」
舌打ちしましたよ。作らせる気だったんですね。いやですよ。自分用なので作りましたけどなぜギルドの馬車なんて作らなければいけないんですか。面倒なだけですよ。
「なぁ、嬢ちゃん。材料と制作費は払うから頼めないか?」
「頼めません。」
「そうか・・・気が変わったら言ってくれ。」
変わりませんよ。でも制作費ってどの位なんですかね。1度馬車の適正価格なども調べておくべきでしょうか・・・いや、必要ないですか・・・
さて、空間収納にしまってギルドを出ましょうか。とりあえず町の外に出て試乗です。馬をつないで走らせてみて問題点があれば修理と言うことで。
「では、アリスさん失礼しますね。」
軽く挨拶をしてギルドを後にします。多分このスキルで何か作らされるのでしょうね。簡単な物くらいは作ってもいいですが、基本的にはいやですね。
まずは、町の外に行きましょうか。以前の薬草の群生地がいいですね。あそこら辺はあまり冒険者もいませんし。目立つこともないでしょう。
「アヤハ、イロハ。馬車に馬をつなぐのを手伝ってください。」
空間収納から馬車と馬を取り出します。2人に手伝ってもらいながら馬車と馬をつなぎます。つなぎ方ですか?宿屋で教えてもらってきましたよ。いざというとき繋げないんじゃ大変ですからね。
時間は掛かりましたが、なんとか繋げたようですね。では、御者はアヤハにお願いして私たちは馬車の中に乗り込みましょうか。乗り心地もチェックしないといけませんからね。
走り始めましたね。思ったより振動は少ないですね。でも、ちょっと椅子がかたいですね。弾力性のあるスポンジをイメージしていたのですが下が木の板なので今ひとつでしたね。やはりここは自重せずにコイルスプリングのシートでしょうか。それならばベットにするにしても快適なはずです。
今のところ改善点は見つかりませんね。とりあえずはシートだけでしょう。
「アヤハ、さっきの所まで戻して止めてください。」
『はい、お母様。』
先ほどの所まで戻ってきて修理です。鉄とワイルドボアの革辺りで良いでしょうか。仕上がりは自動車のシートのような感じがいいですね。フルフラットになるようにして、リクライニングもついていると良いですか・・・前後のシートを繋げてベッドになるようにしましたが、フルフラットで馬車の中全部がベットみたいになった方がいいですね。そうしましょう。リペアをかけます。あ、馬車が繭にくるまれましたね。ある程度大がかりな修理も繭の中でやるのですね。小1時間掛かるみたいですね。また薬草でも採りながら待ちましょうか。
出来たようですね。中はどうでしょうか?良い感じに仕上がってますね。見た目もゴージャスになってますね。シートがかなりふかふかです。これなら長旅でも大丈夫でしょう。それに後部座席を引っぱると前の座席に繋がってベットのようになりますね。前座席の間も埋めることが出来るようです。大きなベットになりましたね。これなら3人くらいなら寝ることが出来るでしょう。
軽くその辺りを走らせてみて具合が良かったのでこれで完成と言うことにしましょう。
つないだ馬ごと空間収納にしまってしまいます。空間収納が便利すぎます。
町に帰って必要な物を買いましょう。食料が必要ですね。お肉はなんとかなりますから塩と野菜をいくらか買い込んでおきましょう。そうすれば簡単な食事くらいは作れるでしょう。私の料理スキルの見せ所ですね。美味しい料理を作りますよ。これでも自炊してましたからね。料理はそこそこ出来るつもりですよ。
だいたい必要な物はそろえましたが、香辛料がほとんど無いですね。塩くらいでしょうか。胡椒がバカみたいに高かったですね。さすがに買う気になれませんでした。しばらくは塩味の料理が続きそうです。
野菜は結構な種類がありましたね。キュウリ、キャベツ、トマトのようなものもありましたね。ピーマンもありましたし炒め物とかも出来そうです。油はラードのような物だけでしたね。植物油はないのでしょうか?これも探してみないといけませんね。そのためにもスニドラに行く必要がありますね。
最後に準備しておかないといけないのが箱ですね。木箱です。空でもいいのですが何か入れておいた方がいいでしょうか?擬装用の積み荷ですね。なしでもいいのですが、何もないと怪しまれそうなので木箱を2つほど詰んでおきましょう。中身は古着にしておきましょう。布があれば服を作れますからね。それを売るのもいいでしょう。古着より少し高めの設定にすれば売れるでしょうか?町の人も古着ばかりじゃつまらないでしょうからね。それを商売にするのもいいでしょう。
アヤハ達をマネキン代わりに服を着せてもいいですし。私ならしっかりとしたマネキンを作ることも出来るでしょうからそれでもいいです。夢が広がりますね。
さて明日は宿を引き払ってギルドに挨拶をしてタイランスに向けて出発と行きましょうか。
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