188.魔王がいるみたいです。
大司教様との話も終わりましたし、女神様にも会っておきましょう。
礼拝堂で祈りを捧げましょう。まぁ、女神様とは会えるでしょうから・・・
しばらく祈ってみますが、女神様は現れませんね・・・今日は忙しいのでしょうか・・・もう少しだけ祈ってみますか・・・
『カオリですか、会いに来てくれたのですね。』
「ええ、いろいろ聞きたいこともありましたから。」
それにしても、今日は少し時間がかかりましたね・・・
『私も暇ではないと言うことです。』
あ、心をよめたのですね・・・
『そういえば、領地をもらったとのことでしたね。』
ん?この流れはいけませんね、また時間ですと言われかねません。
『えっ・・・』
これは確信犯ですね、最初から引き伸ばすつもりでしたか。
「私のスキルについていろいろ聞きたいのです。」
『なんでしょうか・・・』
何を作ったらどのくらいの魔力が必要かが1番の問題ですね。なんと言ってもしばらく寝込みましたからね。
『それはあなたが自分の魔力だけに頼ろうとするからですね。人の魔力は有限ですから。』
「どう言うことでしょうか?」
『そうですね、自然界にも魔力はあると言うことですよ。』
なるほど、自然界の魔力も使えと言うことですか・・・
『私の方からカオリにお願いがあるのですが、引き受けてくれますね。』
引き受けないとダメなやつですね・・・
『別に引き受ける必要はないですよ。今いる国が魔王に滅ぼされるだけですから。カオリだけならその国から出れば大丈夫です。』
やっぱりダメなやつじゃないですか・・・
「いつですか・・・」
『まだ何年か先になりますが、魔王が復活します。なので、なんとかしてくださいね。』
「なんとかって・・・何もしなくていいと言っていたじゃないですか・・・」
『あなたがエルダードラゴンを倒してしまったからです。パワーバランスが崩れて魔王の復活が早まったのです。』
それって、私の責任だからなんとかしなさいってことですか・・・
「その魔王を倒すと平和になるのですか?」
『ええ、次代の魔王が現れるまではですが。』
「わかりました・・・やりますよ。私のせいみたいですし・・・」
『ではお願いしましたよ。』
「えっと、魔王を倒すことなんか考えてなかったので、何か力をください。」
『どんな力が欲しいのですか?』
「ん~・・・考えておきますので、また来た時にお願いします・・・」
『わかりました。それはその時に話しましょう。そろそろ時間のようです。』
礼拝堂ですね・・・今回はいろいろ話が聞けました・・・悪い話もですが・・・
「カオリ・・・何かあったの?」
「えっ・・・なんでですか・・・」
「すごく疲れた顔してるから・・・」
なるほど、精神的に疲れましたね・・・あんな話を聞けば誰だって疲れますよね・・・
「べ、別になんでもないですよ・・・」
「嘘・・・カオリは嘘つく時、目を逸らすの。」
「えっ、そうなんですか?」
「やっぱり嘘なのね?」
カマかけられました・・・私としたことがアリスにしてやられました・・・
「それで何があったの?」
「言わないとだめ?」
「また、ナイショのこと?私にも言えない?」
「ここではちょっと・・・屋敷に帰ってからでいいですか?」
仕方ありません・・・話くらいはしておきましょう。だからと言ってどうにかできることではない気がしますが・・・
「わかったわ、屋敷に帰ったらしっかり話してもらうからね。」
屋敷に着くまでアリスが睨んでくるのですよ・・・普段は可愛いのに睨まれるとすごく怖いんです・・・今回は私、何も悪いことしてませんよ・・・アリスに隠し事をしてるから?普通これは話せませんよね?
「アリス、ここだけの話にしておいてくださいね。」
「え、ええ・・・そんなに大変な話なの?」
「そうですね・・・かなり大変な話です。なので、メイドさんも誰にも話したりしたらダメですよ。」
アリスにも睨まれてますね、アリスの護衛をしているのですから、王様にも筒抜けだとは思いますが、仕方ないですね。
「アリスは魔王って知ってますか?」
「お伽噺に出てくるやつなら・・・」
お伽噺には出てくるのですか・・・でもそれであってるのでしょうね・・・
「近いうちに魔王が復活するのだそうです・・・」
「魔王って、お伽噺の中の存在じゃないの・・・」
「女神様から聞いた話ですので、本当の話だと思いますよ・・・」
アリスだけでなく、メイドさんも真っ青になってますね・・・魔王のお伽噺がどんなのかは知りませんが、大変そうですね・・・
「それで・・・どうしたらいいの・・・女神様はなんと言っていたの・・・」
「なんとかしなさいって事です・・・」
「なんとかって・・・カオリが?」
「そうですね・・・」
「逃げたりとかは・・・」
「私だけなら逃げることが出来るそうですが・・・アリスを残して逃げるだなんてありえませんよ。」
ああ、落ち込んでしまいましたよ・・・だから話したくなかったんですよ・・・でも、なんとかしますから。うん、なんとかします。
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