184.自動車はすごいみたいです。
「スズキ侯爵、ごぶさたしております。」
えっ・・・あぁ・・・私がスズキを名乗っているのでスズキ侯爵ですか・・・ラッセルさんにそんな呼び方されると変な感じがしますね・・・
「そんな呼び方やめて下さいよ・・・今まで通りカオリでいいですよ・・・」
「はっはっはっは・・・まぁ、一応そう呼んでおかないといけませんからね。では、お言葉に甘えてカオリさんと呼ばせてもらいますね。」
「そうして下さい、私も今まで通りラッセルさんと呼ばせてもらいますので。」
アリスは立場上なのか、ラッセルと呼んでましたが私は呼び捨ては慣れませんね・・・
「今日は何のお話しでしょうか・・・またよい話でもあるのですかな?」
「そうですね・・・でも、まずは先日の馬車のお話しでしょうか?どうでしたか?」
「おぉ・・・あれは反響がすごかったですよ。新しく作るとなると時間と労力、そして金額もかかるのでサスペンションだけ後付け出来るようにしたのですよ。」
「なるほど、確かにそのほうがお手軽ですね。」
「馬車だけで他のことに手が回らないほど忙しいですよ。」
「そうなんですか・・・それではあまり忙しくなるといけないので、この話は・・・」
「いや、大丈夫です。まだまだ余裕です。いい話があるなら教えて下さいませんか?」
「ええ、実は新しい馬車があるのですよ。」
馬車ではなく自動車ですけどね・・・
「ま、また馬車ですか・・・」
「あっ、馬車はお嫌でしたか?」
「えっ!いや、そんなことはありませんよ。馬車、うん、馬車いいですね・・・」
「うふふ・・・馬がなくても自動で動く馬車なんですけどね。」
「はぁ?」
「私は自動車と呼んでますが、見てもらった方が早いですね。」
空間収納から自動車を取り出しましょう。
「これは、何というか・・・」
「ちょっと、かわった車輪が着いてますが、これにすることでまた格段に揺れが減ります。」
「あれ以上に揺れが減るのですか?」
「それと、馬と同じくらいの速度で走り続けられますね。」
「この自動車というのは馬と同じ速度で走るのですか・・・」
「馬ではないので休憩も必要ないですしね。」
「そんな物が作れるのですか?」
簡単な構造を説明すると、色々うなりはじめました・・・自動車の他にも使えると思って考えているのでしょうね・・・
ただこれはラッセルさんに作ってもらおうとは思ってませんよ。領地の産業にしようと考えてます。ラッセルさんには販売をお願いしたいと考えてます。
「うちの領地でつくろうと思ってますので、ラッセルさんには販売をお願い出来ないかと思ってます。」
「うちの商会に任せてもらえると・・・」
「私が販売してもいいのでしょうけど、あまり手広くやるつもりはないので、領地の収入になればと思うのですよ。」
「わかりました。スズキ侯爵、領都に出店する許可を頂けますでしょうか?」
あ、ここはしっかりしておく必要があるところですね。
「わかりました。領主として商会が出店することを許可いたします。」
2人で茶番をしてからゆっくりお茶をしながら話をしました。もちろん私との連絡用に鳩を渡しておきましたよ。手紙よりずっと早く連絡が取れるでしょうから。
ラッセルさんとは領地の方でまた会うとの約束をして別れました。
きっと大きなお店を作るのでしょうね。商業ギルドの方に連絡をしてラッセルさんの出店に協力をしてもらえるよう言っておいた方がいいでしょうか・・・権力を持つってこういうことなんですか・・・アリスも同じ事をしたわけですか・・・なんとなく解りました。自分の手の届くところであればなんとかしてあげたいと思っただけなんですね・・・あまりアリスを責められませんね・・・
商業ギルドの方はおいておくとして、領都の教会のてこ入れは必要です。やっぱり王様には会いに行く必要はありそうですね・・・王都にいるのに会いに行かないのはおかしい?なんとなく解りますが、今私が王都にいるのがおかしいのでスルーします。
「アリス、以前話していた教会の件で王様と話をしようと思うの。」
「そうね、人の移動にも時間がかかるし早めに話をしておいた方がいいかもしれないわね。」
「それなら先触れを出した方がいいですね。」
「なぜ?娘が家に帰るのになんで先触れなんて出すの。」
「それはアリスだからでしょう?」
「私のお父様は、カオリのお義父さまでしょ?」
「えっと・・・それはそうですが・・・」
「パパ~ただいまぁ~って、抱きついたらきっと喜ぶわよ。」
「からかわないで下さい。でも帰るにしても先触れは必要ですよ。」
一応、セバスに言って明日、王城に向かう事を伝言してもらいました。これで明日お城に行けばいいでしょう。
王様のことは王様って呼べばいいですよねぇ・・・
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