181.隣の部屋に行ったみたいです。
体調も戻りましたし、そろそろ色んな事をはじめないといけませんね。
「カオリ・・・本当に大丈夫・・・3週間も意識なかったんだから、もっと休んでていいのよ。」
「うん、でもやりたいこともあるし、体調も良さそうだから・・・」
「アヤハ、カオリが無理しそうだったらすぐに休ませてあげてね。」
『はい、アリスお母様。』
アヤハはアリスの言うこともよく聞くのですね。私が大丈夫だと言ったらどちらのいうことを優先させるのでしょう?
「それで、カオリは何をするつもりなのかしら?」
「そうですね、この間作った扉のチェックがしたいですね。」
アリスの頬がピクピクしてますね・・・やはり私が倒れる原因になった物ですからね・・・気になるのでしょうか・・・
「どうしてもやりたいの?」
「どうしてもと言うわけではないですが、気にはなります。」
「ふぅ~・・・なら、私も付いていくわ。」
「何か用事があったんじゃないのですか?」
「色々やることはありますよ。領主様がずっと寝込んでましたから・・・」
「すみません・・・」
そうですね、基本はギャリソンがやってくれるはずですけど私が決済するべき事もありますから・・・アリスが代わりにやっていてくれたんですね・・・
「先にやらなければいけない仕事をしましょうか・・・」
「そうしてくれると嬉しいわ。」
午前中は書類仕事で終わってしまいましたね。お城に入れる家具の目録ですか・・・アリスが職人を案内したのでしょうか・・・
「家具職人はもうお城に案内したの?」
「ええ、うちのメイドに行ってもらったわ。」
「ありがとう。目録が来てるけど、これでよいと思う?」
「いいんじゃない?もう作り始めてるって話だけど・・・」
「そうなんですか・・・」
領主のサイン無しで仕事を始めちゃってるんですね・・・ダメだったらどうするつもりだったんでしょうね・・・
書類にサインをして、決済を通しておきます。しばらくは収入がないですから大変です。
これで、家具の方は大丈夫ですね。安心して仕事をしてもらいましょう。よい家具が出来るといいです。
お昼をはさんで、扉を見に行きます。あのドアと比べるとちょっと豪華ですね。世界観が反映されているのでしょうか・・・
「カオリ、なんでこんな物を作ったの?」
「私が楽をしたいからに決まってるじゃないですか。」
「どうして、これで楽が出来るの?普通の扉でしょ?」
「そうですね、私もちゃんと出来てるかが気になりますので使ってみるのが一番ですね。」
そうですね・・・最初から遠いところは何かあったとき大変です。隣の部屋にしましょう。
「それでは、ちょっと行ってきますね。」
「え、ええ・・・」
隣の部屋を意識して扉を開けます。目の前にあるのは隣の部屋ですね・・・間違いないです・・・扉をくぐってみましょう。
扉は自動的に閉まるのですね・・・扉はこちら側に残りましたね・・・
隣の部屋が騒がしいですね・・・扉が消えたのですね。廊下に1度出てから部屋に戻りましょう。
「ただいま・・・」
「・・・・・・・・・・」
アリスが涙目になってますね・・・これはまずいやつでしょうか・・・何も言わずに消えてしまったのですからビックリしますよね・・・
「えっと・・・ただいま?」
「グスッ・・・」
「何も言わずでしたね・・・ごめんなさい・・・」
謝ってばかりですね・・・私が悪いと思うので仕方ないのですが・・・
「すぐ帰ってきたから、許してあげる・・・」
「うん、ごめんね・・・」
「・・・それで、これは何なの?」
「う~ん、どこにでも行ける扉でしょうか?」
「どこへでも?」
「ええ、どこにでも行けるはずですよ。今は、隣の部屋に行っただけですけどね。」
「私にも使えるかしら?」
「どうでしょう?試してみますか?」
「ええ・・・」
隣の部屋に行って、アリスに扉の使い方を教えます。まぁ、行き先を思い浮かべながら扉を開けるだけなんですけど・・・
「そ、それじゃあ行くね・・・私も隣の部屋にするから・・・」
「うん、行ってらっしゃい。」
アリスが扉を開けましたが、隣の部屋には見えないですね・・・扉の枠があってすぐその向こう側が見えてます。
「・・・・・・・・・・」
「ダメみたいですね・・・」
「そ、そうね・・・」
そんなに残念そうな顔しないでください。今度は私と一緒に行けるか試しましょう。
「それじゃあ、私が扉を開けますので一緒に扉をくぐりましょう。」
「そうね・・・」
アリスと手をつないで扉を開けます。隣の部屋が見えますね・・・アリスと2人で扉をくぐることが出来ました。
どうやら私にしか使うことが出来ないようです。アリスぐらいは使えるとよかったのですが・・・ちょっと残念です。
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