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174/373

174.丘を削るみたいです。

 見張りはアヤハに任せてゆっくり寝させてもらいました。アヤハ達がいると安心して野営が出来ます。アヤハ達のことも家族だと思っていますが、やはりドールだと言うことで寝なくても大丈夫なのはありがたいです。頼りにしてますからね、これからもお願いしますよ。

 言葉には出しませんでしたが、アヤハの方を見ていると嬉しそうな顔をしてます。私が思っていることが伝わったのでしょうか?そうでないにしても、アヤハが笑ってくれていると私も嬉しいですね。



 さて、橋も出来ていますしこのまま領都に向かえばいいですね。

 「アヤハ、今日も道案内をお願いね。」

 『はい、お母様。』

 しばらくは単純作業で石畳を敷いていきましたが、ここから少し上り坂ですか・・・

 「アヤハ、この上り坂はしばらく続きそう?」

 『はい、丘になっているようでしばらく登りです。』

 そうですか・・・丘ですか・・・まっすぐ掘ってしまってはダメですかね・・・空間収納は容量無限でしたから、丘ごと切り取ってしまうのも手ですね・・・そこまでやらなくても馬車が2台すれ違えるくらいの道を作ればいいのですが・・・

 『お母様、すごく悪い顔をしてます・・・』

 「えっ・・・」

 『お母様がそう言った顔をするときに、アリスお母様がそう言ってました。』

 そうですか・・・アリスがそんなことをアヤハ達に吹き込んだのですね・・・でも、そんなに悪い顔してましたか?

 ちょこっとだけ丘を切り裂く感じで土を空間収納の中に入れていきましょう。もちろんその後には石畳を敷いていきますよ。

 なるべく平坦な道の方がいいじゃないですか。これから行き来するだろう道ですし。少しでも通りやすい道にしておくべきでしょう。



 やっと森を抜けましたね。まだ大分遠くですが、領都が見えますね。このまままっすぐ領都に向かいましょう。途中に川がありましたが関係ないです。小さな川でしたし後で橋を架けに来ましょう。

 アヤハと2人だけですので橋を架けずに渡ってしまいます。領都まではもう少しですね。





 苦しいです・・・今はアリスに思いきり抱きしめられてるところです・・・さすがにこれはダメだとも言えませんし、抜け出すのもダメでしょう・・・

 「アリス、ただいま。」

 「遅い・・・」

 「頑張って帰ってきたんですよ。」

 「遅いの・・・」

 「えっとですね・・・」

 「・・・・・・・・・・」

 「ただいま。」

 「うん・・・おかえり・・・」

 許してくれたみたいです。1週間でしたからね。ちょっと時間がかかりましたから・・・少しくらい怒られても仕方ないです。

 「遅くなったのは悪かったと思ってる・・・でもね、アリスにプレゼントがあるの。それで許してくれませんか?」

 「プレゼント?」

 「ええ、それを用意してたので遅くなっちゃったんです。」

 「私の為にわざわざ用意してくれたの・・・」

 「そうですよ。アリスの為にです。」

 顔を赤らめてクネクネしないで下さい・・・ツンデレと言うよりもうデレデレになってますよ・・・

 「それで、カオリは何をくれるの?」

 「アリスが欲しいって言ってた物ですよ。今日はもう遅いのでまた明日以降ですね。」

 「う、うん・・・」

 早く欲しいのでしょうか・・・気になるのですね。でもまだ内緒です。



 「そういえば、ギャリソンはどうしたのかしら。」

 『はい、こちらにおります。』

 いきなり後ろから声をかけないでください・・・ビックリするじゃないですか・・・

 「領内の事はどうなってるの?」

 『はい、前代官の行っていた悪政は全て改善する方向で調整しております。』

 「うん、ありがとう。それで税収とかはどんな感じ?」

 『漁業の方が不振であった為ずいぶん減っているとしか・・・』

 よくないのですね・・・領民を集めて漁業の再開をしないといけませんね。

 「漁村の村人を呼び戻すことは出来そう?」

 『はい、各方面に協力を仰いで呼び戻すよう努めております。』

 「ありがとう、特に報告しないといけないようなことはある?」

 『財政の方が少々心許ないです・・・』

 なるほど・・・前代官がずいぶんと使い込んだみたいですね・・・しばらくは持ち出しになりそうですが、私もそれほどお金に余裕があるわけではないのですが・・・

 「カオリ。」

 あぁ・・・頼れって事ですか・・・

 「ねぇ、アリス。なんとかならないかな?」

 「私の蓄えから少し出しましょうか。これでも結構持ってますから。」

 「本当はこんな事アリスに頼んじゃダメなんだよね・・・情けない領主でごめんね。」

 「そんなことないよ、私はカオリに頼ってもらってすごく嬉しいの。でもカオリがそう言うなら金利無しで貸してあげることにするわ。」

 「そうね、それなら貸してもらおうかな・・・」

 アリスに借りることにして、それなりに領内を動かせるようになりそうです。



 「ねえ、アリス・・・ドラゴンの素材を売ったらお金になるかな?」

 「・・・・・・・・・・」

 「だめかな?」

 「ねぇ、カオリ・・・もし売るならお父様に売ってあげてね・・・」

 王様ですか・・・いえ、義父になるのですか・・・

 「別に構いませんが、なぜですか?」

 「普通ドラゴンの素材なんか出回らないからよ・・・ワイバーンだってすごく貴重なんだからね。」

 「そうだったんですね、ならワイバーンも併せて売りましょう。領地の運営費に回したいですからね。」

 「カオリの収納の中身を見てみたいものだわ。」

 さすがに見せることは出来ませんが、中に何が入っているかくらいは教えてあげられますよ。

 「教えましょうか?」

 「・・・怖いからやめておくわ・・・」



 今日は、久しぶりでしたのでアリスと2人で寝ました。イロハとコトハが寂しそうにしていましたが、明日いっぱい可愛がってあげますから今日は我慢してくださいね。

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