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146.変な建物みたいです。

 なんとなく木造建築っぽい建物です・・・屋根の上に乗っている石はきっと瓦がうまく伝わらなかったのでしょうね・・・庭なども作ってありますが、どことなくチグハグです・・・石が敷き詰めてあるところを見ると枯山水をめざいたのではないかと思いますが、しっかりと池がありますね・・・松によく似た木も植えてありますがなんか違います・・・頑張ったあとは見られるのですが・・・これなら普通に西洋風の家を作った方がよかったのでは・・・

 「ここが、前王妃様のお屋敷ですか・・・」

 「ええ、恥ずかしながら・・・」

 やっぱり思うところはあるのですね・・・日本人の感覚との違いでしょう・・・それと自分の持つイメージがうまく伝わらずにこうなってしまったと・・・

 「なんとなくわかりますよ。こうしたかった気持ちは。」

 「そうなのですか?私たちには全くわからないのですが、お婆さまは喜んでいるみたいで・・・」

 そうなのですね・・・少しばかり協力してあげたくなってきましたね。写真で見た日本庭園と寺社くらいでよければなんとかなりそうです・・・



 「シャーロット様がお待ちです。」

 私たちが到着すると、中からメイドさんが出てきて私たちを案内してくれるようです。なんかメイドさんの視線が気になるのですが、私ってそんなにへんでしょうか?着物を着ているので変に見られるのかもしれませんね。仕方ありません・・・我慢しましょう。前王妃様はシャーロットというのですね。


 「お婆さま、アリステレアです。入ってもよろしいですか。」

 襖っぽい扉ですね・・・でも木ですか・・・襖紙ができなかったのでしょうね・・・すごく重そうです・・・

 「アリスですか、待ってましたよ。入ってちょうだい。」

 王女殿下に続いて私も入室させてもらいましょう。あ、手に持っていたカップを落としましたね、なんとなくわかりますよ。いきなり着物を着た人が入ってきたのですからね。

 「ア、アリス・・・そちらの方は・・・」

 さすが、前王妃様ですね。動揺はしているようですが持ち直しましたね。

 「こちら、カオリさんです。先日私達を助けてくださった方です。」

 「ご紹介に預かりました、鈴木香織です。日本人ですよ。」

 あ、泣き出しましたね・・・

 「香織さんというのですか・・・日本人ということは転生者ということですか。」

 「ええ、そういうことになります。あ、これおみやげです。」

 メイドさんに渡しましょう。ポテチの詰め合わせですよ。

 「こ、これは・・・ポテトチップスのコンソメ味・・・・」

 「ええ、王女殿下にお聞きしていたものですから。」

 そこからは日本の話をたくさんしました。どうやら私がいた時代とほぼ同じようです。テレビ番組にしてもほとんど同じ時期のものを見ているようです。話題に事欠きませんね。

 前王妃様、シャーロット様は高校生くらいの時までしか記憶がないそうです。事故だったのか、病死だったのかもわからず・・・やはり女神様に転生させてもらったようです。その時に、お姫様みたいな暮らしがしたいと望んだようで、侯爵家に生まれたようです。

赤ちゃんからだなんて・・・大変でしたでしょうに・・・

 せっかくだから日本家屋に住みたいと思ったそうですが記憶が曖昧なのと、細かいところまでわからなかったおかげでこのような形になってしまったそうです。

 「随分とチグハグな作りになりましたね・・・」

 外見は日本風にしようとして失敗して、廊下は板張りにしたけど壁などは洋風といった感じです。部屋の内装も洋風みたいですね。

 「私がしっかりと思い出せないのと、思っていることを上手く伝えられないのです。」

 まぁ、知らない人に伝えるのは難しいですからね。

 「お寺とか、神社っぽいのでも大丈夫ですか?頑張れば作り替えられると思いますよ。」

 「本当ですか。私、寺社仏閣って好きだったんです。あと、畳とかも作れますか?」

 もう全部ひっくるめて引き受けてあげましょう。

 「ここを手直しするのもいいのですが・・・最初から作っちゃいましょうか?」

 「そんなことができるの?」

 「ええ、本当ならやりませんよ。でも、同じ日本人ですから・・・特別です。その代わりこのことは内緒でお願いしますね。」

 「もちろんよ。口を滑らすようなものはここにはいないから安心して。」

 「ではどこか場所をもらえると助かりますが・・・」

 「そうね、ここは後で更地に戻せばいいから。そこの庭を使ってもらうのはどうかしら?」

 「そうですね、では庭に建物を作って、後でここにちゃんとした庭を作りましょうか。」

 「お礼は何にしましょうか。息子に言って爵位でもあげましょうか?伯爵ぐらいならすぐだと思うけど。」

 いえいえ、爵位って面倒なだけでしょう。

 「爵位って・・・面倒ごとは嫌ですよ。」

 笑っているということはわざと言いましたね。

 「和洋折衷の家にしましょうか?中華様式も混ぜてもいいかもしれませんね。」

 「ご、ごめんなさい。ちょっとした冗談だから・・・」

 「わかってますよ。私も冗談です。」

 「それでもお礼は必要だと思うの。何か欲しいものがあったら言ってちょうだい。私ができる限り対処するわ。」


 まぁ、今のところ必要なものはないのですが、何かあった時は頼らせてもらいましょう。

 家の建築は、私がタイランスから帰ってきた後に開始することで話がつきました。必要な材料も集めてこないといけませんからね。

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