145.着物を着るみたいです。
「カオリ来てくれたのね。」
早速ですが、王女殿下の部屋に来ております。
「王女殿下のお呼びとあれば、すぐに来るに決まってるじゃいですか。」
「まぁ、すぐに来てもらわないといけなかったのでたすかりました。」
「急な用事ですか?」
「ええ、おばあさまがすぐにでも会いたいとおっしゃるのよ。今日の午後にお茶会を開くから連れてきてと・・・」
「急ですね・・・まぁ、私は暇ですから構いませんが。」
「おばあさまはきっと勘違いをされていると思うの。」
「勘違いですか?」
「ええ、私がどうしても会わせたい人がいると・・・とっても大切な人だと・・・」
ああ、そう言うことですか・・・王女殿下も紛らわしい言い方をしてくれたものです。間違っても王女殿下と結婚なんてしませんからね。
「そう言うことですか・・・違うとは言わなかったんですか。」
「もう、浮かれまくって・・・聞く耳なんて持たなかったのです・・・」
「男装でもしていった方がいいですか?」
「変なこと言わないでください・・・おばあさまが本気にされたらどうしてくれるんですか・・・」
バカなことを言い合いましたが、準備しないといけませんね。そういえば服はこんなのでいいのでしょうか・・・楽だからと言うことで「可愛いは正義」のTシャツを着ているのですが・・・
「服は・・・かえていった方がいいですよね?」
「カオリのいたところではそのシャツは流行っていたのですか?」
「一部の人には受け入れられていたようですね。万人向けでは無いと思いますよ。」
「カオリがいたところの代表的な洋服があればそれを準備出来ないかしら。」
代表的ですか・・・着物ですか?着付けは大変ですが、作り帯でしたら何とかなるでしょうか・・・あとはアヤハ達に手伝ってもらえば何とかなるでしょうか・・・
「わかりました。なんとか用意してみますね。」
「ええ、お願いするわね。あと、ポテトチップスもお願い出来ますか?」
「そちらも準備しておきますので、安心してください。」
同郷の人ですから袋ごと持って行っても構わないでしょう。袋ごとの方がインパクトありますね。
自分たちの部屋に戻って準備です。少しでも速く作り終えないといけないので、一切魔物素材を使わずに着物一式を作ります。もちろんアヤハ達の分もです。私1人だけ振り袖というのも恥ずかしいので・・・
さすがに速くできますね。1時間掛からないようです。あとは袋入りのポテチですね。コンソメ味だけでは面白くないですね・・・塩味と、コンソメ、のり塩もいいですね。あとは、筒入りのちょっと美味しいやつも持って行きましょう。私は筒に入ったやつの方が好きでしたからね。微妙に高かったのですが・・・
お昼ご飯を食べ過ぎない程度に食べてから着替えましょう。簡単な着付けを習っておいて良かったです。自分で帯までは上手く出来ませんけどね・・・
アヤハ達にいろんな所を持ってもらいながら着付けていきます。1人で出来ないこともないのですが、やはり手伝ってもらえると楽に出来ます。作り帯にしましたから差し込むだけですしね。
私の着付けが終わったら、アヤハ達の番です。順番に着付けてあげましょう。うんうん、可愛いですね。あとはメイドさんが呼びに来るのを待つだけですか。
扉がノックされてメイドさんが声をかけてきます。王女殿下がお呼びだそうです。それでは出かけましょうか。
「カオリ・・・なんですか、そのドレスは・・・それがあなたがいたところのスタンダードなのでしょうか・・・」
「スタンダードですか・・・女性の正装ですね。男性はまた少し違うものがあるのですけどね。」
「そ、そうなのですか・・・その服装はおばあさまも知っているのでしょうか・・・」
「どうでしょうね、多分ご存じだと思いますよ?」
少し話をしてから前王妃様のいる離宮に移動するそうです。離宮と言っても王都内にあるそうで、すぐ近くなのだそうです。
「カオリ、その手に持っている包みは何なのですか?」
風呂敷のことですか。やはり着物を着ていますから鞄とか似合わない気がしましたので風呂敷にしてみました。
「そうですね、この衣装に合わせた鞄のようなものだと理解してもらえればいいのでは?」
「鞄ですか・・・」
不服そうですが、上手い説明が思いつかなかったのです。勘弁してください。
馬車が止まりましたね。目的地に着いたのでしょうか。となるとここが前王妃様のいるところなのですね。
なんか不思議な建物ですね・・・その何というか・・・自分のイメージをうまく伝えることが出来なかったのでしょうね・・・何を作りたかったのかはよく分かりますよ・・・
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