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136.馬車はいいみたいです。

 やっぱり、どこの世界に行っても、カレーは人気だということですね。また作って欲しいとの話も出ましたので、今度作りましょう。もちろんすぐには作りませんよ。私もカレーは好きですが連日は避けたいですね、もし作るにしても種類など変えたいところです。お肉にしても、牛肉を手に入れたいところです。ということで、今回は見送りです。



 「ねえ、カオリ。昨日も馬を休めたりしていなかったけど、大丈夫なの?」

 「あれっ?言いませんでしたっけ?あの馬も人形なので休ませる必要がないって。」

 「いえ、聞いていませんね・・・」

 言ってませんでしたか・・・それは失礼しました・・・

 「馬も人形ですので、休憩も必要ないですし、このスピードのまま走り続けても問題ないんですよ。便利でしょう。」

 「ええ、本当に便利ですね・・・私も欲しいですわ。」

 さすがにこの馬はダメですね・・・馬車くらいなら考えてもいいのですが・・・揺れの少ない馬車ということで・・・

 その前にラッセルさんが作っているものが完成するでしょうね。あれが発売したのであれば、王女殿下用を作ってあげてもいいのでしょうか・・・


 「そういえばですね。ラッセル商会で揺れの少ない馬車を作っているのですけどね・・・」

 「揺れの少ない馬車ですか?」

 「ええ、この馬車にもついている、サスペンションというものを使ったものです。」

 「それがどうかしたの?」

 そうですね、それが発売したからどうということは無いでしょうね。

 「それが発売されれば私の馬車も、さほど珍しい物ではなくなるかな・・・ということです。」

 「だからそれが・・・」

 気がついたようですね。

 「馬はダメですけど、馬車くらいなら作って差し上げるのはアリかな・・・と思っただけですよ。」

 「カオリ・・・」

 その・・・涙流しながら手を握るほどのことですか?まぁ、揺れが少ないのと、クッションのおかげでお尻が痛くならずに済みますが。

 「大きさとかがよければ、この馬車をそのままお渡しするのもアリかなと思いますよ。」

 作るのが面倒というわけではありませんよ。もう一度言います。面倒なわけでは無いです・・・

 「これを・・・もらえるのですか・・・本当に・・・」

 「少し、装飾とかはしますけどね。どうですか?」

 「ええ、お願いできるかしら。ついでに馬も・・・」

 「馬はダメです!そんなこと言っていると馬車もあげませんよ?」

 「・・・・・・・・・」

 「馬はダメです。」

 「わかったわ、気が変わったら教えて。」

 王女殿下なのでもっと我儘言ってくるかと思いましたが、意外とその辺りのことはちゃんとわきまえてますね。私が気が変わるのは待つようですが・・・




 3週間も走ると、小さな集落とかがちらほら見えてきます。だいぶ走りましたからね。どこかの村で休んだ方がいいでしょうか・・・

 「王女殿下。どこかの村で休みますか?」

 「この馬車、寝心地いいし走っている間も快適だから、このまま王都まで行ってもいいんじゃ無いかしら。」

 この馬車をあげると、村とかに寄らなくなるんじゃ無いでしょうか・・・村とかによってお金を落とすのも大切なことではなかったのでしょうか・・・

 「いいんですか?本当に村によらなくても?」

 「・・・今回は特別です・・・私が帰るのが遅れるのは、少々まずいことにもなりますので・・・」

 あんな言い方をしていましたが、ちゃんとした理由はあるのですね。ただ、どっちが本音かは聞いておきたいところですが・・・今回は聞かずにおいてあげましょう。

 「わかりました。では、今回は村とかによらずに行きますね。」

 「ええ、カオリのおかげでだいぶ早く帰ってくることができたわ。」

 「アヤハ、聞こえましたね。王女殿下が早く帰りたいとのことなので村によらなくても構いませんよ。」

 『はい、わかりました。』

 「王都の近くまで来たら、スピードを落としなさい。いいですか?」

 『街道の近くに来たらスピードを落とします。それでいいですか?』

 「ええ、十分よ。」

 「本当に人形なの?言ったことだけでなく自分で考えているようだけど・・・」

 「人形だと思いますよ・・・」

 「なぜ、そこで言い切らないんですか?」

 「私も本当に人形なのかな?なんて思う時があるからですよ。そのくらい出来がいいのです。この子たちは。」

 そうなのです、本当に出来が良すぎるのです。女神様が人間にはならない、と言ってくれていても心配になる時があるくらいです。


 いい子たちばかりなので、気にしたらいけませんけどね。

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