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133/373

133.コンソメが決め手だったみたいです。

 馬車も出来上がり、軽く走らせてチェックをしておきます。いざ走り出してから問題が起きてはいけませんからね。

 まぁ、前回作ったものとほぼ同じものですから間違いはありませんけど、念には念を入れてと言ったところです。


 私たちが馬車のチェックを終えて、戻ってくるとメイドさんが、何かを持ってこちらに来ますね。

 「カオリ様、少しでも食料の足しになればと思い探してきたものですが・・・」

 芋ですか・・・うん、これはじゃがいもですね。

 「ありがとうございます。早速何かに使えないか考えてみます。」

 じゃがいもですか・・・じゃがいもと言ったらやっぱりポテトチップスでしょうか・・・でも、主食とは言えませんね。まぁ、食後のおやつ感覚でポテチでも作りましょう。

 夕食はまた、ステーキか、トンカツですね。私の想像力が貧困なのですよ。お肉だけのメニューが思いつきません・・・



 「王女殿下、こんなものを作ってみたのですが食べますか?」

 王女殿下が食べるようなものではないとは思いますが、ポテチをすすめてみましょう。

 「・・・・・・・・」

 どうしたのでしょう、黙ってしまいましたが・・・じゃがいもを揚げただけのものですからね、お気に召さなかったのでしょうか。

 「ポテトチップスですか?」

 「ええ、ご存じでしたか?」

 この世界にもポテトチップスがあったのですか。異世界人がいるくらいですし、簡単なものですからね。

 「塩味なんですね。コンソメ味なんかはないのですか?」

 「コンソメ味ですか・・・コンソメって何でできてましたっけ・・・」

 「そう・・・カオリはコンソメというものを知っているのですね・・・」

 えっ・・・知っているとまずいものなんですか・・・まさかこの世界では違法とか・・・そんなことはないですよね・・・

 「えっと・・・コンソメを知っていると何かまずいのですか・」

 「カオリ・・・貴方、異世界から来たのではないですか?」

 えっ・・・なぜそうなるのですか・・・コンソメですか・・・コンソメでバレるのですか・・・

 「い、異世界ってなんのことですか?」

 とりあえず惚けましょう・・・

 「王家にも異世界から来た人はいるの。私のお婆さまなのですけどね。」

 王女殿下のお婆さんですか・・・ひょっとして1人いるというい世界人というのは王女殿下のお婆さんのことですか・・・

 「お婆さまが口癖のように言うのよ。コンソメ味のポテトチップスが食べたいとね。」

 そこですかぁ~・・・まさかそんなところからバレるなんて思いもしませんよ。

 「国をあげて調べましたが、コンソメというものが何かはわからずじまいです・・・それを知っているということはカオリは異世界から来た人ということです。」

 コンソメを国をあげて調べたのですか・・・とんでもないことです・・・

 「そうですか・・・」

 「それでどうなのですか?」

 しらばっくれるのは無理そうですね・・・おばあさんが異世界人ということなら、それでどうにかなるということはないでしょう・・・まさか、コンソメでバレるなんて思いもしませんでしたが・・・

 「ええ、その通りですよ。私は異世界から来たということで間違いはありません。」

 「そうでしたか・・・今まで不思議に思ってきたこともこれで納得がいきました。」

 色々不思議に思っていたことがあるのですね・・・って、不思議なことばかりですよね・・・

 「まぁ、バレてしまったならもう何も隠す必要もないですか・・・」

 「ねぇ、カオリ・・・話を戻すのだけど、コンソメ味って作れるの?」

 そこまで戻るんですか・・・

 「ちょっと待ってください・・・コンソメ味、コンソメ味・・・」

 ブツブツ言いながらじゃがいもを取り出します。一応ポテトチップスが出来上がりますね・・・

 「ちょっと食べてみますね。」

 うん、コンソメ味ですね。間違いなくコンソメ味です。

 「できましたね。これがポテトチップスのコンソメ味です。」

 「こ、これが・・・」

 なんか、感無量といった感じで食べてますね。それにしても、そのお婆さんはそこまでしてコンソメ味が食べたかったのでしょうか・・・

 「カオリ・・・お願い。王都に戻ったら、お婆さまに会ってくれないかしら。それで・・・」

 まぁ、まだ生きているのならばそうなるのでしょうね。もちろん嫌とは言いませんよ。なんといっても同郷の人ですからね。それにポテトチップスを知っているなら、それ程年代が離れているわけではないでしょうから。

 「もちろん構いませんよ。というか、私からお願いしたいくらいですよ。」

 王都に帰ったら、前王妃様に会うことが決まりました。王家に知り合いが増えましたよ・・・取り込まれないようにだけ気をつけましょう。

 ポテチを食べた後は、異世界のお菓子についてかなり問い詰められました。材料が必要ならばなんでも揃えるので作って欲しいと・・・

 王女殿下も自分が食べたいと言わず、最後に「お婆さまに食べさせてあげたいの。」と付け加えるので、断れませんね・・・同郷のよしみというやつです。

 ということは、王女殿下も異世界人の血を引く人なのですね。血を引いていてもスキルが継承されるとかはなさそうですね。


 王都に戻った後も忙しくなりそうですね・・・

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