132.理不尽に目をつむるみたいです。
えっと・・・なんか、王女殿下の視線が気になりますね・・・言いたいことはわかります。明後日に帰ってくるとか・・・私だってわかりませんよ・・・
「そのですね・・・明後日までに帰ってくるとか・・・」
「ええ、わかってますとも・・・それも内緒なんですよね・・・それにしてもイロハさんでしたっけ?転移魔法でも使えるのですか?」
「転移魔法なんてものがあるんですね・・・」
「知らなかったところを見ると、そうではないのですね・・・」
あっ・・・転移魔法と言うことにしておけばよかったでしょうか・・・
「で、でも、転移魔法なんてものがあるんですね。」
「ええ、大がかりな魔法陣を使って、何人もの魔道士が行う儀式的な物だと聞いてます。」
集団で使う魔法でしたか・・・転移魔法と言わなくて良かったです。
「アヤハ、イロハが明後日までに帰ってくると言うのはどういうこと?」
『イロハは神足通を持ってますから。』
「ええ、神足通を持っているのは知ってますが、そんなに速く走れる物なんですか?」
『走ると言うよりは、跳ぶという感じでしょうか?』
空を飛んでいくのですか・・・それなら速いでしょうね。
「イロハは空が飛べるのですね。」
『いえ、目視範囲で瞬間跳躍する感じです。』
それって、短距離ワープとかですか・・・とんでもない能力ですね・・・
うっ・・・視線が痛いです・・・王女殿下、睨まないでください。私だって知らなかったんですから・・・
王女殿下の視線に耐えながら少し広い場所まで出られました。馬車があれば使えるのでしょうが、あいにく預けたままですね・・・
この際ですからもう一台作るのもアリですが・・・どうしましょうか・・・
「王女殿下、理不尽に目をつむって楽に帰るのと、普通に歩いて帰るのとどっちがいいですか?」
「理不尽に目をつむるって、また何かやるのですか・・・もう諦めましたので楽に帰る方を選びますよ。」
諦めるとか酷いですね・・・確かに理不尽だとは私も理解はしてますけど・・・
鉄はまだ少しありますし、木はその辺に生えてますね。この間と同じような馬車でいいですね。あ、スワニーの羽根は使わないと行けませんね。あの、ソファーは必須です。今回はキクを除けば9人ですか・・・1人は馬に乗ってもらうとして、馬車は8人乗りですか・・・大きいですね。御者台に2人乗れると言っても寝るところを確保もしたいですから・・・
それではクリエイトしますか・・・結構大きな繭が出来ましたね。王女殿下はまたか・・・と言った目で見てますよ。楽に帰れるのですからいいじゃないですか・・・私は2ヶ月も歩くのは嫌ですよ。
「それで、カオリは何を作っているのですか・・・かなり大きな物のようですが・・・」
「ええ、少しでも楽をしたいので馬車を作ることにしました。」
「カオリ、私の聞き間違いかしら・・・何を作るのですか?」
「ですから、馬車を作りますよ。」
「百歩譲って、馬車はいいとしましょう。馬がいませんよ、どうするのですか?」
馬車はのことは譲ってもらえるのですね。馬ですか、先に出しておきましょうか。
「馬ならいますよ。」
空間収納の中から馬(の人形)を出します。
「非常識だとは思ってましたが、なぜマジックバックの中に馬が入るのですか・・・」
「なぜでしょうね?」
一応、とぼけておきましょう。こうすることで聞くのをやめてくれるはずです。
「アヤハ、2ヶ月かかると言ってましたが、馬車ならどのくらいですか?」
『お母様の馬車なら、1ヶ月位で付くと思います。』
私の馬車ならですか・・・休憩が少ないからと言うことですね。馬もスピードが出せますしね。
「王女殿下、あと数時間で馬車は出来上がりますが、色々チェックもしたいので出発は明日でいいですか?」
「・・・もうお任せしますわ。好きにして下さい・・・」
そんな投げやりな言い方をしなくてもいいじゃないですか・・・
「アヤハ、こっちにいらっしゃい。」
『はい、なんでしょうか。』
「この間は無茶をしたから、少しメンテナンスをしておきましょう。」
『はい、おねがいします。』
なんか嬉しそうです。私に構ってもらえるとみんな喜びますね。可愛い娘達ですよ。なごみます。
リペアをかけてみると体中のあちこちに絆創膏のような物が貼られます。所々擦り傷のようなものがあったのでしょうね。
「アヤハ、ずいぶん無理させちゃったわね。ごめんね。」
『そんな、お母様の為ならなんだってします。』
「ありがとう。でも無理とかはダメだからね。」
『はい。』
しばらく頭を撫でていてあげましょう。コトハが羨ましそうにしてますね。ちゃんと後で抱っこしてあげますから、ちょっと待っていなさい。
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