130.なんとか倒したみたいです。
『姉様。』
『イロハ、お母様は?』
『コトハに任せてきた。』
『・・・そうですか。では、さっさと片付けてお母様のところに帰りますよ。』
少し離れた場所でアヤハとイロハがドラゴンと戦っているのが見えます。イロハが行ってくれたおかげか、アヤハ1人に攻撃が集中することがないようです。以前ドラゴンを倒してきたときはイロハが首を落としたんでしたよね・・・また、そうするのでしょうか・・・
『イロハ、無理せずそいつを引きつけてちょうだい。』
『わかったよ。でも、倒せそうなら倒しちゃうからね。』
イロハは空を駆け上がるように走って行きますし、アヤハも空を飛んでるんじゃないかと思うほどジャンプ力が凄いですね・・・
ドラゴンがブレスを吐こうとしてるのはわかりますが、目標を定めかねてる感じでしょうか。2人とも結構動きますから。
あ、なんか目が合ってしまった気がします。こっちを狙う気ですね・・・そりゃそうですか、動かない物を狙った方が早いですからね。
ちょっと、アヤハ何してるんですか。ドラゴンの目の前に立つとか・・・
口の中めがけて弾を撃ち込みましたね・・・なんて危ないことをするんですか・・・お説教です・・・いえ、お仕置きレベルですよ・・・
『姉様、なかなか倒れてくれません・・・』
『そうね、この間の竜より強い気がします。』
『また援護してください。首を落としてきます。』
『鱗に魔力を通していて刃が通りにくくなってます。気をつけるのですよ。』
『はい。また母様に怒られちゃうもんね。』
ちゃんと聞こえてますよ。アヤハも、イロハもお説教確定ですからね。2人が強いと言うことがわかっていても、見ているこっちはハラハラしてしまいます。
アヤハが援護をしてイロハが首を落とす・・・お決まりのパターンでしょうか・・・
あっ・・・アヤハの撃った弾がドラゴンの目に当たりましたか・・・後頭部の方に突き抜けましたね・・・口の中に撃ち込んだときはダメだったみたいでしたが今度はうまくいったようですね。イロハが首を落とす前に崩れ落ちましたね・・・
『姉様・・・私が首を落とすって・・・』
イロハは自分がとどめを刺せなかったことが悔しいのでしょうか。でも、危険な目にはあって欲しくないのですよ。早く倒せたことは良しとしないといけません。
『かぁさん、まわりには魔物の気配はないよ。出てっても大丈夫だと思う。』
イロハから渡されている大きな盾を持ち上げてコトハがくぼみから出ようとしてます。
「そうなの?なら早くアヤハ達の所に行きましょうか。」
「もう、大丈夫なの?」
王女殿下がたずねてきますね、ドラゴンですからね・・・倒したといってもなかなか信じがたいのでしょう・・・
「アヤハ、お疲れ様。」
『お母様、あたりにドラゴンはいないようなのでもう安心です。』
「うん、コトハもそう言っていたし大丈夫みたいね。イロハもありがとうね。」
ニコニコしているようですが、まだとどめを刺せなかったのが不満なようですね。ドラゴンの死骸を剣でつつくのはやめなさい・・・
「それにしても近くで見ると大きなドラゴンですね。塔の中にいたドラゴンより大きいですね。」
『はい、以前倒したドラゴンより大きいと思います。』
「・・・ねえカオリ。ちょっと聞いていいかしら?」
「はい、答えられる範囲のことであれば。」
「その子の話しぶりからすると、今回の2匹以外にもドラゴンを倒したことがあるように聞こえるのだけど?」
「えっ・・・そんな風に聞こえましたか?」
「ええ、少なくとも3匹目のように聞こえたわ。」
「気のせいです。」
「今回のことは黙ってる約束だけど、その前のことはどうだったかしら?」
痛いところを突いてきますね。それ以外については何も言ってませんが、黙っててくれると思うのですが・・・
「内緒ですよ。」
「わかったわ。誰にも言わないから・・・それで何匹目なの?」
「多分3匹目だと思いますよ。」
チラリとアヤハの方に目をやります。頷いているので隠れて倒したと言うことはないようです。
「それで、全部あなたのマジックバックに入っていると・・・」
「まぁ、そうですね・・・」
マジックバックでなく空間収納なのですが大きな差ではないでしょう。
大きく溜息をついてますね・・・ワイバーンでもかなり貴重な素材と聞きましたからね。ドラゴンともなれば貴重なんて物じゃないんでしょうね。
話しながらドラゴンを空間収納に仕舞ってしまいましょう。また何かの素材にしましょう。
ドラゴン素材も増えましたし、またドールを作るのもいいかもしれません・・・
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