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124/373

124.出口みたいです。

 最終決戦ですね。階段を上ると大きなコロッセオのような所にでました。もちろん私たちがいるのは観客席ではなく闘技場の方です。目の前にはドラゴンがいますね・・・私としてはあまりに現実味に乏しいので、怖さが半減してしまいます。まるでゲームの中のようにしか感じられません。王女殿下達は・・・気を失う直前といった感じでしょうか。顔色が真っ青です・・・

 「アヤハ、イロハ。頼みましたよ。」

 『はい、お母様。』

 『うん、まかせて。』

 私も攻撃をとも思いましたが、ヘタなことをして怪我してもいけません。見学していましょう。




 『姉様、援護をお願いします。この間のようなヘマはしません。』

 『ええ、お母様に心配かけないようにね。』

 イロハ、今度は怪我をしないで下さいね。危ないことはダメと言っておきながら、2人に戦わせてしまうなんていけないですね・・・私も強くならないといけないのでしょうか・・・せめて、自衛出来る程度には・・・


 アヤハが、弓で牽制しながらイロハが攻撃ですか。これだけ広いところですからそれなりに有効ですね・・・それより、さっきからイロハが空を飛んでる・・・いえ、歩いてるのですか・・・あの娘あんなこと出来たのですか・・・

 それにしてもドラゴンも体の大きさの割には小回りがききますね。

 えっ?こっち見ましたね・・・大きく息を吸って・・・って、ブレスですか・・・ヤバいのでは・・・

 あ、イロハが顎を蹴り上げましたね・・・口の中でブレスが炸裂したようです・・・助けてくれたのは嬉しいのですが、スカートの中見えそうでしたよ。後で注意しておきましょう。

 『イロハ、なるべく綺麗なまま倒しなさい。お母様に渡す素材にしますから。』

 『うん、首を落とせばいいかな?』

 『そうですね、喉元あたりからすっぱりやって下さい。』

 あの娘達、何言ってるんですか・・・素材にするとか・・・そもそも、体が残るかすらわからないじゃないですか・・・今までの魔物は全部消えてしまったのですから。

 「カオリ、倒せそうなの?」

 王女殿下が息を吹き返しましたね。え、死んでない?死にそうな顔してただけでしたね。

 「ええ、大丈夫そうですね。」

 「そう・・・この目で見ていてもまだ信じられないわ。」

 「私はドラゴンがどの位強いかなんて知りませんが、あの娘達にとってはそれほどでもないみたいです。」

 「それで、イロハさんでしたっけ・・・私には空を飛んでいるように見えるのですが・・・」

 ええ、そうですね・・・そう見えますよね・・・

 「多分気のせいです。」

 「いえ、飛んでますよね?」

 「気のせいです。」

 「わかりました・・・気のせいですね・・・ええ、気のせいです・・・」

 半ば自棄になってますね・・・どこまで話せますかね・・・話してあげたいのはやまやまですが・・・内容が内容ですし・・・



 王女殿下と話をしているうちに決着が付いたようです。イロハが首を落としたみたいです。とても良い笑顔で走ってきますよ。

 『母様~ドラゴンを倒したよ。褒めて。』

 確かに私たちを守りながら、倒してくれましたね。少し注意しなければならない点もありますが、まずは褒めてあげないといけないですね。

 「イロハ、ありがとうね。あなたのおかげでみんなが無事だったわ。」

 『えへへ~』

 本当にかわいいですね。

 「アヤハもありがとうね。」

 『はい、お母様。みんな無事で何よりです。』

 アヤハはちゃんと周りを見ることが出来るのですね。さすが長女です。ん・・・服を引っぱられましたよ・・・コトハですか。

 「コトハも守ってくれてありがとうね。」

 『うん。』

 頭を撫でてあげましょう。アヤハもイロハも後で撫でてあげますから、その物欲しそうな目はやめなさい。

 コトハを撫でた後、2人も頭を撫でてあげることになりました。

 「あなたの娘達って、戦っている時とあなたに甘えている時とギャップがすごいわね・・・」

 「あはは・・・そうですね。でも可愛いから仕方ありませんよ。」

 「クスッ・・・」

 笑われてしまいましたね。でも、王女殿下も少し元気が戻ったようで安心しました。



 そういえばドラゴンが消えませんね。回収出来そうです。

 「イロハ、あなたのマジックバックにあのドラゴンは入りそう?」

 「カオリ、あなた何言ってるんですか?あんな大きな物がマジックバックに入るわけないじゃないですか。」

 『うん、まだ、色々入っているからちょっと無理そう。』

 「そうですか。なら私のに入れましょうか。」

 せっかくアヤハ達が綺麗に倒してくれたドラゴンです。持って帰らないといけませんね。空間収納に入れてしまいましょう。もちろんマジックバックに入れるように見せかけてです。

 「ねぇ、カオリ・・・あなたのマジックバックってどうなってるの?どの位の量が入るの・・・」

 「内緒です。あれも見なかったことにして下さいね。」

 「うぅぅ・・・で、でも・・・わかりました、見てません・・・見てませんとも・・・クスン・・・」

 泣いたってダメですよ。


 さて、コロッセオの反対側にある扉に向かいましょう。あれが出口のはずです。

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