表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/248

第1話 スキルが死んだ。そして、パーティーからも追い出された 1

 本編の制作中、ふと書きたくなった外伝作品です。外伝の方は一人称で、文章の方も少し短めになっています。新要素(と思われる)の「スキル死に」が、新しい発明になったら嬉しいです。

 スキルが死んだ。それも、突然に死んだ。夕暮れが美しい森の中で、目の前のモンスターに剣を振るおうとした瞬間、身体の中からスッと消えてしまった。

 

 周りの仲間達も驚いている。

 組織の頭目も、驚いている。


 仲間達は森の怪物達を倒した後も、無言で俺の事を眺めていた。

 

 俺は、それらの目から視線を逸らした。

 

 みんなの目を見ていられない。どんなに頑張って視線を戻そうとしても、さっきの衝撃がまた蘇って、地面の上をまだ見つづけてしまった。

 

 俺は、今の状況に混乱した。「自分に一体、何が起こったのだろう?」ってね。腰の鞘に剣を戻して、周りの仲間達に助けを求めたが、仲間達も何が起こったのかまったく分かっておらず、頭目のマティを除いては、残り全員が互いの顔をただ見あっていった。

 

 俺は、その光景に打ちふるえた。


「な、何でもいいから! 何か、言ってくれよ!」


 そうでなきゃ、頭がもっと混乱してしまう。

 目の前の景色がかすんでしまう。

 目の前の景色は今も美しかったが、それもだんだんと消えていってしまった。


 俺は頭目の男に呼ばれて、組織の面々から少し離された。


「話がある」


 それが最初の一言。倒木の上に座らされて、今も立っているマティから言われた事だった。


 マティは俺の顔をチラチラと見たが、それも数秒くらいで終わってしまい、俺が彼に「あ、あの!」と話しかけた時にはもう、俺の隣に腰を降ろしていた。


「困ったな」


 ああ、本当に。俺も本気で、困っている。


「まさか、()()()()()()()()()()()()()()()()


 本当に信じられないよな? 俺だって、いまだに信じられない。

 

 身体の中から気配、スキルが死んだ感覚は。ステータスの画面が突然に現れて、スキルの項目が砂嵐に紛れ、それから横棒の表示が見えた時は。

 

 横棒の表示は、スキル無し。「特殊なスキルをまったく持っていない」と言う表示だ。「それが現れた」と言う事は、「()()()()()()()()」と言う事。


 剣士を志す者なら必ず欲しがるスキル、「超剣士」のスキルが「消えてしまった」と言う事だ。超剣士のスキルが消えたのなら……俺は。


「用無しだ」


 無慈悲な一言。それを言ったのはもちろん、隣の男だ。


 彼は、他人のステータスを視られる。「ステータス透視」と呼ばれるスキルで、自分はもちろん、その仲間達にも任意の個人、あるいは、集団にも自分が選んだ特定人物、もしくは、集団のステータスを伝えたり、見せたりする事もできるのだ。


 つまりは、ステータスの情報共有を可能化するスキル。

 彼のような人間には、「最高」とも言えるスキルだった。それを持っている彼から「用無し」と言われたのなら、それは文字通りの追放を意味する。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「嫌です」


 返事なし。


「このギルドから出ていきたくない」


 またも、返事なし。


「俺は、このギルドを」


 それを遮ったのは、マティではない。俺達の前に突然現れた、補佐剣士のバシリだった。バシリは俺と同じ十四歳だったが、その背丈が俺よりも少し高い事もあって、上から俺の事を見おろすと、それがいつも以上に高く見えた。


「しつけぇな! リーダーが『要らない』って言っているんだから、さっさと出ていけよ!」

 第1話を読んで頂き、本当にありがとうございます。

 本作の制作に関しまして、ブックマーク登録、作品へのご評価は、本作を書く上で大変励みになります。読者の皆様にはお手数をお掛け致しますが、もし「本作が面白い」、「続きが読みたい」と思われた際は、【☆☆☆☆☆」に【★★★★★】(※★は、いくつでも構いません)を入れて頂けたら幸いです(強制では御座いませんので、ご登録やご評価等が無くても大丈夫です)。

 この作品が、より多くの方に楽しんで頂ける作品となる事を祈ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ