私が城へ!?
「あなたが、フローレス伯爵令嬢か?」
珍しいことに、今日の1番の客は、着ている服から見るに貴族の男性の方のようだ。
いつもは、貴族の方などは来ず、少し裕福な商人の娘や奥様、隠居をされた方などがコーヒーを片手に読書をしたり、おしゃべりに興じたりと自由でゆったりとした時間が流れている”カフェ・フローラ”だが、今日はちょっと違ったらしい。
「いらっしゃいませ。お一人でいらっしゃいますか?」
いきなりのよくわからない質問に驚いたが、何かの聞き間違いだと思い、いつもの対応と変わりない挨拶をした。
「私は客ではない。あなたはフローレス伯爵令嬢か?」
再度問いかけられた問いに、心あたりがなく困惑した。
この貴族のなりをしている男が言っているフローレス伯爵とは、ここエリストラ国の中でも古くからある貴族のことである。とても、私のような下町の娘に関わりがあるとは思えない。
「誰かの人違いではないでしょうか?」
心あたりがない。
「いや。君はフローレンンス伯爵令嬢で間違いないはずだ。なぜ、この様な下町で店を出しているかはわからないが。パトリック殿下があなたに会いたいと言っている。今すぐに一緒に来ていただきたいのだが」
その発言に、より一層困惑した。
心当たりがない上に、パトリック殿下というのは、この様な下町育ちの私でさえ名前を知っている、この国の王子の名前であるからだ。
兎も角、王子の名前を出されてしまっては逆らう事などできず、とりあえず身の回りのものを手にこの男について行くことになった。
初めまして。和みです。
初めての作品で至らない点が、たくさん。そして分かりにくい表現もたくさんあると思います。が、皆さんと作り上げていけたら嬉しいので是非よろしくお願いいたします♪
2021年6月14日に編集しました!
2021年6月15日脱字治しました!