【漫才】コンビニ強盗……なの?
二人「はい、どーもーお願いしまーす」
ボケ「ウィーン(自動ドアを開ける仕草)」
ツッコミ「……え?」
ボケ「いやお前、コンビニに客来たんだからさ、『いらっしゃいませ〜』くらい言えよ!」
ツッコミ「その前に設定言えよ! 分かんねえよ!」
ボケ「悲しいなぁ、お前とは以心伝心の仲だと思ってたのに……」
ツッコミ「あのなぁ、肝心のお客さんが置いてきぼりで可哀想だろ」
ボケ「うん、だからお客の俺がかわいそう」
ツッコミ「いや漫才見てくれてるお客さんのことだっつーの! アホかお前は。ったく。……で? コンビニの設定で行くんだな。俺が店員やればいいの?」
ボケ「そう。……ウィーン」
ツッコミ「いらっしゃいませ~」
ボケ「強盗だ! 言うことを聞け!」
ツッコミ「あ、ちゃんと強盗っていうタイプ? マジか……(ちょっとビビって)おっ、お前の言うことなんか聞かないぞ! 通報してやる!」
ボケ「はぁ? 俺の言うことが聞けねぇのか?!」
ツッコミ「たっ、たりめぇだろーが!」
ボケ「俺だぞ? 本当に聞けないの? 俺の言うことよ? 俺だよ俺」
ツッコミ「え? 何このコンビニ強盗からオレオレ詐欺的な展開」
ボケ「あーもう! 俺だって! 後藤!」
ツッコミ「あ、強盗じゃなくて後藤?」
ボケ「そうだよ、中学3年間ずっと隣のクラスだった後藤だよ!」
ツッコミ「いや面識ほぼゼロ! 知らねぇさすがに知らねぇ!」
ボケ「とにかく、この後藤の言うことを聞いてくれ」
ツッコミ「あのなぁ、金なら無理だぞ」
ボケ「何だと……?! 仕方ない、それなら俺もこうするしかないな(ナイフを出す)」
ツッコミ「えっ……!! 何だよ突然……こ、怖いなぁおい…………仕方ない…………レジの金、いくら欲しいんだ」
ボケ「俺はレジの金など求めていない」
ツッコミ「えっ?……じゃあ、この募金箱か?」
ボケ「募金するような善意の塊の人から金など奪えない! それと、このナイフはイミテーションだから安心しろ」
ツッコミ「うわ一気に恐怖消えた! それ俺に言って良かったやつ?!……じゃあ、お前の望みは何なんだ……?」
ボケ「(横を指差して)そこのATMを使わせてもらいたい!」
ツッコミ「それはご勝手にどうぞ?!」
ボケ「いや、だからな、それができないからお前に要求してんだって」
ツッコミ「何すればいいんだよ。ATM壊れてんのか?」
ボケ「俺の要求……聞いてくれるか……?」
ツッコミ「ま、まぁ……中学3年間隣のクラスの縁だし……ってこれ何の縁だか知らねぇけど……それにこれ以上騒がれてもな」
ボケ「ありがとな。早くしないとママに怒られちまうんだよ」
ツッコミ「ママ?! ママに何か頼まれてんの?!」
ボケ「あぁ。やり方は正しいはずなのに、どこのコンビニでやってもうまく引き出せないんだ……」
ツッコミ「何店舗か回ったのな?!」
ボケ「もうこれで最後にしたい。ママに怒られるの嫌だから、俺と一緒に操作してヒントをくれないか」
ツッコミ「あぁ、まあいいだろう。何のヒントだ」
ボケ「お前のばあちゃんの、暗証番号……」
ツッコミ「何俺のばあちゃん騙してんだよ?!」
ボケ「ママに頼まれたんだって、お前のばあちゃんならガード緩そうだからやってこいって」
ツッコミ「お前の母ちゃんとんでもねえ奴だな。ってかそれを孫に言うのな」
ボケ「で、『俺だよ』って電話したらすぐ信じてくれて……暗証番号を聞いたのに忘れちまったんだ」
ツッコミ「ばあちゃんアホか……ってかなぁ後藤。俺のばあちゃんは45歳の時に6個上のじいちゃん亡くしてさ。その後女手1つで俺の父親育て上げるまで苦労したんだよ。そんな可哀想なばあちゃんから金を取るなんて、卑怯なことはやめてくれないか」
ボケ「あぁ……可哀想だなそれは……」
ツッコミ「だろ? だから…………ってお前、どこか上の空だな」
ボケ「45歳の時に6個上の旦那を亡くして女手1つ……行けた! でかしたぞ! 暗証番号は4561だ! ママに怒られなくて済む! 重大ヒントくれてありがとな!」
ツッコミ「待ってこれヒントだったの?! マジかよばあちゃん!!」
ボケ「(携帯を出して)もしもしママ? 俺だよ俺。ミッションクリアだ!」
ツッコミ「もうやめてぇ〜!!」
おわり